ピュア・メタル・フェス@新宿BLAZE

『ピュア・メタル・フェス』 新宿BLAZE (2015/11/6)

「ピュア・メタル・フェス」って仮のイベント・タイトルかと思わせるくらいそっけないというか無個性というか、「冗談だろ?」って思ってましたが、正式名称だったらしくそのまま開催されました。そんなイベント名の是非についてはともかく、私にとってはCROSS VEINTEARS OF TRAGEDYをいっぺんに観ることが出来るということで、行ってきましたぴゅあ。
因みに本イベントの“前夜祭”的なものは9月に目黒THE LIVE STATIONで行われました。その時のレポは→コチラ。

会場の新宿BLAZEは、この日の出演者が普段使用している会場のどれよりも大きかったわけですが、思ったよりも人が集まっています。ちょっとびっくりしましたね。そこそこファン層が被っているであろう、摩天楼オペラ主催の『鋼鉄祭2015』@川崎CLUB CITTA'にもっと集客を取られるかと懸念していたので。あちらは、オペラ以下、GALNERYUSNoGoDNOCTURNAL BLOODLUSTという超強力ラインナップですからねぇ。私も日程が被ってなかったらそっち行ってたわね、多分。
同時に、フロア内は割と自由に行き来できるくらいの混み具合で、観る側としては楽でしたね。

イベント司会は音楽評論家のキャプテン和田誠氏。以前このハコで行われたHEAD PHONES PRESIDENT主催の『FUSE THE SOUL』(良いイベントでした!)でも下手側スペースにDJブースが設置されましたが、この日もそうで、転換の時間には和田氏がオススメのバンドの曲を掛けたり、目黒に続いてPOWERWOLFを激推ししたり(笑)
因みにこのイベント、主催はDragon Guardian(の勇者アーサー)とキャプテンだったようですね。


Nameless One (O.A.)
オープニング・アクト。平日の18:00開演という早い時間だったのでほぼ諦めていましたが、2曲ほど観ることができました。目黒で観た時も良かったですが、やはりこのバンドのメロディ・センスは素晴らしい。物足りないと思う点も前回同様でしたが、クサメロによる快感がマイナス点を大きく上回る音ですね。メンバーはあまり定位置から動かないので、BLAZEの広いステージを活用できていたわけではありませんが、NGT(Vo)の白い衣装は腕を広げるとやたらデカいので、そこそこ見栄えはするというね(笑)。
で、このバンドを観ながら判明したのが、この日のフロアの空気。熱狂的というより冷静沈着。熱いというより冷t…、いや、温かい。苦笑を誘うグッズ紹介寸劇MCに対して、無視するでもなく拍手しまくるわけでもなく。
物販で1stアルバムを購入しました。


TEARS OF TRAGEDY
幕が閉まった状態でIt Like Snow...のアカペラからスタート。幕が開くと、お立ち台に上ったHARUKA嬢(Vo)が映画『七年目の浮気』(見たことない)のマリリン・モンロー的な白いワンピースをお召しで(笑)、ビビる。それに続くのは、弾む哀メロ曲Spring Memoryということで、HR/HMから逸脱するようなハードポップ・チューンを連発してステージから一気に華やかな空気が解き放たれましたね。黒く、もしくは赤く塗り込めるようなオーラを醸し出すメタルのステージとは一味も二味も違った印象。色彩で言うとこりゃパステル・カラーっすよ(彼らにはそういう名前の未発表曲もありますが)。
ですがイベントは「ピュア・メタル」なわけでして、そこからスピード・チューンを中心にティアーズならではのメタルを畳み掛け、グワッと急上昇するような昂揚感を感じさせてくれたショウ構成は素晴らしかった。この日は曲名をコ-ルするくらいでMCタイムも無く、ノンストップで40分を駆け抜けるステージでした。そのことが、さらに楽曲とバンドが元々持っているスピード感を増すことに繋がり、ギュッと凝縮したような満足感があるライブでしたね。1曲披露された新曲は彼ららしいポップさの映える曲で、タイプとしては2nd寄りかな。
あと、やっている音楽に華のあるバンドは、大きいステージでプレイしている姿が映えるなぁ、と。HARUKA踊りも全面開放状態ですわ。ステージの大きさもそうですが、彼女の声ってある程度天井が高く広い空間の方がその良さが伝わりますし。
残念だったのは、TORUのギターがところどころブチブチと音が途切れることがあったこと。もう一点はDrプレイの平坦さ。前者は機材の話でしょうからどうにでもなると思うのですが、後者に関してはちとイタいな。HIDEYUKIのDrは以前よりずっと安定感を増してきたと思いますし、(例えば)吉祥寺CRESCENDOのような狭めのライブハウスだとマイナスには働いてないと思うんですが、この日の大きい空間では非常に気になった。前へ前へと推進力を増すような感じでも大きくバンド全体を包み込むような感じでもなくて、ちょっと単調でベタつく音色なんですよね。大きい会場ではそれなりにスケールの大きいプレイが欲しいですね。ティアーズの音楽は3rdへ向けてさらに大衆性が増す方向へと進むと思うんで、余計に。これはまぁ今後の期待ではありますけど。
因みにMCが無かったのは、目黒の時のように転換時にキャプテンから呼ばれて、そこでHAYATO(Key)が喋り倒す予定を勝手に組んでいたからだというww
<セットリスト>
1.It Like Snow...
2.Spring Memory
3.Another World
4.Silence Ocean
5.Rebirth
6.新曲
7.Euclase
8.Falling Star




       空白の時間




CROSS VEIN
最近お馴染みのJULIA姫の前説入りのオープニングでしたが、コレ、対バン・イベントでは要らないと思いますねぇ。これによってバンドの世界観に引きずり込め、「ミニ・ワンマン公演」的雰囲気を醸成できると思うんですが、この濃さに拒否反応を覚える人にとっては「引き込む」どころか単に「引かれる」だけなような気もして、自分達のファンばかりではないイベントではマイナスかと…? CVの良さってのは楽曲とステージでのパフォーマンスのみで伝わると思うし。
と、のっけからの辛口ですが、ライブ自体はほんと素晴らしかった。まずね、1発目のEternal Dreamの初っ端のリフからして、楽器陣の出音の凄まじさが違う。とってもメロディックで、同時にしっかりメタリック。JULIA嬢はエタドリと新曲のMasqueradeでは歌唱のふらつきがちと気にはなりましたが、その後は問題なかったし、彼女の声が演奏に埋もれるって場面をどの会場でも観たことが無い。声がデカいというより、抜けてくるんだな。それよりも、大きなステージでのパフォーマンスがグッと洗練されてきたのを感じて、私はとても嬉しかったですね。
具体的に言うと、視線。それと歌っている時以外での佇まい。以前から歌いながらも観客一人一人の様子をよく把握している人でしたが、ステージ近くのフロア付近に視線が固定されているきらいがありました。狭いライブハウスでお客さんがあんまり入っていないという淋しい状態ならそれでよいと思いますが(状況としては良くないが)、ここBLAZEは横に広いうえに、階段状になっており高さと奥行きもそこそこあるので、それではちと具合が悪い。ハコの環境、客の入りに合わせてコントロールできればより良いわけで、キネマ倶楽部劇場でのワンマンを経たからでしょうか、フロア全体を視野に入れたフロントっぷりが頼もしかったです。大きい会場では、高めの視線で凛とした姫様然とした感じが合いますね。
ティアーズもそうでしたけど、CVでもステージの大きさや照明との相乗効果でバンドの格が一段上がったように感じました。CVの場合、弦楽器隊がShoyo(Ba)を中心に前に前にと出て来るので、スペースを持て余すことがないのは良いですね。器楽的な複雑さを極める(でもメイン・リフとサビはキャッチーな)Masqueradeではまだアンサンブルにこなれていないところを感じましたが、forget-me-not以降の鉄壁具合はどうなのよ。とりわけ陽性メロパワ・Brightest Hopeはライブで映えますね。この曲から一気に熱量が増したのが感じ取れました。その出音の凄みやステージ上の光景に感激しつつも、同時にko-suke(Dr)がもう少しでバンドを離れることになることに思いを遣って哀しくなってきたりもして…。
サポートKeyのKeitaroのプレイはよくバンドに馴染み、音量バランス的には良好でした。ただHR/HMバンドとしては、ギターの存在感をもっと欲しくなりますね。YoshiとMASUMI、ギタリスト2人の音色やプレイの違いを浮かび上がらせること、ツインのハモり以外でどうギターを前面に持ってきた音像にするか、というのは今後の課題、というか、より突っ込んで試行錯誤してほしいなぁと思う点です。
即効性の高さが光るセトリ、貫録すら感じさせるバンド、共に最高でしたよ。
<セットリスト>
1.Royal Eternity~Eternal Dream
2.Precious Liberty
3.Masquerade (新曲)
4.forget-me-not
5.Brightest Hope
6.Protect the Core
7.Maid of Lorraine


Dragon Guardian
トリ。ドラガといえば、勇者アーサー(Gt)のソロ・プロジェクトみたいなもんでして、そもそもライブをやる機会自体少ない。私は初めて観ます(ドラガ&ラブリー&ミンストの『暗黒舞踏会2011』@キネマ倶楽部を観ることができなかったのは痛恨の極み)。
この日のパーティーは、
 勇者アーサー(Gt)
 みーや(Vo)
 愛美(Vo/DRAGON EYES)
 KOUTA(Gt/THOUSAND EYES)
 Hibiki(Ba/Mardelas, LIGHT BRINGER)
 SHUN(Dr/VOLCANO)

演奏陣が凄いですね。個人的にはそれを観る為に最後まで残っているようなもんです。
私は、ドラガっていうのは「キーボード(=打ち込み)の音楽」として捉えていて、Gtソロより語りのバックで流れるメロディの方にウホウホ♡するような人種なんです。つまり、「ギター主体のメタル」だとは思っていない。で、今回はKeyは同期音源で、ギターは生で2本というバンドらしい編成なわけですから、必然的にCD音源とは印象が異なってくると思うんですが、そこらへんがどうなるのか?
結果。う~~ん、ギター2人のコンビネーションが悪いですね。KOUTAは大きめにチョーキング&ビブラートを掛ける、割と古いタイプのギタリストだと思うんですが、対するアーサーはきっちり弾くタイプであろう、と。そのスタイルの違いの擦り合わせが上手くいっていないように感じました。ハモリが綺麗に合わないんだわ。CVの後だから余計にそう感じましたね。これはもしかしてKOUTAの技量にアーサーが追いついていないからか? ソロはKOUTAが担当していたからCDとは違った、ライブならではのハイライトになっていましたが。
語りに入る際の展開や静寂パートが中途半端に残されていたりして、「“作り込まれた音楽”のバンドによる再現」という趣を感じたライブでありました。そのため、SHUNも曲の再現のための生真面目なDrプレイに終始し、音自体はソリッドであるもののあまり逸脱したところはありませんでしたね。
そんな中、Hibikiのプレイが物凄い。ラブリー贔屓のオイラですから、無意識のうちに多少盛ってるところがあるかもしれませんが、きっちりきっちりしたバンド・サウンドの中に肉感的なグルーヴを叩きこんでくる彼の活躍っぷりよ。Baソロ的な派手なフレーズもあちこちで披露してくれたその姿を前にして、「やっぱりHibikiすげぇなぁ」と、思わず涙出そうになってましたよ。
Voは、メインをみーやが担当、それをサポートするように愛美が歌うという構図。で、このVoがあまり抜けてこない。みーやが声の限りに歌い上げるところではなかなかの迫力だったんですが、抑え気味のヴァースなんて声は聞こえないわ歌詞は聞き取れないわで、厳しかったですね。愛美の方がメタル向きの太めの声してると思うんだけど、メインとサブを逆にしちゃまずかったのかしらね?
この日は、ドラガのVoと言えばこの人って感じのLeo Figaro(Vo/MinstreliX)が居るわけですから、ファンも当然予想していたように途中でゲスト参加しました。曲は、我らが嘆きのカルミアのリメイクVer.であるTHE NEVER-ENDING WORLD。勿論何を歌っているかは全く聞き取れないが(苦笑)、メロディの強力な曲なのでなかなか良いモノを聞かせてもらったな、と。聴きたかったのはTreasure Landの方ですけど。
因みにMCは当然のようにアーサーが喋るんですけど、彼は喋らん方がいいね。場の空気が一気に、「冒険」から「日常」へ、「戦場」から「居酒屋」へと引き戻されるのを感じる“ふつーの人”っぷりだし、「本編はあと1曲で終わりです」とかいけしゃあしゃあと抜かすのも興醒め。で、名曲・神話で本編は終わりでした。
事件はアンコールで起こる。
ドラガのステージの、そしてイベント全体の締めの曲として選ばれた代表曲・暗黒舞踏会。ここで登場するゲストVoは、
JULIAたぁぁぁあああん!!
ふっきーの歌った曲をJULIA姫が歌う!
むをおおおおおおおおおおおおおおお!

「舞踏会」だなんてそりゃあ姫にピッタリでしょうけれど、その歌唱のハマリっぷりがこれ以上ないほどでビビりましたね。元々この姫ヴァージョンが本来のこの曲だったんじゃないのか、という出来栄え。正直彼女って、カヴァー曲を自分のモノにして歌えるタイプのヴォーカリストじゃないと思うんですよ。「曲毎に化ける」というより、あくまで「JULIAはJULIAのままで他人の曲を歌う」という感覚。それがキャラといい歌詞といい流れるようなメロディと歌唱の相性といい、こりゃ完璧やんけ。ふっきーと私の出会いの曲(笑)であるにもかかわらず、JULIA嬢が歌っている間はふっきーの影は頭を過りませんでしたね。
素晴らしいものを聴かせていただきましたぁぁああん。


とても楽しいイベントでした。
最後の挨拶でキャプテンも、第2回への含みを持たせるようなことやシーン活性化の為に若手バンドをプッシュしてゆくようなことを言ってましたし、同日の川崎でもジャンルを横断した『鋼鉄祭』があったり。歴史のある『PURE ROCK JAPAN LIVE』を中心に、国内バンドが色々と交わるイベントが増えてくれば、より面白いですね。財布と日程との兼ね合いが厳しくなるでしょうけど、色々聴く人間からしたらそりゃ嬉しい悲鳴だ。
ぴゅあ。

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COMMENT 2

DD  2015, 11. 09 [Mon] 10:58

 まず最後のドラガのFukiが歌った曲をJuliaが歌ったのですか?かなり超え質が違う故に、力で押し切ってる印象があるように思えたのですが(それならまだHARUKAが歌ったほうが・・というのもいろいろ聞いたゆえの意見なんでしょうね。最終的にはみんなが納得すればいいんでしょうから、割れるのは仕方ないんでしょう)

 Tears~の演奏はそれほど悪くなかったように感じましたが、真ん中のほうで聞いた印象では。
 そう感じたとするなら、速い曲中心で攻めた、同期音源をかなり使ったゆえ、でしょうね。演奏するのが多く、経験を積めばその違和感は解消されるはず。(パステルカラーは3rdに入れるということらしく、現時点での未発表曲、にした方がいいんでは)

 時間にゆとりがあれば、12月のliveに行ってみるかな、と考えてはいます。

 こんな感じです。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2015, 11. 10 [Tue] 19:40

DDさん、

確かにFukiとJULIAはタイプが異なりますね。「CDでのFukiに近い歌唱ができること」を評価の軸にすると、高い評価にはならないと思います。私の見方としては、「ドラガの暗黒舞踏会という曲の魅力・世界観を引き出すパフォーマンスをしていたか?」という感じでしょうか。

ティアーズのDrに関しては、本人の(現時点での)資質と会場との相性だと思っています。あと、同期は徐々に減る方向に行くのかな、と感じてます。

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