BAND-MAID®「New Beginning」


BAND-MAID®「New Beginning」 (2015)

お帰りなさいませ、ご主人様&お嬢様!!
PASSPO☆prediaと同じ事務所が送り出す、家庭内労働型女性使用人的ロックバンドのアルバムでございます。「2ndミニアルバム」とのことですが、全9曲というヴォリュームは十分フルアルバムですわん。
ジャケがすんごく良いね。メイドらしからぬ(?)ふてぶてしさとゴシカルな色調が最高ス。あと紙ジャケ仕様の装丁なんですが、これが薄っぺらくないしっかりした造りで◎でございます。

どんな音を出しているかの予備知識もほとんどなく初めてお給仕(=ライブ)を観たのが、今年の6月(その時のレポは→コチラ)。そこで意外にもしっかりした演奏にビックリしましたが、このアルバムの作詞作曲のクレジットを見てさらにビックリすることになる。
ペンネとアラビアータ/「機長」こと阿久津健太郎の参加は順当であり想定内でしたが、その他の陣容はなんだこりゃ!?

徳永暁人に、
川島だりあに、
倉田冬樹に、
小澤正澄に、
後藤康二に、
山口篤に、
佐々木美和に、
泉田大志に
…と、ビーイング系ライターがずらりとそろっているではないの!

アーティスト名で言い直すと、
doaに、
FEEL SO BADに、
PAMELAHに、
ZYYGに、
Naifuに、
SO-FI
…っていったい今は何年ですか!?っていうくらい(doaを除いて)懐かしい名前がズラリと(嬉笑)。その他のクレジットをチラッと見ると、ヴォーカル・ディレクションが池田大介だったり、スタジオがBirdmanだったりと、制作環境は完全にビーイングのバックアップの下にあるようですね。こりゃすごい。

ツインVo+ツインGt編成、おまけにツインテールのメンバー(=Vo&Gtの小鳩ミク)までいるという、ツイン尽くしのハードポップ~ハードロック・バンドです。
全体的な路線としてはPASSPO☆の最新スタジオ・アルバムである「Beef or Chicken?」(2015)との共通点を感じる、80~90年代風のアメリカンHRですね。大きく動くBaに躍動感のあるDr。リズム隊がしっかりしているので、全体の出音がこじんまりとしていません。ダイナミック。Gtはザクザクと適度に隙間のあるリフを刻む、オールド・タイプの王道HR/HM志向。時々テクニカルなリックを挟んだりします。
チャラさは驚くほど少ない、地に足の着いたバンド・サウンドです。

この音がメイドさんの格好をしてるメンバーから繰り出されるギャップはデカい。
ギャップ萌え。
ギャップ燃え。

その演奏の上に、これまた(ジャケのように)メイドらしからぬ“上から目線”的な歌詞がツインVoで歌われる。彩姫と小鳩ミクのVoは、胸キュン系アイドルポップス(なんだそれ?)ほどには軽くなく、ハードロックほどには重くない。
また、ライブで観た時より2人の声質/歌い回しの違いがクッキリと浮かび上がってくるわけではありませんが、ただこの点は、Voも一つの楽器として捉えて二声が機能的に調和していると考えるか、Vo面での個性や力強さがもっと突き抜けてほしいと考えるかで、評価は分かれるんだろうな、と思います。私はバックのHR/HMサウンドとギャップが生まれていて、それがフックに繋がっているし、曲にも合っているので良いと思いますけどね。

…といった感じで、全体的にはその音楽には「おいしくな~れ、萌え萌えキュン♡」な感じはほとんど無し。
(このブログの管理人は伝統的な「メイド」とメイド喫茶の店員さんを混同しているので、注意が必要です)
やはり、肝はギャップ、なのだ。

アメリカ~ンなHRという方向性だからして、管理人的には演奏の聴き応えはそのままにヨーロピアンな感触のメロディが欲しいし、サビではもっと憂いや切なさを感じさせてほしかったりします。ただそこは流石のビーイング系ライター、王道洋楽オマージュ的なアレンジでニヤニヤさせつつ、ポップさやキュートさを巧みに織り込んで飽きさせません。トリッキーなプレイをちょいちょい突っ込んできたり(全編メンバー自身の演奏だそうな)して、そういった“踏ん張り”も含めて、なかなかよく出来てる。
実際、購入以来よく聴いている一枚です。


宣伝文句として、MVにもなった①Thrill(阿久津作詞&作曲、MVは→コチラ)がよく挙げられるんですが、演奏の重心が低く割とゴリゴリしてることや骨太なHRを志向していることを端的に伝えられる楽曲ではあるけれど、本作の中ではそれほど魅力的な曲ではありません。サビの最後の部分は機長らしいけど、全体的には歌メロがちと弱いからね。

ただ、それ以降の楽曲がかなり強力。

②FREEZERは川島&倉田というFEEL SO BAD組が関わっている曲(作曲は山口篤)で、もろにFSBを想起させる低音の効いたトリッキーなリフが特徴だし、同じ陣容で書かれた⑥Don't apply the brakeは、これまたバンド・サウンドの力強さがダイレクトに伝わってくるスピード感あふれるカッチョいい曲。の眩いばかりのGtソロは大きな聴き処ですね。

この2曲を含めて、川島だりあが作詞した曲が3つあるのですが、彼女が書く歌詞の持ち味がバンドにぴったりハマっていることは特筆すべき点で、独特の言葉選びのセンスとキレがこのバンドの音楽スタイルをがっちりと補強してるのが分かります。⑦Beauty and the beast(ツインVoの強みを生かした秀曲!)での「改札ぬけて アイツのもとまで も一度走る ヌタヌタの足で」なんて正にだりあらしいラインね。
他の(作詞家の)曲も含めて、アルバム一枚統一感がある作風は見事ですが、配分としてはもっとだりあ作詞の曲が多くてもよかったと思います。

MVとして選ばれた③REAL EXISTENCE(佐々木作詞、後藤作曲)と⑧Don't let me down(徳永作詞&作曲)は、共にメタリックなバンド・サウンドとモダンなアレンジとメロディックな歌メロが合わさった曲。特に、唯一の英詞曲であり、キャッチー極まりない後者は好きですね。サビのラストの「Ah hold me tight」「アホみたい!」に聞こえるのは完全に意図的なものでしょう。「うぇい!うぇい!」っていうコーラスが続くことも含めて。

ツインVoであることを生かした④Price of Pride(山下慎一狼作詞、泉田作曲)、どこかで聴いたことあるようなフックのあるサビを持つ⑤Arcadia Girl(山下作詞、小澤正澄作曲)は、本作の中でのポップ・サイドの曲(演奏の聴き応えもしっかり備えているけどね)。の歌メロの展開は本作の白眉で、哀メロに哀メロを次々と重ねる様が正にMyツボに萌え萌えキュン♡ですわ。すげーイイ。

阿久津作、性急なアッパーチューンの⑨Shake That!!で締め。アルバム全編、Drは大活躍ですが、この曲の多彩なDrフレーズは素晴らしいね。


制作陣の強み、メンバーの持ち味、バンドのコンセプト。それぞれが噛み合った素晴らしい作品。
これ、めっちゃ好きだわ。
おいしくなりました萌え萌えキュン♡

【お気に入り】
④Price of Pride
⑧Don't let me down MVは → コチラ。
⑦Beauty and the beast
⑥Don't apply the brake
⑤Arcadia Girl
③REAL EXISTENCE MVは → コチラ。

いってらっしゃいませ、ご主人様&お嬢様!!

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COMMENT 2

通りすがり  2015, 12. 06 [Sun] 22:32

こんにちは!連日コメ失礼します。
もう作曲陣の豪華さ(?)にコメせずにいられませんでしたw
川島だりあにパメラにジーグって聞いただけでワクワクしますw(ジーグは個人的には高山征輝に参加して欲しかったり)
川島だりあの提供曲って大体ハズレなしですよね!FSBもよかったけど初期ソロ時代のだりあが大好きなんですよ自分。
嬢メタルもアイドルもアニソンも偏見なく楽しめるクチなんで、このギャップ萌えもなんだか楽しめそうですw
いつも有意義な情報ありがとうございます^^

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ヒゲ・スカイウォーカー  2015, 12. 08 [Tue] 20:48

通りすがりさん、

私ビーイング育ち(?)なので、喜びと共に非常に驚きました。

だりあは「BELIEVIN' MYSELF」「DON'T LOOK BACK」の頃でしょうか。力強くもメロディックな作風で、とても良いですよね。

BAND-MAID®も良かったら聴いてみてください。

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