W.A.S.P.「Golgotha」


W.A.S.P.「Golgotha」 (2015)

15枚目のスタジオ・アルバム。前作「BABYLON」(2009)からかなり間が空きましたね。
2000年代に入ってからのW.A.S.P.のカタログをきちんと追っている人からすれば、本作の作風も大体予想はできたはず。アルバム・タイトルを見ればその確信も増すってもんですし。バビロンに続いてゴルゴタの丘ですからね。
すなわち、名盤「THE CRIMSON IDOL」(1992)を現代版にアップデートしたような、ダークで叙情的で、全曲の作詞作曲を手掛ける、というかW.A.S.P.そのものであるBlackie Lawless(Vo&Gt)の内省的な面が強く出たシリアスな作風。ごっつ私の好みである。

シンプル極まりない各曲のタイトルに不安になりますが、どこかTHE CULTっぽさを感じるオープナー・①Screamから激しさとメランコリーが同居していることを確認できて、安心します。
アルバム全編、楽曲にしろ、歌い方にしろ、ブラッキー節が全開で嬉しいですね。カラッと明るめな②Last Runaway③Shotgunのような曲もありますけど、それも“らしさ”はきちんと堅持してる。ちょっとタメるような歌い回しなんてもろBlackieだわー。
空間を振動させ、はっきりと爪痕を残すようなザラザラした感触のBlackieの声、そして曲が求めている感情を(それに最も適した声の使い方を以って)しっかりと込めることができる歌唱が、私は大好きなんですよね。
バンドの出自からLAメタル勢と一緒くたにされることが未だに多かったりするバンドですが、初期はともかく今はそれとはまるで別物ですよ。CDガイド本の『LAメタル』のコーナーに載ってるバンド群で唯一私が好きなのがW.A.S.P.だってことがそれを証明してる(笑)。

7分を越える大作が3曲あるんですけど、それらの聴き応えがモリモリありまくっていて、オレ歓喜状態です。
痛々しいほどの剥き出しの叙情が突き刺さるバラード④Miss You、スピード感に満ちた曲調と噛みつくようなVoがヒリヒリと緊張を煽る⑥Slaves Of The New World Order(終盤へ向けての盛り上げ方も上手い)、祈りにも似た絶唱が凄まじい終曲⑨Golgotha、どれもすげーッス。

本作の素晴らしさ、それはBlackieらしさがダダ漏れだってことも勿論あるんですけど、リードギターが素晴らしいってことが大きな要因でしょうね。Blackie以外のメンバーが誰かなんてことは気にしなくなって久しい(調べる気が無い、とも言う/笑)ですが、本作で弾いてるリードGt・Doug Blairはめっちゃ良いね。決して技巧派じゃないし、もっとツヤのあるトーンの方が好きな人も多いでしょうけど、この生々しく荒々しいトーンとプレイ、これはこれで壮絶な泣きを撒き散らしていて素晴らしいです。曲調に完全にマッチしてますし。
Dougさん、上記3つの大曲では特に大活躍ですわね。のエンドGtや⑧Hero Of The Worldのアコギとかも◎。


荒々しさと漢臭い泣きと繊細な叙情。コレ、「THE CRIMSON IDOL」の次くらいに良いんじゃね?
傑作。

【お気に入り】
⑨Golgotha
⑥Slaves Of The New World Order
④Miss You
①Scream
⑤Fallen Under

スポンサーサイト

COMMENT 2

DD  2015, 12. 14 [Mon] 21:02

 聴きました、4の前の3もかなり長いですし、すべてが緊張感あるし、前作(自分は持ってないですが)に比べbritish色が強まってるのも、特徴になってますし。

 もしかすると、'crimson~'含めて全体の歴史をalbumにぶつけてるような感覚もあるんじゃないですかね、一貫した形で。

 初期よりは今のほうがいいですね、国内版出たということは来日の可能性は(まれかもしれないですが)ありうるでしょうね。

 お気に入り・・1,3,6,9(何曲か変わるかも)

Edit | Reply | 

ヒゲ・スカイウォーカー  2015, 12. 16 [Wed] 18:54

DDさん、

近作は、作風といいメッセージといい、1枚1枚がBlackieのステートメントのように思えます。暗めの作風ゆえに英国臭は強く感じられますよね。

是非来日してほしいところです。決まればしばらくぶりですので、往年のファンも会場に足を運びそうですし。O-EASTくらいは行けるのではないでしょうか。

Edit | Reply |