URIAH HEEP、LUCIFER'S FRIEND@川崎CLUB CITTA'

『URIAH HEEP 45th Anniversary 対自核 "Look At Yourself 2016" Japan Tour』 川崎CLUB CITTA' (2016/1/16)

URIAH HEEPLUCIFER'S FRIEND(←“Very Special Guest”として)のカップリング・ライブに行ってきました!
以前記事にしましたが、John Lawton(Vo)のパフォーマンスを観ておきたかったし、両バンドとも私にとっては(生で観る)最初で最後の機会になるような気もしたので。
CLUB CITTA'で椅子席制の1日目。立ち見エリアまで開放しての大盛況満員状態でした。

ヒープというと、今でも現役のバンドとしてバリバリ(←死語ですか?)活動しているのは知っていますが、私は「プログレッシヴロックの延長としての70年代HR」というイメージで捉えていましたし、LUCIFER'S FRIENDに関しても「MEAN MACHINE」(1981)に数曲激しめの曲があるものの全体的にはゆったりどっしりとした音を出すんだろうと思っていました。要するに、2つとも「おとなしい」バンドという認識ですね。
ですので、「チッタ+椅子席」というプログレ的公式に当てはめると、これは座ったままのライブであろう、と。本編最後とアンコールだけスタンディング・オベーションで立ってパチパチパチパチなノリであろうと。
勝手にそう思っていました。

だがしかし。
熱心なヒープファンの友人とライブ前に合流して喋っていると、会話の中に「え、(ライブ中は)立つに決まってるでしょ!」というテンションの発言が飛び出してきてビックリ!(笑) そうか、立つのか。ヒープはノリノリ(←死語ですか?)なのか。オイラ、座ったままの体力温存観戦モードのつもりだったぞ。

しかも、だ。
チケットは件の友人氏に手配していただいたんですが、なんとそれがA列。
A列ってのは、
最前列だ。

なんてこったい!
嬉しいんだけどコワイ!
だって、それぞれのバンドのメンバー構成もほとんど把握してないくらい熱心じゃないんだぞオイラ!

見せてあげようか。にわか者の最前列でのノリとやらを!


LUCIFER'S FRIEND
定刻通り、由緒正しき(?)「Ladies and Gentlemen~」でのバンド紹介から始まり、ぴったり1時間のステージでした。
眼鏡を掛けた英国紳士然としたJohn Lawtonが登場すると、熱狂的なオジサマファンによる一際大きい歓声に迎えられ、Prayからスタート。曲が始まると、Johnの促すような仕草に釣られて、(フロア全部ではないものの)多くの人が次々と立ち上がってました。勿論、最前列の私らも。(そうか、やっぱ立つんだな…)

私の席は下手側で、位置はDieter Horns(Ba)とJogi Wichmann(Key)の間あたり。一番ステージに近い位置という音響的にあまり有利でない場所にも関わらず、出音はなかなかまとまっていました。さすがに上手側のGtの音は小さめに聞こえましたが。バンドの演奏自体も、技巧的ではないものの安定している。
なかでも、3台の鍵盤を使い分けたJogiのプレイの存在感と重要性は馬鹿デカく、終始曲の印象を決定付け、アンサンブルをグイグイ引っ張ってゆく役割を担っていました。また、ピアノとオルガンの端正な響きがちょっと荒めのロック・サウンドに気品を添加してて良いんですよね。座って弾いてると、靴下が短いからスネが見えちゃってるんですけど、そういう“うっかり感”すら気にならぬほど(ほんとはめっちゃ気になった)。

で、お目当てのJohn Lawton(69歳)の歌唱はというと、これが素晴らしい。リラックスして声をそんなに張り上げてもいないのに、温もりがあって量感溢れる歌声がバンドの演奏からスッと抜けてくる。ウォームって感じっすよ。癒しって感じっすよ。正に英国的(バンドはドイツだけど)。
ステージ中央にモニターが設置してあるので、ほぼその定位置で歌ってましたが、時々左右に歩き回っては私がいる方にも来てくれましたね。終始にこやかで、ごくごく自然体。キャッチーなコーラスのある曲では客席にマイクを向けてましたが、この人の場合は自分が歌えないからマイクを向けてるわけじゃなくって、あくまで一体感を生むためってのがポイントですかね(単にお客さんの声を聞きたかっただけかもしんないけど)。Hey Driverとか。

まぁ基本曲は地味だし、時期によって曲調がバラバラなバンドなんですけど、Johnの声とJogiのKeyワークのおかげか、想像以上に楽しめました。「和やか」と表現するのが相応しいステージでしたね。
Keyに着目してもう一度ちゃんと聴きなおしてみようかな、と思いました。

<セットリスト>
01.Pray
02.Fire And Rain
03.In The Time Of Job When Mammon Was A Yippie
04.Keep Goin'
05.Hey Driver
06.Riding High
07.Moonshine Rider
08.Burning Ships
09.Ride The Sky
10.Rock 'N' Roll Singer


URIAH HEEP
転換中に私のちょうど目の前にMick Box(Gt)のモニターが設置されて、大いにビビる。
こ、ここで、バンド唯一のオリジナル・メンバーがプレイするのか!?、と。
因みにステージ上の配置は、後方にDrとKey台が並び、前方は下手からGt→Vo→Baという順です。中央にはマイクスタンドが立っているだけで(コロガシの)モニターが無いので、どうやらBernie Shaw(Vo)はイヤモニを使うよう。こういうところも、当初考えていた「おとなしい」バンドっぽくないですね。
後方にはシンプルながら巨大なバックドロップが吊り下げられました。

25分ほどの転換の後、いよいよライブ開始です。客電の落ちた暗闇の中、白いシャツをお召しのジェントルマン・Phil Lanzon(Key)にのみスポットが当たりオルガンを弾き始める。続いて、Drセットも明るくなり………、、っとそこには
タンクトップに二の腕タトゥーのスキンヘッド・ガチムチ野郎の姿がッ!
え?
え?え!?
この人、正式メンバーの人なの? (予備知識ゼロ)
DISTURBEDのVo・David Draimanをちょっと温和にしたようなアナタ、どこのギャングスターか、もしくはどこのエクストリームメタル・バンドのドラマーだよ!?とツッコまざるを得ませんww
(どうやら正式DrのRussell Gilbrookその人のよう)

そんなRussellの見た目の強烈さに度肝を抜かれたのもつかの間、フロント陣メンバーも次々登場してヘヴィなGypsyがスタート。めっちゃ熱っぽいパフォーマンスだ。そりゃ、立ち上がるよ。立って観ますよ。一瞬にして客席の熱気がLUCIFER'S FRIENDの時より上がったのを感じましたね。

私のすぐ目の前にいる御大・Mick Boxは、白髪に青いサングラスという、どこか「豪華客船で世界一周旅行に出かけてる金持ちのオッサン」的な風貌でもってレスポール・タイプのギターを弾いてます。そのトーンがまた独特で、ねちっこくまとわりつくような感じなんですね。かつ、ワウを多用するからさらにウニョウニョしてるという。
で、ただ弾いてるだけでは飽き足らないのか、時折、右手左手問わず実に怪しい仕草をします。これ、Mickさんのトレードマークなんでしょうか、懸賞金を貰う時に手刀を切る力士のような、ギターのネックに向かって料理人がスパイスを振りかけているような、陰陽師が空中で印を結んでいるような、とにかくギタリストらしくない、そしてギタリストがやる必要の全くない動作をこれでもかと繰り出してきます(笑)。そして、デッキの向こうにいる連れの愛人に向かってニコッと微笑むような、会心のドヤ顔ww
なんなんだこの人?サイコーっす!(笑)

Philはオルガンをメインに弾いて、時々ピアノに切り替えるといった配分。しっとり系の曲/パートではヴォーカルも担当しており、BernieとのツインVo体制になる場面もちらほらありました。彼に限らず、ガチムチ・エクストリーム・ドラマー以外の弦楽器隊もコーラスを担当するので、ヴォーカル面でもかなり強力なバンドでしたね。
Philはその白髪のアピアランスも相まって、なんだか大学の先生のよう(以下、「教授」と記す)だったんですが、講義で熱弁を振るいながら黒板を指し示すように大袈裟な仕草を以って歌ったり煽ったりするもんだから、お笑い目線的にも油断ならないんですわ。

驚いたのは、Bernieの優れたフロントマンっぷりです。別に駄洒落を言うつもりはありませんが、徹底したショウマンだな、と。歌声は美しくはないがファニーな親しみやすさがあり、歌い回しは繊細ではないが器用、といった感じ。そして、歌っている時の表情が豊かだし、動きも大きく、華がある。お腹はやや出てるので、ロック・スター然としたカッコ良さは望むべくもないんですが、なんか人の好い熊さん(矛盾した言い回しだ/笑)のようで自然と耳目を引き付けますね。

そしてBernieよりさらに驚いたのは、ガチムチ・エクストリーム・ドラマーことRussell Gilbrook。そのルックスだけでもインパクト大な存在なのに、その彼がURIAH HEEPに在籍してるってことが驚きだし、そのプレイにはもっとビックリした。
「顔で弾くギタリスト」ってのはいますが(Gary Mooreとかね)、彼の場合は「顔で叩くドラマー」だ。今にも泣き出しそうなほどエモーショナルな表情で叩いていたかと思いきや、キメの場面では超大袈裟に椅子からケツを浮かせてバシャァーーンッ!!ってシンバル引っぱたいたり、リズム/リフに合わせて大きく身体を前後に動かしながら叩いたりと、「おまえはSABATONのメンバーかッ!?」
だいたいそんなにド派手なアクションで叩かなくてもいいのに(笑)。つーか、落ち着け!wもうね、ライブ中はついつい彼に目が行っちゃうのよ。というか、釘付け。で、吹き出しちゃうww
サイコーっす。

Davey Rimmerはバンド内で一番“普通”な人かな(笑)。黒髪&痩身のロッカーっぽい雰囲気のテクニシャンでした。

なんなんでしょうね、この異種格闘技戦のようなバンドは(笑)
白髪銀髪×3、黒髪×1、スキンヘッド×1。3/5のタトゥー率。
当初私が思い描いていた、「プログレッシヴロックの延長としての70年代HRを演奏する、おとなしいバンド」とは全く異なる集合体が目の前に現れて、当惑が一瞬にして歓喜と爆笑に変わってしまいましたw

私がこの日観たURIAH HEEPはですね、これパワーメタルですよ。
ガチムチ・エクストリーム・ドラマーの貢献がめちゃくちゃ大きいんですが、出音が殊の外エネルギッシュかつソリッド。そして、若々しい。こりゃあ当然のように立って観るもんだわなーとか思うのも通り越して、激しめの曲ではふつーにヘドバンかましてましたわオイラ(笑)。

アルバム「LOOK AT YOURSELF」(1971)をテーマとして掲げたライブということで、同作からの曲を中心に、70年代の曲と最新作である「OUTSIDER」(2014)の曲を交えたセットリストでした。ですので、2曲目で早くもLook At Yourselfが飛び出してきたりして、パワフルなバンドの底力をまざまざと見せつけられることになる。
直前の大阪公演では序盤に代表曲のJuly Morningを披露してましたが、やっぱりクライマックスに持ってきた方が良いと踏んだのでしょうか、(この翌日も含めて)東京公演では本編ラスト前に移動してましたね。その他にも、Wise ManThe Wizardをやったりと、ちょこちょこセトリ変更はしてきた模様。前者こそJohn LawtonのVoで聴きたかったですが。
最新作からの曲が往年の名曲佳曲が並んだセトリの中で、見事に馴染んでいたのも特筆すべき点ですね。

思ったよりも曲を拡張しないんだな、というのも感じました。前述の「パワーメタル」という印象とも重なるところですが、各演奏者の長々としたソロをフィーチャーするよりも、原曲に準拠したバンド・アンサンブルの中でメンバー各自の良さを出しているイメージですね。その点でも70年代を過度に引き摺っているわけではない感じ。

唯一の例外だったのが、大作のThe Magician's Birthdayでしょうか。自ら「プログ・ロック」と紹介してから始めた曲ですが、この曲の中間部にMickとRussellを残してメンバーが袖に引っ込み、2人でバトるようなセクションが挿入されていました。
「世界一周旅行富豪 vs ガチムチ・エクストリーム・ドラマー」、ヒープきっての芸人同士の白熱した戦いですね(笑)。さぁ、勝つのはどちらだ?
Mickがワウ踏みながら「臨・兵・闘・者・皆・陳…」とか唱え始めそうな手つきで煙に巻いたかと思いきや、Russellが親の仇かってくらいの勢いでシンバルを引っぱたく。それに対抗するかのようにMickがネックに塩コショウ、、、。。。お互いの呼吸を読みながら演奏しているのか疑問に思うほど、それぞれが好き勝手、自分の得意技を次々と繰り出しているようにしか見えんのですよ(笑)。私はもうずっとニヤニヤ&ゲラゲラ笑ってましたw

まぁこの場面だけじゃなくて、ライブ中は常にこの2人が視界に入って笑っちまうんですけどね。さらにその視界の向こうでは教授が大袈裟に腕をブンブン振り回してるんだからもうカオス。
あのしっとりとした叙情的な名曲・July Morningでさえ、この2人のエキサイティングかつ意味不明な凄みが炸裂する後半に、笑いがこみ上げてくる始末ですから。いやー、まさか7月の朝に爆笑するとは思いもしませんでした。人生何があるか分からんものですよ。
そうそう!この曲の序盤の静かなパートではMickのモニターに、つまり私の真ん前にBernieが腰かけて歌ったんですよね…。新宿&恵比寿のLIQUIDROOMで(確か)Don't you cryWanderを歌うRoy Khan(当時KAMELOT)を観た時以来の近距離じゃないのかコレ?

Easy Livin'で本編を締めた後、アンコールはLady In Blackを1曲だけプレイして終了でした。ここでお待ちかねのJohn Lawtonとのセッションになったんですが、彼は曲も半ばまで終わった頃に登場してちょっとだけア~ア~アってコーラスしたくらいでしたね。
入念にリハーサルしたコラボ・タイムっていうよりは、ステージ上にJohnが登場してヒープ・メンバーと一緒に並んだよ、ってくらいのもの。これは少し残念でしたねー。Sympathy聴きたかったんだけどなぁ…。

コラボは不完全燃焼だったものの、ヒープのステージはほんと素晴らしかったですね。
若々しいエネルギーに、魅力的なフロントマン。そして、聴かせどころの多い、フック満載な楽曲の数々。
上では茶化すような書き方も(ばかり?)しましたが(笑)、それは楽しさに直結するものだったわけで、私は大満足でした。最前列という、貴重な場所からの風景も味わうことが出来ましたし。
いやー、ほんと楽しかった。ライブ観てこんなに笑ったのって、あのMANOWAR以来じゃないのか?(笑)

<セットリスト>
01.Gypsy
02.Look At Yourself
03.I Wanna Be Free
04.Shadows Of Grief
05.Love Machine
06.The Law
07.The Outsider
08.Sunrise
09.Bird Of Prey
10.Stealin'
11.The Magician's Birthday
12.Wise Man
13.The Wizard
14.One Minute
15.Can't Take That Away
16.July Morning
17.Easy Livin'
ENCORE
18.Lady In Black (with John Lawton)

スポンサーサイト

COMMENT 6

kazz_asai  2016, 01. 18 [Mon] 22:18

時間を旅する人は死なず

私も17日に観てきました。
感想はすべてヒゲさんのお書きになった通りです(笑)
実はHeepファン歴40年以上にして初めてのライヴ観戦だったのですが、当初は対自核再現ライヴということで「安息の日々」や「ジプシー」などの名曲は聴けないと思っていました。しかしそれは全くの杞憂で「肉食鳥」「黒衣の娘」までプレイしてくれたので、もう思い残すことはありません!(笑)
Lucifer's Friendももちろん良かったです。
ロートン時代のHeep曲が披露されればとも思いますが、ここまで満足させてくれれば、それは隴を得て蜀を望むといったところでしょうか。

Edit | Reply | 

Horch  2016, 01. 18 [Mon] 22:49

最高でしたね!5年後にKen Hensleyを連れてきてくれたらまた行きましょう(笑)

Edit | Reply | 

ヒゲ・スカイウォーカー  2016, 01. 20 [Wed] 20:39

kazz_asaiさん、

一日ズレてしまったので残念ながらお会いできませんでしたが、(私と同様)大いに満足されたようで良かったです。この日のライブを観た今では、前回の「DEMONS AND WIZARDS」完全再現に行っておくべきだったな、と感じております。

Edit | Reply | 

ヒゲ・スカイウォーカー  2016, 01. 20 [Wed] 20:43

Horchさん、

いつもお世話になっておりますが、この件ではさらにお世話になり過ぎてしまいましたm(__)mありがとうございます。
2016年のっけから、ほんと素晴らしいステージでした。


Edit | Reply | 

matrock  2016, 01. 23 [Sat] 17:26

チケットは買っていたのですが

新幹線に乗った途端チケットを忘れたことに気付いて、行くのを断念してしまいました。幸い
新幹線のチケットは払い戻ししてもらえました。汗

評判聞くと行けば良かったなぁと。ただルシファーズフレンド2の曲聞きたかったので、そこは悔しくないもんということで。ジャケは最悪でしたが、メロハーの名盤でしたから。

Edit | Reply | 

ヒゲ・スカイウォーカー  2016, 01. 24 [Sun] 15:13

matrockさん、

なんと!
それは哀しい…。。
ヒープはまた来そうですけど、LFは単独での再来日は厳しい感じはします。

Ⅱの方は「Sumogrip」でしょうか?評判良い作品ですよね。手に入りにくいようで、私は未聴なんですが。

Edit | Reply |