六合、EARLY CROSS、Ethereal Sin@吉祥寺CRESCENDO

六合主催イベント 『 KUROHEBI BENIHEBI – 黒蛇 』 吉祥寺CRESCENDO (2016/2/6)

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京都出身の六合(りくごう)の主催イベントに行ってきました。東京と大阪、2週連続で行われるもので、この東京が『黒蛇』、翌週の大阪公演が『紅蛇』となっています。イベント・タイトルは勿論、昨年リリースのミニアルバム「黒蛇紅蛇」からとったものですね。
各バンド、40分のステージでした。

私はライブ前に、同じ吉祥寺のCLUB SEATAに行く友人達と会っていて、その後、スター・ウォーズのEP7『フォースの覚醒』をチューイ!(2回目)してから向かいました。CRESCENDOに着くと、ちょうど2バンド目への転換が始めるところ。主催だけじゃなくてそれぞれのバンドが少しずつ集客してるような客層でしたが、フロアは空いていてやや寂しい感じも。


Ethereal Sin
自称エレジアック・ブラックメタルなシンフォニック・ブラックメタル・バンド。海外バンドの前座じゃない彼らは初めてですが、いつ観ても安定して楽しめるライブを披露してくれるアクトですね。
印象的なメロディを聴き応えのある展開に乗せて聞かせる、という曲作りの巧さがまず光っていますが、個々のメンバーの貢献や役割分担がきちんと機能しているのを感じますね。例えば、Morgan le-Fay(Key&Vo)の存在が美や神秘性の演出の多くを担っている点や、Yama Darkblaze(Vo)の薄くなりがちなグロゥルを弦楽器隊の掛け声系シャウトで補強していることもそうだし、Yamaとスキンヘッド下手側Gt氏(=Sariel Evileye?)の掛け合い漫才風MCもしかり(笑)。キャッチーでダイレクトな要素が強めな曲を後半に配置するセット構成も上手かったと思います。
ウォ~オ、オ、オ~オなコーラス・パートがある新曲がとても良かったですね。


EARLY CROSS
自称ランドスケープ・ロックなプログレッシヴ・メタル・バンド。以前、1stアルバムの「Pathfinder」(2013)について記事にしました(→コチラ)。この日、このイベントに行くことを選んだのは、主催の六合と共にこのバンドを観たかったというのが大きいです。DGMのライブの時には出番に間に合わなかったからなぁ。
どうやらその時からはヴォーカリストが交替しており、この日のライブがそのお披露目のステージだったようです。前のVoはロシア人で、現Voはカナダ人女性のMel。そうか、「We are EARLY CROSS」というバンド自己紹介の前に、「I'm Mel」って自分の名前を言ったのはそういう(=初ステージである)ことだったのか。
因みに、サポートKeyはANCIENT MYTHのPuzzy。

転換時の音出しの時点から予感はありましたが、素晴らしいパフォーマンスでした。ステージ上の空気を一気に塗り替えることのできるバンドでしょう。実に個性的な出音と佇まいを持ってます。目隠しして聴いたら、日本のバンドだとはまるで思えない空気感とメロディ使いでしたね。北欧というか、北国の森の奥ですわコレ。その音に合わせた照明効果も良かった。

幽玄なポストロック的パートから、楽器隊の技巧っぷりがビシビシとキまるプログレメタリックなパートまで、その押し出し方や温度・明度の演出は自由自在。特に、リーダーなんでしょうか、上手側GtのHiroaki Katoの適材適所の音選び、フレージングの妙は光っていましたね。シューゲイザー的な音の壁を作ったかと思えば、タッピングを交えた現代的なプレイが飛び出してきたりと、幅広い。
その演奏の上を、浮遊感のあるMelの歌声がふわりふわり、ひらりひらりと舞う。儚げであると同時に、楽器に埋もれない力強さがあるのが良かったですね(ここらへんの聞こえ方は、各パートの住み分けがしっかりなされているからかも)。

演奏に集中しているステージ上のメンバーですけど、他を寄せ付けないような厳しい感じはしませんでした。Melの自然体のパフォーマンスに依るところも大きかったかもしれません。
多分1曲1曲は長めの尺があったと思うんですけど、バンドが織り成すドラマにグイグイ引き込まれ、あっという間の40分でしたね。


六合
自称ダークロックなハードロック/ヘヴィロック・バンド。観るのは去年の8月(→コチラ)に続き、2回目。年末のスリーマンの時は間に合わなかったからね。

前回、「黒蛇紅蛇」リリース前に観た時も素晴らしかったですが、その日の印象を完全に塗り替えるほどの出来でした。途中何度も、うぉーうぉー&すげーすげーって口走りそうになってましたわ。
まず積田晋平(Vo)が絶好調。潜行でのハイトーン部分にはちと苦し気な感じもありましたが、中音域の厚みと押し出しの強さには驚かされました。また、彼の全身を大きく使ったアクション(=不必要に芝居がかっていないところが好印象)と、キビキビしていながらもフレンドリーで温かみのある煽りやMCが、バンド全体の印象を(良い意味で)近づき難いものにしていないのは特筆すべき点。
演奏陣の様子は、正に戦闘的スタイルですね。出音も演奏中のメンバーの見た目も。タイプの異なる2本のGtも、ヌルヌルと大きく動くBaも、怖ろしいほど的確にキめてくるDrも全て、テンポや曲調を超えたところで突進力や迫力を聴き手に伝えてきます。
中でも、やっぱり内田伸吾のDrプレイ、生で聴くとほんとヤヴァいですよこれ。ズドンズドンと杭を打ち込まれるような音は、シーン屈指のスパルタ度を誇ってます(意味不明)。それが弦楽器と一体になって、ジャストに刻みまくるキメ/ブレイク・パートの緊張感たるや。
勿論、攻め攻めなところだけじゃなくて、ダンサブルにノせる柔軟さや取っ付き易さもあるバンドですけどね。

この六合、Key奏者(八木俊介)が在籍していながらもライブには参加せず、同期音源で対応するスタイルです。そうすると、Keyによるメロディやムード演出が曲の印象を決定づけていることが少なくないバンドですので、必然的に同期の持つ役割は大きくなります。そんな状況でありながら、バンド・サウンドが同期に全く引き摺られていないことにビビるんですよね。
要するに、観ればバンドの地力が一発でダイレクトに伝わってくるステージだったと、声を大にして言いたいわけです。かつ同時に、そしてやはり、Keyのもたらす凛とした気品が欠くことの出来ないポイントだったりもするんですよね。生バンドもKeyも、どっちも大事。で、その両立がバランス良く為されている感じ。
あとこのバンド、リズム隊が演奏しながらメロディを口ずさんでるのがほんとイイ。それで何が変わるってわけじゃないんだけど、観ていて気持ちいいのよね。

最高でした。

<セットリスト>
1.求世輝導
2.超克
3.心愛
4.潜行
5.未来産声、過去亡骸
6.紅蛇
7.黒蛇 ←うぉーッ!!最高地点
ENCORE
8.絶花


独自の空気を持ったバンドの競演を楽しむことの出来た、素晴らしいイベントでした。

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