Lilith Abi@ベイサイドジャズ2015千葉

Lilith Abi 『ベイサイドジャズ2015千葉』 そごう千葉店1F 正面入口前広場 (2015/10/3)

『ベイサイドジャズ2015千葉』でLilith Abiのライブを観てきました。このフェス、今年で18回目だそうな。千葉市内のあちこちに有料&無料の会場が出来ますが、リリスは無料で観ることができるストリート・ライブ、千葉駅から最も近い会場であるそごう前広場のトリでした。

そごう前スペースの位置のみ確認して、あとはMAPをアタマに入れないで来たんですが、以前行った『すみだ・ストリート・ジャズ・フェスティバル』に比べると会場が1箇所毎にポツンポツンと離れている様子。それほど「街全体がジャズ!」って雰囲気にはなっていませんでした。…っというか『すみだ』の規模の大きさや一体感の方が特別なんでしょうけど。あとは街の造り(どこに演奏場所を設置できるか)もありますしね。

夕方に到着して、数ステージをチラチラと観つつ街中をブラリブラリ。
リリスは19:15から、25分の持ち時間です。

イベントの性格によって、演奏場所によって、はたまたリーダー・こじまりょうすけの気分によって(笑?)、バンド編成が異なる最近のリリスですが、この日のメンバーは以下の通り。

 薫(Vo)
 こじまりょうすけ(Ba)
 角田紘之(Vo&Key)
 望月佑(Sax)
 山口さとし(Dr)

ギターレスですね。SaxとDrは初めて観る人です。でも初めてだろうがどんな編成だろうがしっかりまとめてくる人達ですし、それぞれの編成ならではの新鮮味があって面白いんだよなぁ、リリスは。ここらへんの感覚は所謂ロック・バンドに対するそれとはだいぶ異なるところかもしれません。特にHR/HMでは、メンバー違うなら別名義でやれ的な雰囲気ありますし。

前のバンドからの転換は10分間でしたが、そのサウンドチェックだけで魅せること聴かせること。それぞれの楽器陣・歌い手の音量バランスの確認が次第にジャムのようになって展開していって、もうそれだけで場慣れしている感と個々の技量の高さが伝わってくるよう。角田紘之なんて普通に1曲の半分くらい歌ってる感じでしたね(笑)

角田作曲のunsatisfiedという曲からスタート。メインVo角田、コーラス薫、ですね。デュエットする2人は何回か観ていますが、相変わらず相性が抜群。…というより2人共、違うパートナーだったとしても臨機応変に相手に合わせることのできる実力を持っているからでしょうけど。そこらへんの押し引きというか、自分を主張するパートとその塩梅のコントロールに聞き惚れます。
因みに、この日の薫はブラウンのシックなワンピをお召しで、スカート姿の彼女初めて見たわー(惚)

で、この日は天気も良く気候も穏やかで過ごしやすい1日だったんですけど、やはり屋外での演奏スペースゆえに少しは風が吹くわけです。その風で角田のKeyに乗せてある譜面が!譜面が!飛んでゆく!(笑)
それを(歌っていない時の)薫が拾い集めるという光景が何回かありましたね。他の人は楽器で手が塞がってるからなぁ…w
ついでに言うと、譜面があろうがなかろうが、当然のように角田の演奏と歌唱が乱れることはありません。「大丈夫でした。覚えていたので…(笑)」等と飄々と言いつつも。

続いて、以前も聴いたことのあるTHE CARDIGANSのカヴァーCarnivalからリリスのハイエイタスへという、浮遊感とキュートさ、そして少しの退廃感を感じる流れに。後者はVoのイメージとは裏腹に、演奏には結構毒があったりするからなぁ。こじまのBaのウネリっぷりとか。
“新顔”の2人(Sax&Dr)の演奏は「奔放」って感じですね。特に望月は、ソロを取りながら前列のお客さんの目の前を行ったり来たりしたり。まぁその2人に限らず、この日のバンドは、短い尺の中でも割とインプロ的な遊びが多めの自由な感じが強めでしたね。
薫のVoもそれに合わせたかのように、自在に飛翔する。彼女が調子を外す時って見たことないんですけど、この日の歌唱はメリハリがあって恐ろしく上手かったですね。ロングトーンの声の伸びたるや…
メンバー全員に言えることですけど、技術的に余裕がある(あるように見える)から、その余力(?)を感情の機微を表現することやその場限りのアドリヴにもっていける。そんな風に思える歌唱と演奏でした。単なる発表会とは全くレベルの異なる、表現力の凄み。

角田とこじまの共作によるPop of the worldでは、角田のVoと華麗な鍵盤捌きが堪能でき、野外ライブらしい明るく自由で楽しい盛り上がりになりました。このクライマックスたる雰囲気の後じゃ、ラストの美しい孤独はちょっと厳しいかな…とか思いました(演奏曲目は事前に公表済み)が、それは杞憂。
Pop of the worldが楽しさの演出による一体感を生んでいたのだとしたら、美しい孤独の方はバンドの出音の迫力に圧倒されたような感じ。
個人的にもこの日聴いた美しい孤独は、今までで最もスゲーッと思いましたね。角田のコーラスが絶妙に寄り添うサビのスピード感とワクワク感。スリリングなソロ回しの最後に炸裂した、山口のDrソロのロック色溢れるキメ。そこからのサビへの回帰とガツーンとした締め。うぉぉぉぉおおお、と声無き声が漏れ出ちゃうような一瞬一瞬でした。
すげ。

アンコールを求める拍手も上がりましたが、音出しの時間が決まっているようで、残念ながらナシ。
短いながらも素晴らしいステージを見せていただきました。

<セットリスト>
1.unsatisfied (角田曲)
2.Carnival (THE CARDIGANSカヴァー)
3.ハイエイタス
4.Pop of the world (角田曲、こじま共作)
5.美しい孤独


大抵のバンド・ライブと異なり、リリスの場合は「どの曲をやるか?」ってのは(自分の中で)それほど大きくなくって、自分達の持ち曲だろうがカヴァーだろうが聴かせてしまう力があるので、毎回楽しみ。
薫のヴォーカルによって、曲が“化ける/変容する”ことがデカいかな。
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