DRACONIAN「SOVRAN」


DRACONIAN「SOVRAN」 (2015)

スウェーデンのゴシック/メロディック・ドゥーム・メタル・バンドの5thアルバム。企画盤である「THE BURNING HALO」(2006)を入れると6枚目ですね。
初期の頃に比べるとだいぶ聴き易いゴシック・メタルを奏でていた前作「A ROSE FOR THE APOCALYPSE」(2011)はなかなか素晴らしい作品でしたが、本作はそれを上回る傑作になりました。

前作リリース後、女性ヴォーカルがLisa JohanssonからHeike Langhansにチェンジしております。
ヘヴィなリフがゆっくりと振り下ろされるオープニング・トラックの①Heavy Lies The CrownでHeikeが歌い出すと、その声がSharon den Adel(WITHIN TEMPTATION)に激似でビビります。本人がゲスト出演してるんじゃないかと疑うほどのレベルでシャロン。とてつもなくシャロン、限りなくシャロン。
で、バンドの音楽性がここで一変したわけもなく、そのVoの感触は初期シャロン・初期ウィズインなわけです。こりゃあかつてよく言われてた「エンジェリック・ヴォイス」ってやつですよ。かつ、シャロン似の声だけあって、幽玄なだけでなくて大衆性も垣間見せており、楽曲の世界観を一気にファンタジックな領域へと持って行くと同時に、完全には彼岸に行っちゃわないで此岸に繋ぎとめているような感じもあります。
蕩ける。
このHeikeの超シャロン級ヴォーカルを耳にした時点で勝負は決まったように思いましたね。声が似てるだけじゃなくて、表現力や(この音楽性の範囲内での)歌唱力も抜群ですし、グロゥル担当のAnders Jacobssonとのコンビネーションも良好。

をさらにメロディックにした②The Wretched Tideのサビにおける狂おしいまでの美旋律、極限の悲哀が交錯する③Pale Torture Blueの流れは前半のハイライト。
なんでこんなスロー~ミドル・テンポの曲が連続するのに、まったく飽きないどころかグイグイのめり込んで行っちゃうかって言ったら、そりゃメロディにフックがあって、その聴かせ方/利かせ方(=アレンジ)が上手いからですね。

④Stellar Tombsのメインリフの躍動感や、ボーナス・トラックの⑩With Love And Defianceのキャッチネス等に見受けられるところですが、音楽性は前作の延長線上にあるものを正しく受け継いでいながらも、ゴシック色が強化されていたり、気品や仄暗さが増していることが“回帰”を感じたり、一際ヘヴィな⑤No Lonelier Starのような曲があったり…etc…。このバンドが辿って来た歴史を総浚いしたような、渾身の内容ですわ。Johan Ericson(Gt)の作曲能力の高さが光り輝いてる。

巧みなアレンジを以ってジワジワと哀感を高めてゆき、終盤の爆発でそれが昇華されるキラーチューン⑦Dishearten、ゲストVoのDaniel Anghede(CRIPPLED BLACK PHOENIX)ディープ・ヴォイスがアクセントになっている⑧Rivers Between Us、どっしりとした存在感を有してラストに居座る大作⑨The Marriage Of Attarisと、アルバム後半も抜かりありません。

SWALLOW THE SUNの3枚組新譜も素晴らしかったですが、女性Voをフィーチャーしたゴシック/ドゥームでは本作が2015年の決定盤ではないかと。
最高。

【お気に入り】
⑦Dishearten
③Pale Torture Blue
②The Wretched Tide
①Heavy Lies The Crown
⑨The Marriage Of Attaris
⑧Rivers Between Us

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