ANEKDOTEN「VEMOD」


ANEKDOTEN「VEMOD」 (1995)

スウェーデンのプログレッシヴ・ロック・バンド、ANEKDOTENのデビュー作。オリジナル・リリースは1993年ですが、日本盤は1995年発売なのでこの表記。日本盤であることが重要なので。

日本人はメロトロンの音が好きだという。かく言うワタクシも例外ではございません。メロトロンといえば、古くはKING CRIMSONGENESISMOODY BLUES等の大御所が、現代でもLANA LANEOPETHが使用しているようですが、何といってもこのANEKDOTENを忘れるわけにはいきますまい。ルパン三世といったらワルサーP38、石川五右衛門といったら斬鉄剣なように、ANEKDOTENといったらメロトロンなのである。

リリース当時プログレッシャー諸氏から圧倒的な絶賛を持って迎えられた本作ですが、私は完全に後追いです。手に入れたのは多分1997、98年頃でしょう。クリムゾン・フォロワーだという情報、先述した評判を事前に知ってはいても初めて本作に触れた時の驚きは相当なもんでした。
まずKeefを想起させるジャケットが既に只者ではない雰囲気を醸し出しています。そしてそのサウンドはと言うと、「LARK'S TONGUES IN ASPIC」「RED」の頃のKING CRIMSON「宮殿」のメロトロンをぶっこんだような感じでしょうか。リズム隊、特にベースはフランスのMAGMAっぽい強烈さもありますね。

オープニングはインストの①Karelia。チェロとメロトロンによる幽玄なイントロを抜けてから刻み始めるリフのヘヴィさに思わずたじろぎます。そんじょそこらのメタル・バンドが太刀打ちできないウネウネ・ヘヴィネス。そして本家クリムゾンを何倍も暗くした叙情の旋律。衝撃の名曲でしょう。以降も変拍子と轟音リフとメロトロン&チェロ&ピアノによる翳りを引きずった悲哀のメロディに翻弄される曲が続きます。「ヴォーカルが弱い」との声も聞きますが、このヴォーカルこそがバンドの“北欧っぽさ”を最も如実に現している要素なので私は大好きですね。根暗っぽいとこも最高。代表曲②The Old Man & The Sea、ヘヴィなアンサンブルの中突如顔を出すメロディアスなギター・ソロが聴き処の③Where Solitude Remains、不安感と恐怖を煽る⑦Wheelが好きです。

そして他の曲とはテイストが合わないということで日本盤ボーナス・トラックとして収録された⑧Sad Rainのなんと素晴らしいことか。彼らの最も古いマテリアルであるこの曲は正に『宮殿』バリに必殺のメロトロンが響き渡るシンフォニック・ロックの傑作で、日本では一番人気の曲だろうと思います。ヴォーカル、楽器隊、歌詞が全て悲哀のメロディを生み出す/生かす事に費やされ、メロトロンが小爆発を繰り返す。最後に繰り返される旋律の荘厳さは尋常ではない感動をもたらします。
2008年の来日公演で初めて観たANEKDOTEN、この曲の再現に涙しました。他の曲もとても素晴らしかった。生のメロトロン・サウンド、迫力の演奏、和やかな雰囲気。また、来日してよ。観に行くから。

※元OPETHのPer Wiberg(Key)がピアノで参加してます。そしてPerはAnna Sofi Dahlbergちゃん(Cello, Mellotron)と付き合っているそうな。なんと破廉恥な!(笑)

【お気に入り】
⑧Sad Rain → 映像は無いですが
①Karelia → 映像は無いですが
②The Old Man & The Sea
⑦Wheel
③Where Solitude Remains
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