SWALLOW THE SUN「Songs from the North pt.Ⅰ,Ⅱ&Ⅲ」


SWALLOW THE SUN「Songs from the North pt.Ⅰ,Ⅱ&Ⅲ」 (2015)

フィンランドのメランコリック・ドゥーム・メタル・バンドの6thアルバム。ヴォーカルのMikko Kotamakiは掛け持ちしていたBARREN EARTHの方を脱退したため、このSWALLOW THE SUNがメインのバンドになっているはず。
宇宙一かっちょいいバンドロゴが見当たらなくなっているのは残念ですが、幻想的なジャケは今回も素晴らしいです。

で、なんと3枚組の大作です。
全21曲。

3枚のカラーがそれぞれ異なり、その音楽性に合わせて一枚ずつ「Ⅰ:Gloom(暗がり、陰鬱)」「Ⅱ:Beauty(美)」「Ⅲ:Despair(絶望)」と名付けられています。ごくごく大雑把に言うと、1枚目は静謐と峻厳を行き来する「ザ・STS」なメランコリック・ドゥーム・サウンド、2枚目はアコースティック主体の美しく静かで牧歌的な作風、3枚目は「コレを聴いてるオマエは呪われろ」とばかりに重苦しく邪悪なフューネラル・ドゥーム地獄。順番に聴いていくと、2→3枚目の落差がものすごいですね。

この3枚に分けた効果がとても大きいです。3枚組というヴォリュームの巨大さがあっても、各々のキャラ(=音楽的方向性)が明確になるため、すんなり全体像を把握することができ、聴き手が内容を消化するのを助けてくれる。聴いていると、北欧の森の奥深くに迷い込み、ズブズブとその世界観に取り込まれていくような気になる。徹底的に美しく、厳しく、哀しく、幻想的。脱出不可能。単なる楽器による音の迫力ではなく、巧みなムード醸成による迫力と言いましょうか。
凄い。
聴き応え、ある。
ありまくる。

反面、それぞれ一枚ずつ通して聴くと似たタイプの曲が続くことになるので、途中で飽きちゃう人は多いような気もしますし、ダメな人は徹底的にダメかも。長尺曲も多いですし。


全体的には、作を重ねるにつれて“ポップ化”“明朗化”“軟弱化”が推し進められていた音楽性(それはそれで悪くなかった)を、正反対の方向性に揺り戻した作品だと思います。アコースティックな2枚目にしても、美しさの中に暗さが纏わりついていますしね。作風に合わせて、清濁操るコタマキ君のパフォーマンスも最大限の振り幅をみせます。特に2枚目と3枚目、コレほんとに同一人物か?、と。
ピアノ/アコギ/人の声の繊細さ・美しさが味わえる2枚目、CATHEDRALの1stが速く感じるくらいの牛歩戦術が快感に変わる3枚目も良いですが、バランスの取れた1枚目が私は一番好きかな。

全曲の作詞作曲を手掛ける、Juha Raivio(Gt)の才能がやり過ぎなまでに、でもごく自然な形で封じ込められた力作。

【お気に入りGloom】
⑧From Happiness To Dust テーマメロが強力な大作。
①With You Came The Whole Of The World's Tears テーマメロが強力な大作パート2。
④Heartstrings Shattering 女性Voが生み出すメランコリー堪らん。
⑦Lost & Catatonic 朴訥とも言える歌メロが沁みる滲みる。
③Rooms and Shadows

【お気に入りBeauty】
⑦Autumn Fire なんて美しいんだ。
⑤Songs From The North なんて美しいんだ。

【お気に入りDespair】
③Empires Of Loneliness 語りパートを交えてドラマティックに展開する終盤isサイコー。
⑤The Clouds Prepare For Battle 詠唱が生み出す神秘性。しかし出口は見えず。

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