Octaviagrace「Recollect Storia」


Octaviagrace「Recollect Storia」 (2015)

ミニアルバム「RESONANT CINEMA」でデビューした、CV的びよん的ロマソ的AOG的なメロディック・メタル・バンド、Octaviagraceの4曲入りシングル(ミニアルバム?)。1年に2作品ということで、なかなかスピード感のあるリリース・ペースです。
前作に引き続き、女性をあしらった美しいジャケに包まれております。伏し目がちなヲクタ子ちゃんですが、8ヶ月しか経ってないのに随分とお年を召したようですね。つーか、痩せた? ちょっと心身共にあんまり調子が良くなさそうに見えて、心配になってしまうなぁ。

短い期間で2作目を出してきたことから想像できる通り、というか本作の収録曲が既にライブのレパートリーに加わっており、それを聴いちゃってるので聴く前から知っていましたが、前作と同じ方向性です。つまり、「初期LIGHT BRINGERRoman so Words」を忙しなく、さらに技巧増し増しにした感じ。
作詞は全て実稀(Vo)。作曲はYouske(Ba)が2曲、Reanne(Key)とhanako(Gt)が1曲ずつ。メンバー4人が曲を書く(本作収録曲に関していえば3人だが)のでそれぞれ少しずつ色合いが異なるのですが、それ以上にバンドとしての統一感を感じるのが特徴でしょうか。

演奏陣はもうやたら忙しく、個々のメンバーが自分の好きなミュージシャンということもあり、面白いのなんの。聴いていると意識は自然と楽器隊のプレイを追ってしまいます。そういう「聴き方」としてはプログレ的なんですけど、そういやこのバンドってHR/HMの流儀に則った技巧が炸裂するにも関わらずそんなにプログレメタルっぽい感じはしないなー、などと思ったりも。プログレメタルというより、「テクニカルなアニソン」という感じ。

緊張感に満ちた楽器間の丁々発止のやりとりが大フィーチャーされてはいますが、それが殺伐とした空気に繋がっていないのは、実稀の歌唱、それと彼女の書いた歌詞が描き出すファンタジックでどこか懐かしい世界観に依るところが大きく、このVo&歌詞と演奏のバランスってのは非常に面白いところだなと思います。他のバンドではほとんど得られない感覚なんですよね。

収められているのは、どれも実際以上にスピード感を感じる楽曲達。なぜスピーディに感じるかっつったら、忙しいからだな(笑)。前作との違いは、実稀の歌唱のフラつきが抑えられている点でしょうかね。「既にあった楽曲に実稀が歌詞を書いて歌った前作」と、「実稀のVoを想定して曲作りを行った今作」。実際のところは不明ながら、それくらいの感触の違いは感じますね。まだまだヴォーカルは弱いし、後述するような課題もあるんですけど。


①albescence
albescent【形容詞】白になるか、または徐々に白へと変化する
あちこちに仕掛けられたキメを経る毎に速度を上げてゆくメロスピ調の曲。冒頭のラップ~シャウトは、globeのMarc PantherからSOILWORK(のBjorn“Speed”Strid)へをイメージしたっつーんだから、何かその…、アレだ(笑)
まぁーツボですね。この曲ツボ過ぎる。適度なシンフォの味付けも良いし、暴れ回るリズム隊も良いし、でも同時に気品を失わない曲調も良いし。それらを圧倒して駆け巡るhanakoのGtがマジでイイッ! 特にキュイーン!って捻じ込まれるGtのオブリがすげーツボで、聴いてるとこちらもキュイーン♡ってなる。ギターキュイーン!胸キュイーン!(意味不明)

で、この曲だけじゃないんですけど、実稀のア行の発音がハ行になってる箇所が結構あって気になりますね。これはティアーズ&SSCのHaruka嬢もそうなんだけど、どういうこっちゃコレ? 流行ってるのかそういうの? 気になりだすととことん気になって仕方ないのよね。

②Aurally lover
プヨップヨ♪ プルップル♪
↑これ、ヴァースでのバックで挿入されるKey音ね(笑)
前曲以上に複雑なキメを連発する曲。性急さは本作一かな。メロディへの歌詞のハメ込みにやや強引さがあり、歌詞の切れ目に無理矢理さを感じる箇所がありますね。ただ「無理がある」ってのが長所にもなりうるバンドでもあるんですけど。まぁVoに関しては、忙しなさではなく優美さの演出に特化してほしい感はあります。

③追想列車もバックは相変わらずキメキメで忙しいんだけど、歌メロには優雅な感じが漂うという、組み合わせが面白い曲。歌詞 is 切ない。ただ、これも歌詞の切れ目に違和感を覚える曲でもあるのよね。

最後はMVにもなった(→コチラ④アザーブルー。めっちゃラブリーだわ、コレ。技巧と爽やかさと哀愁メロの自然な同居を実現したキラーチューンです。歌詞の美しさも特筆すべき点で、特に冒頭の「誓いはいとも容易く折れた 小指の熱も忘れて」というラインは白眉。実稀のセンスの良さを感じますね。


曲が揃ってくるに従って、ますます面白くなってきたOctaviagrace。バンドと楽曲を構成する個々の要素のレベルの高さ(まだ改善点もあるが)だけではなく、その組み合わせの妙にこそ魅かれますね。雑多な佇まいが、発見の多さに繋がっていて繰り返し聴くのが苦じゃないし、それは音源だけでなくライブもしかり。

【お気に入り】
①albescence
④アザーブルー

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