PRIMAL FEAR「RULEBREAKER」


PRIMAL FEAR「RULEBREAKER」 (2016)

ドイツ人以外のメンバーもいるけどイメージ的にはほぼドイツな正統派HMバンド、PRIMAL FEARの11thアルバム。
前作「DELIVERING THE BLACK」(2014)がその年の年間ベストにぶっ込まれるくらいの傑作でしたから、本作への期待も大きいです。私が買ったのは、ボーナス・トラックが3曲入っている国内盤の初回生産限定のやつ。

名手Randy Black(Dr)と友好的とは言いがたいムキーッ!な離別を経て、本作制作時のドラマーにはU.D.O.で活躍していたFrancesco Jovinoが迎えられています。お、私とタメだ。
また、2014年の来日公演でもAlex Beyrodt(Gt)の“相方”を務めていたTom Naumannが再加入し(とはいえ、このバンドのギタリストとしてはAlexよりTomのイメージの方が強いよね)、Magnus Karlsson(Gt&Key)とのトリプルギター体制になっています。
Magnusはツアーには参加しない人だっていう衝撃の事実を、前回来日の前日に(ようやく)知った私ですが、そういう事情ならば(ライブ要員としても)Tom正式加入は頷ける話ではあります。Magnusのギター・プレイを観ることができないってのは頷けない話ですけど。

MVにもなった①Angels Of Mercy②The End Is Nearという流れで始まる本作(MVは→コチラコチラ)。この序盤の入り方は「ちょっと愛想が無さ過ぎるかな?」「初期の作風に回帰か?」等と思いましたが、③Bullets & Tears以降は近作に近い、アグレッションとメロディのバランスが取れた曲が並びます。
前作の方がメロディにフックがあったようにも思えますし、それゆえ私自身のお気に入り度も高いのですが、本作もまたかなりの力作に仕上がっていますね。相変わらず、疾走感(だけ)に頼らないソングライティング・センスの冴えを感じます。上記①②⑧The Devil In Me⑨Constant Heartという、無骨/正統派ど真ん中路線のハード・テイストな曲でも間奏は実にメロディックだったりするので、軟弱メタラーたる自分でも美味しくいただけますし。

新ドラマー・Francescoのプレイは、ドカンドカンとしててパワフルですね。前任Randyよりも一音一音の粒(面積)が大きいというか。Randyの方がビシビシとキまって現代的でエクストリーム寄り、Francescoの方がオーセンティックという感じかな。
ボーナス・トラックである⑫Final Callのスラッシーな曲調を聴くと、「Randyならもっとソリッドに叩いただろうな…」等と懐かしく思ったりもしますが、Francescoが悪いわけじゃなくて、むしろ良いです。Randyが凄すぎただけ。

本作の白眉は、アルバム中間の流れ。
間奏のドラマティズムに胸が熱くなるメタル賛歌⑤In Metal We Trust、10分を超えるバンド最長の大作⑥We Walk Without Fear、彼らの得意パターンが炸裂するキャッチーな⑦At War With The Worldという3曲がやばしやばし。
中でもは、(Mat) Sinner/Karlsson/Scheepersという優れたソングライター・チームのセンスを集結させたキラー・チューンで、アタマからケツまで鳥肌モノの展開が続きます。シンフォニック・メタルに通じる味付けとギター陣によるバトルが曲を劇的に盛り上げてくれちゃうんで、結果、オイラは激的に盛り上がるという。

しかし、Ralf Scheepersはやっぱり素晴らしい歌い手ですね。徹頭徹尾メタル・ヴォーカリストなんだけど、バラード⑩The Sky Is Burningみたいなナイーヴな歌唱も実に魅力的に響きますし。おまけに、いくらけたたましいハイトーンをぶちかましても、この人の場合、それが「声」じゃないんだよな。あくまで「歌」なんだよ。感情がしっかりと乗っているのを感じるのよ、私は。


奇を衒わない王道HMはブレず。歌唱と演奏と楽曲、それぞれの要素に磨きをかけた充実作。近作が好きならマストでしょうし、このバンドの事を気になっている人は本作から入ってもいいんじゃないでしょうかね。MVの2曲では判断できない良さがあると思いますよ。

【お気に入り】
⑥We Walk Without Fear
⑤In Metal We Trust
⑩The Sky Is Burning
⑦At War With The World

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COMMENT 2

DD  2016, 02. 16 [Tue] 20:01

 曲作りに自信があるから、あえて即効性ある2曲を先頭に持ってきたともいえるし、聴きこんでほしいからその曲順になったと、どちらとも言えますね、今回の並びは。

 今回は長めの曲が少ないながら(6のみ)、それでも聴きごたえある作品にするのは、さすがですね。

 でも、これだけの作品を作っていながら、名曲がありすぎるぐらいある彼らゆえ、来日で新譜から何曲演奏するのでしょう、3曲でも十分納得させられる構成にできる力量ある彼らならではの、ぜいたくすぎる悩みの1つかもしれませんが。

 来日までに聞き込むべき新たな名作誕生、というところですかね。

 お気に入り・・1、5,6,8,12(現時点ゆえに、時期変われば変わるかも)

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ヒゲ・スカイウォーカー  2016, 02. 18 [Thu] 19:52

DDさん、

Magnus含めたソングライター・チームが上手く機能しているのを感じる傑作ですね。

ライブではDrが変わっただけに、選曲は彼がどこまで過去曲を覚えるかに依る気がします。必然的に新譜から多くなるかもしれません。

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