パスピエ@日本武道館

パスピエ 『日本武道館単独公演 “GOKURAKU”』 日本武道館 (2015/12/22)

パスピエの日本武道館公演に行ってきました。

今まで2回観た彼らのライブ(コチラコチラ)は、ステージをフロアとの距離を感じさせないパフォーマンスでした。それが武道館という巨大な空間でどうなるのか?
日本武道館というのは音楽をやっている者、特にバンドをやっている者にとっては特別な舞台なんでしょうし、パスピエにとっては“初”となるだけに、何か特別な趣向やセットを用意してるんだろうな、という期待。事実、この公演のみ『“GOKURAKU”』と題されていたり、アルバム連動のくじ引き企画があったり。
また、この公演は『TOUR 2015“娑婆めぐり”』ツアー・ファイナルという位置付けでもあるんでしょうから、セットリスト的にどうなるのかという興味もある。

娑婆を巡って極楽へ。


映像収録用のカメラはかなり入ってましたね。ステージ袖からの映像は固定だったのかもしれません(カメラ担いでウロウロしてる人がいなかったので)けど、ステージ下にはクレーン・カメラ用のレールが引かれてあったり、演奏中もスタンド席からの風景をカメラマンがあちこち動き回りながら撮ってたり。
ステージは大きく作ってあり、北側(北・北東・北西)だけでなく、東と西のエリアも少し潰している感じ。つまり3分の1以上の席は解放してなかったんでしょうけど、立体的な構造物が北側エリアへの視界を遮断しており、そこまでガランとした空きスペースは目立たない。ステージ後方、階段状になった上には巨大な三角形のスクリーンと照明を兼ねたオブジェが鎮座しており、左右には1階席に近接する花道が伸びる。こんな風にステージは広いんだけど、メンバーの機材は割と中央付近に固まっているのよね。

大学生~20代と思しき若いファンが多いことも、女性客が多いことも、私が今まで観たフロアの光景と同様。スタンドにはポツポツと空き席がある(私の隣も二人分居なかった)ものの、正直ここまで埋まるほどのバンドでは(まだ)ないと思っていただけにビックリしました。まぁ、BARKSのライブレポには8000人とある通り、ステージ・プランにもよりますけど、武道館ってイメージほどデカい会場ではないんですよね。


ライブは、
あぁ、等身大だなぁ…
という印象。

2回しか観たことない人間が何を言うかという感じですが、大胡田なつき(Vo)が生み出すほんわかとした空気、成田ハネダ(Key)主導のキラキラ輝くメロディ、三澤勝洸(Gt)/露崎義邦(Ba)/やおたくや(Dr)によるテクニカルだけど殺伐としていない軽やかなバンドサウンド、といった通常のパスピエ・スペックを備えたパフォーマンスは、武道館という舞台でも(良い意味で)変わりませんでした。ヘンに気張ったところもなかったし。ちょっと前半、サウンドが固かったような気もしますが。

MCをあまり入れずに(結局喋ったのは、大胡田&成田の2人のみ)、楽曲を次々と披露してゆくスタイルは潔い。その楽曲を後押しするのは、大舞台ならではの数々の演出。
スクリーンの映像効果しかり、つくり囃子術中ハックでのゲスト・ダンサーの活躍しかり、チャイナタウン冒頭の銅鑼しかり。MATATABISTEPのイントロで放たれた金色の紙テープ?フィルム?ドパーンの光景は、2階席から観ていたこともあり壮観でしたね。あれ、かなりの距離飛ぶんですね。2階席中段あたりの人まで届いてました。
照明も素晴らしかったです。序盤はやや地味にも感じたんですけど、セットが進むにつれて動きも大きく派手になってゆき、よく練られているな、と。

因みに、このバンド、ワイヤレス機器を使わずにシールドを長々と引き摺りながらのステージングが常のようです。で、武道館ではさすがにワイヤレス使うだろと思ってたら、大胡田は終始シールドズルズル派、弦楽器2人は曲によってシールドズルズルとワイヤレスを使い分けていました。基本はシールド仕様で、袖の方まで動く(と決めてある)曲ではそれ用に持ち代えるといった具合でしたね、多分。シールド捌きを担当するスタッフさん、お疲れ様でしたm(____)m

バンドはいつも通りの好パフォーマンスだったし、大胡田のVoはよく抜けてきてたし、演奏陣の見どころ&聴きどころは多いし、演出はあくまでバンドを主体にしてそれを喰っちゃうことは無かった。とても良かった。
それだけにちょこちょこと不満点もあるんですよね。
楽器陣がアイコンタクトできる距離でプレイしたいのか、セッティングはステージ中央に寄っており、どデカイスペースを持て余している感はありました。お立ち台の活用やメンバーの動きにも、自然にやってるというよりはやや“お決まり”感が漂ってましたかね。
また、出音はこじんまり、とまではいかないけども、過剰なところが無くそつなくまとまっているのが気になりました。バンドの生み出すエネルギーやスケール感が、武道館の空間をまだまだ埋めることができていないという雰囲気。全体的に、照明や演出に助けられてるようにも感じました。

「楽しい」「ほんわか」「巧ぇ」とはなったけど、「うぉぉおおすげーッ!!」とはならなかったです。
ま、初めての大舞台ですしね。これからでしょう。(謎の上から目線)
お客さんは温かく盛り上がっていましたし。


セットリストは、各地のツアーのものからかなり変えてきました。当然のように「娑婆ラバ」の曲を中心にまとめてはいるんですが、ちょこちょこ意表を突くような曲が混ぜてあり、嬉しかったですね。名前の無い鳥とか脳内戦争とか。オープニングの電波ジャックも意外過ぎたし。比較的ストレートな「娑婆ラバ」の曲の中に、凝りに凝ったミニや1stフル「演出家出演」の曲が挟まるとショウに起伏が生まれて良いフックになるのよね。
アンサーが聴きたかったし、あのステージの造りからいって、絶対はやると思ったんだけどなぁ。

途中、大胡田が退場して、演奏陣による明るめのフュージョンちっくなインストがあったんですけど、個人的にはもっとテクの応酬にしてみても面白かったかなと。パスピエの場合、曲中でも各楽器にスポットのあたるフレーズが自然に(ここポイント!)取り込まれていますが、ライブの場だとそういうちょっとしたリックがファンの熱狂を煽ったりしてるわけで、演奏技術やマニアックなフレーズに対する聴き手の理解や許容ってのはかなり深く広いと思うんですよね。だからセッション・タイムだけでも、もっと露骨に攻め攻め&アングラ&ぶっ飛んだものに仕上げてもメリハリが出て来るんじゃないか、と。まぁ、単に私の好みですけど。
あ、あと三澤のGtサウンドは全体的にもうちょっとエッジが効いていてほしいな。


最高と言うには届かなかった部分もありますけど、それは今後への期待ということで。
それはともかく、極めて楽しかったです。
続きはまた今度。 (トキノワ)

<セットリスト>
01.電波ジャック
02.トロイメライ
03.贅沢ないいわけ
04.YES/NO
05.裏の裏
06.トーキョーシティ・アンダーグラウンド
07.蜘蛛の糸
08.名前の無い鳥
09.花
10.楽器隊セッション
11.つくり囃子
12.術中ハック
13.とおりゃんせ
14.チャイナタウン
15.フィーバー
16.脳内戦争
17.手加減の無い未来
18.ワールドエンド
18.シネマ
20.MATATABISTEP
21.トキノワ
22.素顔
ENCORE
23.S.S
24.最終電車

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