殊能将之『子どもの王様』

殊能将之_子どもの王様
殊能将之『子どもの王様』 (講談社文庫)

殊能将之の『子どもの王様』を読みました。

団地に住むショウタと親友トモヤ。部屋に籠もって本ばかり読んでいるトモヤの奇妙なつくり話が、ショウタの目の前で現実のものとなる。残酷な“子どもの王様”が現れたのだ。怯える親友を守るため、ショウタがとった行動とは? つくり話の真相とは? 『ハサミ男』の殊能将之が遺した傑作をついに文庫化!

それほどミステリ色は濃くない、小学生の日常を描いた短編。


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
 ↓
『ハサミ男』で有名な殊能将之ですが、他の作品も含めて好きな作家だったんですよね。なので、亡くなった時(2013年)はちとショックでした。私は文庫化されてから買うことがほとんどなので、2000年代中盤以降しばらく作品が出ていないことすら気づいてはいなかったんですけど。

本書は『講談社ミステリーランド』という、有名作家が子供向けに書いた作品をリリースするシリ-ズから刊行された1冊で、以前ウチのブログでも感想を書いた島田荘司『透明人間の納屋』も、本書と同じ第1回の配本です。あと有名どころでは、麻耶雄嵩『神様ゲーム』、 乙一『銃とチョコレート』もそうですね。

ミステリ面でのヒネリはほとんどなく、随分と分かり易い着地点の作品です。かなり短い話でもありますし。生き生きとした登場人物の造形に親近感を覚え、物語の結末にチクリと胸が痛くなる。そんな読後感。
「わたしが子どもだったころ」というあとがき的な文章が、作者の子供時代のことを書いた何でもない文章にも関わらず、何故かジーンとくるんだよなぁ。故人だからだろうか。

しかしテーマとしては本作も重いけど、島荘の透明人間はずっしり感が桁違いだな。とても子供向けとは思えん(苦笑)。軽けりゃ子供向けってわけでもないですけど。

スポンサーサイト

COMMENT 0