SALTY DOG「YGGDRASiL ANTHEM」


SALTY DOG「YGGDRASiL ANTHEM」 (2015)

つい先日、SUMMER SONIC 2015 東京会場のRed Bull Live on the Road特設ステージに出演した、国産ラウドロック/ポスト・ハードコア・バンドの3rdミニ・アルバム。おじさん、「EP」って呼び方はどうも馴染めないのよね。

世界樹ユグドラシルを配した美しいジャケットとアルバム・タイトル、そして1曲目のイントロSEの曲名が①Ragnarokっつーんだから、管理人のヴァイキング魂に否応なく火が点き瞬く間に燃え上がるわけですが、中身の音や歌詞世界にそれが繁栄されているかというと、あたしゃあイマイチ分かりませんでしたw(鎮火)

音楽性としては、エレクトロサウンドを大胆に取り入れたキャッチーなメロディーを持つラウドロック/スクリーモってところでしょうかね。あたしゃああんまり馴染みがないんでよく分かりませんが、ツーステとかしちゃう感じっすか?
正直言って、タイプとしては最近よくある邦楽ラウド系として、ひとくくりにされるのかもしれません。そんな中、他のバンドとの差別化が図れるという意味での大きな特徴は、ヴォーカリストがノルウェー出身の女性ということでしょう。そのVo・INGERは、ノルウェー語・英語・日本語を操るトライリンガルだそうで、ほぼ全編英語詞ということが全くバンドの首を締めていないのは彼女のおかげ。日本語で歌えばいいのに、わざわざ英語で歌ってつまづく(つまづいてることに気づかない)バンドは多いですから、コレ(=INGERの存在)は大きな武器でしょうね。また、時々顔を出す日本語詞パートでも、違和感のない発音で歌っており、その点でも好印象ですし、楽曲の中でそこがフックになっているのが分かる。

エレクトロサウンドはかなりピコピコ。特にイントロ。
エレクトロ部分は、時折スッと差し込むような情景描写にオッとさせられたりもするんだけど、総じて斬新でも面白くもないし、高そうなバンドの演奏力を生かす為にもうちょっと控えめにした方が良いと思うけど、スピード・チューンでは有無を言わせぬ煽情力があるのも事実。まぁ、それを邪魔だと感じ、打ち込みが担っているリフとしての役割をギターが果たして欲しいと思うのは、メタル野郎ならではなのかも。

…ということで、個人的には過剰なピコピコは要らんですが、この歌メロのキャッチーさ、メロディックさだけでイケる。バンド自ら「神メロディー」とか言っちゃう(オフィシャルHPのBIOGRAPHY参照)のはどうかと思いますが(笑)、歌メロはめちゃ好みだ。因みに、作詞はINGER、作曲はKENT(Gt)とTOMOYA(Ba)。
そして、その歌メロとINGERの資質(声質や歌い方)、この2つがガッチリと噛み合っているのが強みであり、SALTY DOGの魅力。彼女の歌唱法/発声って、語尾を勢い任せで放りっぱなしにしないところが良いですね。吐き捨て型の歌唱もできるけど、ドラマティックに歌い上げることもできて、むしろそちらの方により重心が置かれているのが◎。

上記の基本的な音楽性は、同時に買った前作ミニ「Allodoxophobia」(2014)が忠実に体現していますが、本作にはそこから、より曲調の起伏が大きく、楽曲展開がドラマティックな曲が収録されているような気がします。『北欧神話』というテーマが、こういうところに活きているのか定かではありませんが、ちょっとHR/HMの流儀に近いというか。INGERの歌唱力が上がって、さらに“板に付いてる”という印象を感じることも大きいですね。
歌メロの冴えに関しては、前作と今作、甲乙付けがたいですが。


MVが作られた(→コチラ②Meteor(私をCD購入に導いた曲)は彼ら流の必殺パターンでしょうし、TOMOYAによるスクリームとINGERのメロディックVoが交錯する⑤Black Snowもそういうタイプのスピード・チューン。前者は畳み掛ける性急さと勇壮さが目立ち、後者は日本語詞パートによるアクセントが効いていて、希望溢れる曲調がラストに相応しいです。

「ドラマティック」という点は、③Spiral of Death④Phoenix Tailに顕著。
はすげーよ。荘厳な装飾をバックに、サビでINGERが聴かせるギリギリのパフォーマンスの緊張感たるや。確かな歌唱力があってこそ可能になる歌い上げ系のメロディ・ラインで、正直息継ぎのタイミングややり方にちょい難があったりもするんだけど、それさえもスリル感に転化させてる様が最高ス。
は、ラップ+グロウル調の男性Vo(TOMOYAでなくゲストか?)と物語語り部調のINGERのVoが交錯する、新機軸と言えそうな壮大な曲。


力作。
Gtソロが欲しいなぁとか、男声シャウトはいかにもバタくさいから邪魔だなぁとか、自分の趣味と相容れない部分はあるんですけど、メロディ・センスは抜群だと思うので今後の活動が楽しみです。既に王道パターンは出来ていますし、それ一辺倒にならないで新たな軸を作れるか、曲の幅を広げられるか、そこらへんが今後への鍵だと感じます。

【お気に入り】
③Spiral of Death
②Meteor
⑤Black Snow
スポンサーサイト

COMMENT 0