LACRIMOSA@新宿MARZ

LACRIMOSA JAPAN TOUR 2015 新宿MARZ (2015/11/29)

lacrimosa_japantour_20151129.jpg

平塚での地元感全開の「日常」から、新宿での「非日常」へワープ。
スイスの自意識過剰系シンフォニック・ロック/ゴシック・メタル・ユニット、LACRIMOSAの2度目の来日公演、1日のみなのに「ツアー」なライブに行ってきましてぃろ。

日本人の感性にはマッチする部分も多いと思うんですが、ことライブでの動員となると寂しいものがあるゴシック系の音楽。この日の新宿MARZも半分弱くらいの入りでしたかね。2層に分かれた建物の造りからして、あまりスカスカには見えないハコではありますが。前日の台北公演からそのまま来たと思しき人や、日本人以外のファンの姿もチラホラ。
まぁ多くの同系バンドは来日公演はおろか日本盤リリースもなかったりするわけで、彼らがこうして再来日できたこと自体喜ぶべきなんでしょうね。呼び屋であるEvoken de Valhall Productionにはほんと感謝です。ここってEthereal Sinのメンバーの方がやってるんですよね、確か?

LACRIMOSAの実質的メンバーは、Tilo Wolff様(Vo, Key&Gt)とAnne Nurmi(Vo&Key)の2人なわけですが、ライブ・メンバーも流動的ではなく、所謂「バンド」としての体裁は整っています。そして、その演奏陣の出音がとてもしっかりしており、派手ではないものの、堅実。Keyや同期音源とのバランスも含めて、地に足が着いた頼もしさがあるんだけどメロディを邪魔しないという塩梅。プロですね。アピアランスはあんまかっこよくないけど(笑)。それでも、中央のTilo様と上手側のAnneに並んで、下手側フロントに位置していたリードGtのJP Genkelはなかなかの存在感でしたが。そのトレードマーク(?)の白髪からして「教授」と呼びたい感じ。
因みにステージ上は、機材のあちこちを白い布で覆っており、雪山を模したオブジェのように見えないこともない、という状態。幻想的とは言い過ぎだが、暗い蒼系を多用する照明と共に狭いなりになかなかのムードを演出していました。

で、主役のTilo様なんですが、脚に怪我でもしてるのか、杖をついての登場でした。そしてスタッフが用意した椅子に着席した状態でパフォーマンスを行うという格好。時折、興奮すると(?)モニターに足を掛けて身を乗り出してはいましたが、AnneとメインVoを交代してキーボード前に移る際も杖を使っており、なかなか痛々しげである。
ただ、ご機嫌は麗しいようで終始ニコニコ、曲が終わると勢い良く「サンキュー!」と仰ってました。

いつもはナルシシズム全開、華麗な身のこなしが刑事ドラマの登場人物のようでさえあるTilo様(もしニックネームを付けるなら、「ナルシス刑事(デカ)」もしくは「ナルシスピエロ」だろう)ですが、そんな御姿を観ることが出来ないのは非常に残念。
…ではありましたが、上半身の動きだけでも凄い。
物凄い。
エアドラムをプレイしているというか、
見えないオーケストラに向かって懸命に指揮棒を振ってるというか、
空中で複雑な結び目の縄を編んでいるというか、
猛スピードで綾取りかお手玉してるというか、
……。。。
とにかく、リズムとメロディのキメに合わせて華麗なんだかギャグなんだかよく分からん珍妙な動きを次々と繰り出してくる様子は、このLACRIMOSAでしかあり得ない光景。ミラクルだ。

よく聴くと、いや、よく聴かなくてもTilo様の声はヘンテコだ。
駄々っ子がそのまま大人になったような素っ頓狂なVo。でもそんな不器用さと表裏一体の関係にある魅力が、凄まじく感情過多であること。Tilo様はめちゃくちゃエモーショナルなのだ。自分自身が作った曲とはいえ、クライマックスではもう今にも泣きだしそうなくらいの没入っぷりである。それが堪らんのですよ。

優美でドラマティックな旋律とTilo様のヘンテコVo、その組み合わせこそがLACRIMOSA
そして、熟女オーラ(というか、未亡人オーラ?)全開のAnneの声がTilo様の声に絡みつくようにサポートするのがまた素晴らしいのです。ヘッドセットを付けた「コールセンターおねいさんスタイル」から繰り出される彼女のVoは、Tilo様とは全く異なるベクトルを向いた清廉としたもので、出しゃばることのない適度な声量も◎。つくづく良いコンビだと思います。
Tilo様のVoもAnneのVoも、正直言ってそれ単体じゃそれほどすげーもんでもないと感じてます。ただ、それらがLACRIMOSAの音楽と一緒になることで途端に魅力を放ち始める。そういうマジックなのだろう、と思うのです。

LACRIMOSAのライブってのは別に凄くはないんですな。前述したように演奏は「堅実」ではあっても、特別驚きを以って目を(耳を)引くことはないですし。パフォーマンス面での着目点というと、Tilo様の一挙手一投足にアァッ!と悶えることができるかどうかがポイント(笑)。
あとはやはり楽曲の醸し出す魅力でしょうね。Tilo様の持つ類いまれなメロディセンス、それと構築美。
繰り返しになりますが、やっぱり彼らの音楽は「組み合わせの妙」なんだろうな、と。

セットリストを拾ってきて載せてみたはいいものの、ほんとに合っているのか全然分かりません(笑)。彼らの曲って、ドイツ語だということもあってタイトルを覚えられないんですよね。あと聴き込みが足りないゆえか、曲の判別もイマイチつかんし。
それでも自分はLACRIMOSAの音楽が好きだってことを再確認したステージでしたし、是非また来日して欲しい。仮にそれが叶わなくとも、感情過多で美しくてナルシスティックな音楽をこれからも作り続けて欲しい。そう思います。

<セットリスト>
01.Lacrimosa Theme~Der Kelch Der Hoffnung
02.Kaleidoskop
03.Schakal
04.Stolzes Herz
05.Apart
06.Crucifixio
07.Alleine Zu Zweit
08.Lichtgestalt
09.I Lost My Star In Krasnodar
10.Flamme Im Wind
11.Die Unbekannte Farbe
12.If The World Stood Still A Day
13.Feuer
14.Unterwelt
15.Thunder And Lightning
16.Apeiron
ENCORE1
17.Tranen Der Liebe
18.Irgendein Arsch Ist Immer Unterwegs
19.Keiner Schatten Mehr
ENCORE2
20.Der Morgen Danach
21.Durch Nacht Und Flut
22.Copycat

スポンサーサイト

COMMENT 0