STRATOVARIUS「ETERNAL」


STRATOVARIUS「ETERNAL」 (2015)

良作だった「NEMESIS」(2013)に続く、STRATOVARIUSの15枚目のスタジオ・アルバム。ジャケの色合いがとっても美しいですね。私が買ったのは『LOUD PARK 13』のライブ映像を収録したDVDが付いた、5000セット生産限定の国内盤です。
「生きとし生けるものよ、億万劫の彼方へ」っていう大仰な帯タタキ is ZEROコーポ風(笑)

大ティモことTimo Tolkkiと決別してから4作目、ちょうど2年毎にコンスタントに良作をリリースしてくれており、この安定っぷりはファンとしては嬉しいところ。今回もその期待に見事応えた力作です。「良作」「力作」というか、むしろここ4作の中では最高の出来栄えの「傑作」と言ってもよいかもしれません。

前作でRolf Pilve(Dr)を迎えてさらなる若返りに大成功したストラトですが、同時に彼の資質を生かしたプログレ・メタル的な質感を強めてきたように感じます。各楽器がバトる長尺のインスト・パートがあるわけではないですし、ラストの11分半超の大作⑫The Lost Saga以外はコンパクトにまとまった曲ばかりなんですが、パワーメタル界随一の演奏力の高さやバンドの佇まいがそう感じさせるんでしょうかね。実際、巧者Matias Kupiainen(Gt)の絶妙なタッチによる超絶プレイを中心にした鉄壁のアンサンブル、そしてそれが手に取るように分かるクリアな音作り(ブインブインうねるLauri PorraのBaプレイまではっきり収録!)に、パワーメタルとはちと異質な、プログレ・メタル然とした気品みたいなものを感じます。どちらが上とかそういうことではなしにね。

本作最大のトピックは、元SONATA ARCTICA~現CAIN'S OFFERINGのJani Liimatainen(Gt)の参加でしょうか。前作でも数曲で参加していたJaniですが、今回はTimo Kotipelto(Vo)とのコンビで3曲の作曲とほぼ全ての歌詞を手掛けています。もはや「第6のメンバー」的状況ですが、こういうこと、やめてほしいんだよなー。個人的にJaniをあまり評価してないというのもあるし、小ティモだって1人で曲書けないわけじゃないだろうし、他にも優れたソングライターが3人もいるバンドなんだし、関係あるとはいえ他のバンドから引っ張ってくるのはちょっとぉ…う~~ん、、、。。。
まぁJaniの参加が作品の出来にとってマイナスとなっていないどころか、大いにプラスに働いているようですし、COではまったく響いてこなかったこのコンビによる楽曲が、ストラト・メンバーで奏でられると不思議と私にも「イイネ!」という好感触だったりするわけですが(苦笑)


躍動感に満ちた、「優美」とも表現できそうな作品ですが、以前からの弱点は同様。(Janiが関わっていようがいまいが)どうも歌メロに「優等生過ぎる、綺麗過ぎる」という印象はやはりあるし、大ティモ時代のような一撃で聴き手をねじ伏せるダイレクトな力強さに欠けます。もはや“あの頃”とは別バンドとして考えた方が良いんでしょうね。バンドとしては、大ティモ時代の曲もレパートリーとして保有し、比類なき演奏力を誇る、そんな今のストラトが最高だと思いますが。
あと今回、前作に比べて伝統的なHR/HM的色合いが強いものの、「ELYSIUM」(2011)のタイトル・トラックみたいな重厚な美しさは不足してるかな。

まぁ、アルバム全体の完成度の高さが、そうした諸々の点を瑣末なものとして葬り去りますね。
強力なオープナーである①My Eternal Dreamから、北欧らしい哀愁メロディック・チューンが連続します。Matias作曲/小ティモ&Jani作詞の③Rise Above Itは、メロディ展開が超“大ティモ”タイプですね(笑)。個人的キラーチューンこそ無いものの、この前半5曲の平均点の異様な高さは驚異的。

日本盤ボーナス・トラック2曲は共にJens Johansson(Key)作で、アルバムど真ん中に配置されています。透明感のある厳かな(かつ、どうってことないw)インスト⑥Endless Forest、ストレート&キャッチーな⑦Giants、どちらもJensらしいですね。
ボーナス・トラックを最後じゃなくってアルバムの途中に挿入するのは、賛否、というか否定的な意見が多いと思いますが、私は今回のコレは気にならなかったかな。ここで意識を切り替えて、⑧In My Line Of Work以降の後半に臨めますので。強いて言うと、この位置にはだけで良かったかもしれません。

で、そのもなかなか強力です。小ティモ&Jani曲ではこれが一番好きかな。本作でもブッチギリのキラキラ度数を持つ⑩Few Are Thoseも良いけど。
…ということで、前半だけじゃなくて後半も素晴らしい出来です(笑)。Matias作の大曲も、ありとあらゆるストラト成分をぶち込んだ、構成力の光る逸品ですし。


キラキラとメロディが舞い踊る傑作。
これは素晴らしい。

【お気に入り】
①My Eternal Dream
⑧In My Line Of Work
④Lost Without A Trace
⑩Few Are Those
⑫The Lost Saga
③Rise Above It
②Shine In The Dark


※追記に付属のDVDの感想を。
    ↓


『LOUD PARK 13』でのステージをフル収録した映像作品です(フル収録は日本盤のみ)。当日のレポは → コチラ。

この日のこのステージは、めちゃめちゃ素晴らしいパフォーマンスでした。それを再体験/追体験できるという意味でもこのDVDは貴重。見ていて超興奮しますわ。ド迫力。
ただ、音は悪いです。粒が荒くて、ボワンボワンと反響しまくってる。当日のバンドの演奏はクリアだったため、これは録音環境の問題でしょうね。

音響面は残念ながら、それでも当日遠くのスタンドから拝んでいた光景を、カメラによる近距離、および会場を俯瞰するアングルで楽しめるメリットは大きいです。特に、Matiasの華麗でスムーズ極まりない運指をアップで見ることができるのが◎。弾いてる姿や表情もカッチョイイし。つーか、彼のギター、単純に見た目がかっこいいよなー。

小ティモは観客に「ゲンキー!?」と語り掛け、分かり易い大きい動作でコントロール、その懸命の歌唱とパフォーマンスが映えます。ハイトーンで歌ってる時の表情は苦しそう(特に大ティモ時代の曲)ですが、それでこそストラトですわ(笑)。
Rolfは叩き方がめっちゃワイルドでバンドの格を一段上げているプレイですし、Lauriは終始ニコニコ、いちいち華があっていちいちイケメンでコノヤロー。Jensは余裕たっぷり(髪に余裕はないが)。

名曲・佳曲だらけのセットリストのおかげもあり、一気に見終ってしまいました。
EagleheartDestinyが始まった瞬間には漏らしそうになるし、ラストのHunting High And Lowは観客の大歓声に号泣しながら見ちまいましたね。
曲を完全に再現するのではなく、ライブならではの感情の迸りを封じ込めた演奏が素晴らしいし、余裕がある中でのメンバーの遊び心も垣間見えて楽しい。Black Diamondとか特にね。
改めて、良いバンドであるな、と。
そして、名曲は強し。


どうでもいいけど、ステージ袖に「闘魂」って書いてあるTシャツ着てるローディらしき人がチラッと映るな(笑)

「LIVE AT LOUD PARK 13」
01.Under Flaming Skies
02.Speed Of Light
03.Halcyon Days
04.Dragons
05.Fantasy
06.A Million Light Years Away
07.Eagleheart
08.Destiny
09.Key Solo
10.Black Diamond
11.Forever
12.Unbreakable
13.Hunting High And Low

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COMMENT 2

DD  2015, 11. 13 [Fri] 20:11

 それこそ、大ティモがいたころと今とは区別して考えるべきではないでしょうか、この人がいたころはメロが下手すると暑苦しく感じることもあったので(しかも、名曲とそうでない曲の差が激しすぎるのも)。

 マティアスが入ってからは、かなりの面でレベルアップしてるので、下手するとヨーロッパでもトップクラスの演奏力を誇るだろうバンドがプレイするわけですから、悪くなろうはずがないし、今作も気に入ってます(こちらは輸入盤で買ったため、7,8抜きでレビューします。)

 今回は最初の4曲のつかみがよく、その勢いをもって最後まで行きますね、捨て曲も見当たらないし。(似た曲もない、これも重要なところ)

 最後は12分にも及ぶ大作ですが、Elysiumと違って、Acousticが使われてないので、少々違和感あるかもしれないでしょうが、つかみのところがいいので、最後まで聞けますね(この完成度はDestiny以来かも)

 Janiがかかわってる点ですが、彼もbandから離れてかなり立つので、どこかで名を残さないと、というのがあるんじゃないでしょうかね、でないとこうはならないでしょうし。 

 来日の会場は、閉鎖が相次いだ影響ですかね、そこになったのは。近所も5~10ぐらい閉鎖、工事が相次いでるので。

来年のはいいliveになるはずです、初期の曲は2曲ぐらいでいいかも、これだけいい曲が多いと。

お気に入り・・1,4,6,7,10(日によって変わるので、現時点では)

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ヒゲ・スカイウォーカー  2015, 11. 17 [Tue] 22:53

DDさん、

昔とはだいぶバンドとしての感触は異なっていると思います。特に今回のアルバムは出来が良いと感じますね。現行ラインナップの一体感も今まで以上に出てますし。

小ティモがJaniとの共同作業を心地良く感じているような気がします。個人的にはそこはきっちり分けてほしいんですけどね。バンドが別ですし。

今の時期に発表をして公演日程が1月ですから、もしかしたらO-EASTは既に埋まってたのかもしれませんね。AXはもう無いですし、LIQUIDROOMだと小さい。
いずれにせよ大いに期待している公演です。

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