LUCIFERIAN LIGHT ORCHESTRA「LUCIFERIAN LIGHT ORCHESTRA」


LUCIFERIAN LIGHT ORCHESTRA「LUCIFERIAN LIGHT ORCHESTRA」 (2015)

スウェーデンのシンフォニック・オペラティック・クラシカル・ごちゃまぜ・メタル・ユニット、THERIONの中心人物であるChristofer Johnsson(Gt,Key&Vo)の別プロジェクトによるデビュー・アルバム。

ヴォーカリスト・演奏陣共々、複数人を起用しており、かつChristofer以外のほとんどのメンバーの素性は明らかにされていませんが、中には有名な人もいるそうな。そもそも余計な先入観を与えたくないとのことで、Christofer自身、当初は自分の名前も出したくはなかったそうです。
そういう情報制限された制作環境、奇妙な響きのプロジェクト名、怪しげなジャケ…etc…から、「70年代ロック・マニア垂涎!あの幻のグループの唯一作、ここに初CD化!」的なワクワク感を感じますが、その印象はそう間違ったものでもないです。

70年代HRやプログレッシヴ・ロックに影響された、アンダーグラウンドな香りが濃厚な音楽性で、とにかく怪しい。かつ、妖しい。オカルト趣味に題材をとったと思しき歌詞も、その世界観醸成に大きな役割を果たしています。THERIONでもそういう面はありましたが、こちらはもっと徹底している感じ。かつ、THERIONでは前面に押し出されることもある「美しさ」が「異形の美」とも言うべき捻くれた感覚に取って代わられているようにも感じます。
BLACK SABBATHをルーツとするリフ物HR/ドゥーム・メタル的感触も濃厚。ドゥーミィかつヘヴィに沈み込む感覚と同時に浮遊感もあって、これはメインVoが女性であることが大きいでしょうね。同じ女性Voバンドとして、BLOOD CEREMONYPURSONAVATARIUMというバンド名が浮かんできたりもしますが、こっちの方が朴訥さが勝っているのと、歌メロに妙なポップさがある(その点、GHOST/GHOST B.C.っぽいかも?)のが違いかも。さすがはChristoferのメロディ・センスというべきでしょうか、この歌メロのポップさ加減は、本体・本隊であるTHERIONで、フレンチ・ポップスのカヴァー作品「LES FLEURS DU MAL」(2012)を制作したことが影響しているかもしれません。

勿論、ソングライターが一緒ということですので、THERIONとの共通点も散見されます。①Dr. Faust On Capriラストの男声朗々パート、②Church Of Carmelのメロディ・ライン、⑥Venus In Flamesにおける中近東風のリフ回し、⑨Dante And Diabaulusの妖しい混声コーラスの使い方等々…。

個人的お気に入りは、歌メロが絶妙な、ちょっと現代的なリフ使いが冴える④A Black Mass in Paris、終盤のメランコリックな盛り上がりがツボな⑤Eater Of Souls、異様にキャッチーなリフと怪しさが爆発している⑦Sex With Demonsあたりの曲。
ブックレット等に表記の無い隠しトラック的な⑩Three Demonsではエキセントリックな女性Voが鳴り響いてオソロシイ…。


キラーチューンこそないものの、なかなか面白いサウンドを出しているし、好みの方向性ではあります。
「幻の一枚」にならないで、次作にも期待します。

【お気に入り】
⑦Sex With Demons
②Church Of Carmel
④A Black Mass in Paris
⑤Eater Of Souls


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