ANEKDOTEN、ANGLAGARD@竹芝ニューピアホール

ANEKDOTEN + ANGLAGARD 『スカンジナヴィアン・ダーク・シンフォニア』 竹芝ニューピアホール (2015/11/8)

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ウチのブログ的現代プログレッシヴ・ロック・バンドのツートップ、ANEKDOTENANGLAGARDのカップリング公演を観てきました。共にスウェーデン出身、そして、あのマニア涎ダラダラ楽器であるメロトロンをバリバリ使用することでも有名な2バンドですね。管理人がかねてより妄想していた組み合わせではありますが、レア楽器であるメロトロンを運搬する手間や費用を考えても効率が良いでしょこりゃ。

会場である竹芝ニューピアホールは初めて行く会場です。というか、普段ロック音楽のライブ会場として使用されることあるのでしょうか? ガランとした板張りの多目的ホールで、フロア後方から雛壇状になった椅子席がせり出す機構になっているんでしょう。ステージに近い前方部分は12席ずつ連なった椅子が並べてありました。よくプログレ系で使われる川崎CLUB CITTA'、あそこに椅子を並べた状態よりもキャパは多いかな。
私は前方のかなり上手寄りの席でしたが、もっと遅めにチケットを買って後方座席になった方が観やすかったな、などと思ったりもしました。この会場のステージがそれほど高くないということもありますし。まぁ、後の祭りですし、ステージ・プランも発表されていませんでしたが。


ANGLAGARD
下手側の巨大な銅鑼から上手側の鍵盤による要塞(白いボディのアナログ・メロトロン含む)まで、広いステ-ジを埋めた機材群が壮観です。ステージに登場したメンバーは6人。リードGtのすらっとした細面の人は前回初来日時(コチラコチラ)はいなかったかな? そのJonas Engdegårdは、要所要所で美味しいフレーズをバシバシ弾いており、大活躍でしたね。プレイ・スタイルもロック・ギタリスト然としたもので、このバンドの複雑なアンサンブルの中では最も分かり易い、私にとっても馴染みのある感触の演奏でした。彼が大フィーチャーされたパートだと妙に落ち着くというね。

そんなJonasのプレイが繊細さや彩りを与えていたのは事実だと思いますが、Gtが楽曲を主導するバンドでもないので、Jonas以外のメンバーもみんな大活躍。なんせ全員がマルチ・プレイヤーで、メインの楽器だけでなく複数の楽器を持ち替えてプレイする。なので、6人編成なんだけど、ツインGtのバンドであり、ツイン(トリプル)Keyのバンドであり、ツインSaxのバンドであり、時にパーカッショニストがわさわさいるバンドだったりする(笑)
ステージ上で色んなことが同時に起こって、それらがどういう順番で為されているのか、常人にはサッパリ分からないというこの演奏。一見「とりとめが無い」ようにも感じるんですが、超高度な演奏力と阿吽の呼吸によって形作られてゆく暗黒プログレ絵巻はマジですげーと思わせる問答無用の説得力を有しているのも事実。「何が何だか分かんないけど凄い」ってのは前回同様。いや、ショウが進行する間にこちらも前回観た時の感覚を思い出してきて、その凄みってのがよりはっきりと伝わってくる。
ヘンテコな玩具のような楽器(?)や風船(!)までも含めた様々なインストゥルメンツと、圧倒的な情景描写能力を駆使して描き出すのは、
森。
これはね、森ですよ、森。
近代的なイベントホールが北欧の深い森に変わった瞬間ですよ。
よく分からない楽器達が小鳥の囀りや木々のざわめき、小川のせせらぎを、
リズム隊を中心に生み出されるヘヴィネスが自然の厳しさを、
各種鍵盤類が移ろい行く季節の美しさを、
完璧に統制されたアンサンブルが未開の森林での生命の営みをドラマティックに描き出す。
そのステージは正に、プログレ林間学校(意味不明)

静寂と暴虐を自由に行き来する振り幅の広い演奏は、とてつもなくヘヴィです。音自体もヘヴィなんだけど、出口が見えないような混沌としたサウンドは精神的にもクる。次にどの方向からどの楽器が来るか分からない。それが攻撃なのか抱擁なのかも不明。一瞬にして風景は変わる。その恐ろしさ。
決してカタルシスを得やすい音ではないですが、ハマると抜け出せない/抜け出したくない中毒性があるし、同時にその酩酊感が心地良くもある(眠くなったりもするしw)。
ほんのちょっとスキャットみたいのが入るくらいで、ほぼ全てがインスト。なのにこの雄弁さ。すんごいね。
大きな疲労感と満足感をもたらした素晴らしいステージでした。どっぷり。

<セットリスト>
分かんねw


ANEKDOTEN
30分のセット・チェンジを挟んでANEKDOTEN。クソッ、Anna Sofi Dahlbergの鍵盤類が私の位置から最も遠い下手側だ。反対に(私の)目の前のステージ最上手にはパーカッションのセットが用意されており、どうやら今回はサポート1名を含んだ5人編成で演奏するとのこと。

ANGLAGARDの後に観ると、「プログレ」などと同じ括りで語ってはいても、まるで別のバンドだなと感じますね。2バンドを連続して観ているのでついつい比較しての話になってしまいますが、各楽器の出音にせよアンサンブルにせよ、ANGLAGARDの方が緻密で丁寧、ANEKDOTENの方がシンプルで荒々しい。対バン(?)したことによって、それぞれの個性がはっきり際立って感じられたことが非常に面白かったです。

ANEKDOTENの方がロック的で、分かりやすい音を出しているな、と。明確なリフの存在とその繰り返しによって楽曲が形作られていることが、ロック的なノリに結びついているんでしょう。また、最新作・近作から多めにプレイしたセットリストのせいもあるかと思います。
グル-ヴィに積み重ねる演奏の上に、メロトロンがファーッ!って被さってくる様子は、楽曲展開で聴かせるプログレッシヴ・ロックとはちょっと異なった感触で(彼らがプログレ・バンドではないと言っているわけではない)、むしろポストロック的な叙情を描き出す。Nicklas Barker(Gt&Vo)とJan Erik Liljeström(Ba&Vo)、気だるげ/朗々という風にタイプが異なれど、共に“エモ”い歌唱であることも要因かもしれません。
Voの歌い方は置いとくとしても、アンビエントに接近するブラック・メタル勢との共通点も感じますね。例えば、ALCESTsukekiyoといったバンドとも似たようなものを感じる音像。

音響に関してはあまり安定していませんでしたね。Nicklasとサポート、計2本のGtがありましたが、両方とも頻繁に音量調整の指示をステージ袖に送っていました。あとこれは私の位置によるものかもしれませんが、メロトロン(ANGLAGARDと同様、本物のテープによるアナログのものとデジタルと複数体制)もヴォリューム不足だったり、かと思えば洪水状態になったり。ただ、全体的には物足りなく、メロトロンにはもっと活躍してほしかった音響でした。しかし、演奏しているAnnaたぁぁああんは妙な色気があるな(笑)。遠目だったからか?

その音響よりも残念だったのが、サポートの人だよ。「マーティ」と紹介された彼(メンバーより年上かな)、ギター弾いたりパーカッションをシャカシャカポコポコやったりしてましたが、この人がなんというか邪魔なの。猫背気味&ガニ股&ヒョコヒョコ動きながらGt弾く姿もあんまりカッコ良くないんだけど、肝心のその演奏がヘタクソなんだわ。ピッキングが安定していないのか、音の強弱がバラバラですわ。しかも何故か、Nicklasじゃなくてそのマーティがやたらソロを担当するのよね(Nicklasも別に巧くはないが)。RicochetSad RainGravityという名曲群のクライマックスにおいて、自己満足プレイを恍惚とした“自分に酔ってる”風の表情で延々と垂れ流すもんだから、こちらは辟易して曲にのめり込めない。勿論、気にならない人は多かったでしょうけど、私にとっては曲を台無しにされた気持ちでいっぱいでしたね。しかもそれらの曲を筆頭に、過去曲ってアレンジを変えてましたかね? 以前はそんなにギター中心じゃない演出だったような気がします(GtというよりKey主体)。
しかもそのマーティ、その表情だったり動きがメンバーとは異なるムードを醸し出しており、どこかヘンテコで一人だけ浮いています。で、そんな様子でオイラの目の前で演奏しているから、イヤなんだけどついつい彼の方を見ちまうんだよな! メンバー4人を学者/職人/ヲタク風だとするならば(笑)、マーティはロック・スター気取りというかね。「あなたのステ-ジじゃねぇんだよ!」と声高に言いたかったのです。アンコール終わった後もメンバーより出しゃばって最後までウロウロしてやがるし…(ブツブツ
5人編成でのライブということで、「パワーアップしたアネクドテンをご覧いただけると思います」との前口上でしたが、ダウンしとるやんけ。いや、「ダウン」というより「魅力をスポイル」という感じか?

ちょっと最新作に偏り過ぎたセトリだったかな。常にリリース&ツアーを繰り返しているバンドならともかく、彼らの場合、音源は久しぶりでライブを観ること自体もレアなんで、万遍無いセトリを期待したいですわね。
つーか、次回からマーティ連れてこないでほしいな(怒)

<セットリスト>
01.Get Out Alive
02.From Within
03.The Great Unknown
04.Writing On The Wall
05.Ricochet
06.Shooting Star
07.Sad Rain
08.In For A Ride
09.If It All Comes Down To You
10.Our Days Are Numbered
ENCORE
11.Gravity


2バンドとも、1時間半くらいは演奏しましたかね。別に勝負じゃないんですが、個人的にはANGLAGARDの圧勝ですね。曲はANEKDOTENの方が好きなものが多いんですが、今回はちとセトリのバランスがイマイチでしたし、何よりあのサポートの野郎が(ry

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