SOILWORK「The Ride Majestic」


SOILWORK「The Ride Majestic」 (2015)

スウェーデン産エクストリーム・メタル・バンドの10枚目のスタジオ・アルバム。
2枚組だった前作「THE LIVING INFINITE」(2013)は、売れっ子Jens Bogrenがプロデュースもミックスもマスタリングも手掛けていましたが、今回も引き続きミックスとマスタリングを担当しています(プロデュースはDavid Castilloとバンド自身)。そのせいもあるのでしょうか、前作と似通った雰囲気も感じる1枚です。

前作はかなり良い内容だったものの、そのリリース時期が国産メロディック・デスメタル・バンド・THOUSAND EYESの1stとほぼ同じタイミングだったこともあり、あちらの超強力な威光の前に影が薄くなってしまいました(完全に個人的事由)。
また、その翌年のLOUD PARK 14でのパフォーマンスにもガッカリさせられたりして、このバンドの求心力が下がっているのを感じました(完全に個人的事由)(でもないか)。

そして、実は今回も千眼と被っている。
(というか、私が聴いた時期が一緒だ)

でも、今回は状況が異なるのだ。

対抗馬(?)である千眼の2ndがショボいからか?
違う。衝撃のデビュー作を上回る傑作だった。

本作の出来がめっちゃ素晴らしいから。
こりゃええ。
とてもええですよ。

方向性は前作の延長線上にあるもので、かつ、硬軟の“いいとこ取り”した感じ。叙情面も抜かりなし。
各曲、コンパクトな尺に収めているものの色んなパートを内包しているから、情報量は多いです。ただそれら様々な要素を違和感なくスムーズ繋げているからギクシャクした感じは皆無。楽曲展開の巧さ、これが本作の出来の良さに繋がっていると思いますね。

音数は多くGtチームはかなり弾きまくってはいるものの、それほど激烈さは感じない。いや、激烈さばかりを感じるわけではない、と言った方が良いですね。弾きまくりでギター・スキーにとっては次々と美味しいフレーズが出て来るので嬉しいんですけど、それら全てがHR/HMに流儀に則ったものではないってところはポイントでしょうね。パーツだけを抜き出してみると、エクストリーム・メタルに聞こえないところも多々あるわけで、それだけ芳醇な音楽性を有しているということかもしれません。
私は押し一辺倒よりも押し引きのある作風の方が好きなので、本作の路線を支持します。成熟したなぁ。このバンドにとって、第一次成長期をDevin Townsendと組んだ時だとすれば、今まさに第二次成長期なのではないかというくらいの頼もしさですわん。

Aタイプの曲はこれとこれ、Bタイプの曲はこれ、そんな風に表現するのが難しい作風です。上記のように、どの曲も色んな要素を内包して、それを繋げてゆく展開美が肝の楽曲ばかりだから。前作も私にとっちゃあそんな感じはありましたけど。
なので、私の特に好きな曲をいくつか挙げておくに留めまっする。

①The Ride Majestic
本作の充実を予感させる良曲。代名詞的なクリーンVoによるキャッチーなサビが映える。Key主導による浮遊感ある中間部も上手い。
④Enemies In Fidelity
スピード感の中にありとあらゆる要素をぶっ込んだような総力戦。これは素晴らしい。Bjorn Strid(Vo)の歌い分けも驚異的。ほの暗いKeyが彩るサビでの二声コーラス、これはライブで再現できまい(笑)
⑥The Phantom
ブラックメタリックな爆走が実に新鮮!そこにソイルらしいサビが乗る。本作は全体的にDirk Verbeuren(Dr)の巧さが目立っていますけど、コレは特に凄いですね。
⑦The Ride Majestic (Aspire Angelic)
リフが!小気味良過ぎる!あと舞い上がるGtソロも◎。
⑩Shining Lights
マッハです、マッハ(だんだんコメントが適当になってゆくなw)

なお、私が買ったCDはボーナス・トラックが2曲入ってましたが、⑫Of Hollow Dreams⑬Ghosts And Thunder、共に本編に遜色ない出来でした。方向性も一緒。


傑作!
「STABBING THE DRAMA」(2005)以降では一番好きかも。「THE PANIC BROADCAST」(2010)も素晴らしかったですけどね。

【お気に入り】
④Enemies In Fidelity
①The Ride Majestic
⑥The Phantom
⑦The Ride Majestic (Aspire Angelic)
⑩Shining Lights

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COMMENT 2

DD  2015, 11. 22 [Sun] 19:56

 これこそ新たな名盤誕生、と思わせるものですね。(北欧デスで、チルボドと迷いましたが、視聴してこちらを買った次第)

 前作を踏襲しつつ、うまく今までの音楽性を入れ、成長してるのも今作の良さを物語りますね。
 インストパートのレベルが上がり、かつそこに載せるVo.メロディの秀逸さもすごさを物語りますが、いったい今作から何曲やるのでしょう、あまり多くやると、「この曲聞きたかった」となりうるし、かといって1,2曲だともっととなるし、難しいですね。(歴史の長さもさることながら)。

 来日するなら、見てみたいですね。

お気に入り・・1,4,7,9,11
(今作はボーナストラックも充実してますね) 

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ヒゲ・スカイウォーカー  2015, 11. 23 [Mon] 22:03

DDさん、

ちゃんと自分達の辿ってきた道筋を総括した上で成長してますよね。会心作だと思います!

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