DARK LUNACY、MERCENARY@渋谷CYCLONE

『Extreme Dark Night』  渋谷CYCLONE (2015/8/23)

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DARK LUNACYMERCENARYの初来日公演に行ってきました。前座は、オーストラリア出身のフォークメタル・バンドのCLAIM THE THRONEと、国産シンフォニック・ブラックメタル・バンドのEthereal Sin。同じ日に、お台場では陰陽座のツアー千秋楽、日比谷では『NAONのYAON 2015』があったようですが、私は渋谷へ。式神なんだけど、渋谷へ(笑)。
このハコは、サークルピットが出来ると逃げ場が無いのであんまり好きじゃないんですが、ステージが大きくはないものの高さはあるので、割りと観やすいというメリットはあります。また、結果的にはフロアがごちゃごちゃなることはなく、みなさんステージからの出音に集中するような観戦でした。

17:00開場予定だったのが、会場の都合だか何だかで(VIPチケット購入者向けのミート&グリート絡みか?)1時間後ろにズレて、18:00開場/18:30開演というタイムスケジュールに変更。転換はスムーズだったように思いましたが、4バンド全てが終了したら23時になってましたね。


Ethereal Sin
WACKEN OPEN AIRからの帰還である。
観るのは確か3回目ですが、かつては「黒衣+甲冑+鋲」みたいなブラックメタル正調/ゴシカルな衣装でしたが、なんと和風になってる。扇子を陰陽座じゃないステージで見ることになるとは。Morgan le-Fay(Key&Chorus)なんて完全に巫女さんだ。やってる音楽まで変わっているわけではないけれど。

相変わらずの曲作りの巧さが伝わってくるライブですね。スター・プレイヤーはいないバンドだけど、メロディを聴かせるパートと観客に参加を促して盛り上げるパートの同居があって飽きさせないし、展開を積み重ねるアンサンブルのアチコチから耳を引くメロディが溢れ出るのが◎。分かり易くてクサくてメランコリック。そして、Morganによるソプラノ・コーラスがそこに気品を添加。堪らん…。
最初はYama Darkblaze(Vo)の声が聞き取りづらく迫力不足で、「あれ…、お疲れ気味?」とか思いましたが、徐々に(音響が)回復してきたので安心。
でも個人的にはそれだけじゃ彼らのライブとしては満足できない。YamaがMCでも霧の向こう側にいる化け物のような声で喋っていて、“素”を見せていないから。

…と思ってたら、、、
「いやぁ~熱いですねぇ♪」
とか朗らかに言い始め、場の空気が一気に弛緩する!
キタ━━━d(゚∀゚)b━━━!!
これでこそEthereal Sin!(笑)
「B'zのライブジムへようこそ!!」みたいなもんで、こうならないと彼らのライブが始まった気がしない。そのあと、他のバンドの紹介をサラリとしつつ、WACKENの事とかもっと喋りたそうにしてるんだけど時間が無いっていうので、早めに切り上げて(切り上げさせられて)2曲くらいやって終わっちゃったけど。
正味30分くらいで短かったですが、とても充実していましたね。やはり良いバンドだな。


CLAIM THE THRONE
2回目の来日。ツインGt+女性Keyの5人組です。VoはメインがBaronaxe(Vo&Gt)で、Dr以外の他のメンバーも所々歌います。Key奏者のJesselinaを除いて、皆さんなかなか小汚い様相なのが実にフォークメタル・バンドらしいです(偏見)。そのJesselina、自己紹介の時に、「ワタシハ、Jesse、デス♪」とカタコト日本語で言ってましたが、メンバーの名前を把握してなかった私にはコレが「私は女子です」と聞こえて、「オォオオー、紅一点だけに女子力アピールきたかァ!?」と意味もなくちょっと興奮しちゃったのは秘密ではありません。

で、フォークメタルと一口に言っても、明るいどんちゃん騒ぎ的なバンドから、じっくりメロディを練り上げてゆくシリアスなバンドまで幅広いわけですけど、CLAIM THE THRONEの場合は「明るく、楽しく」ってタイプですね。そこにヴァイキング調の男臭さや勇壮さを追加した感じ。
メンバーはめっちゃ楽しそうにプレイしており、MCタイムでもフロントの4人が喋る喋る。オマエ、人が喋ってる時に横から喋るな!…みたいな(笑)。そういう雰囲気は嫌いじゃないんですけど、肝心の楽曲と演奏はそれほど響いてこず。ツインGtのコンビネーションがバラバラで危なっかしいんだよなぁ。あと、オッと思うメロディが出てきても、判然としない楽曲展開の中に埋もれてしまい、印象に残らなかったり。


MERCENARY
世の中に「mercenary」という名前のバンドは多いようですが、デンマークのモダン風味メロディック・デスメタル・バンドです。多分、mercenary知名度ランキング暫定1位。金メダル。ディフェンディング・チャンピオン。
ステージに上がったのは、スキンヘッド2名(Vo&Ba、リードGt)+長髪2名(リズムGt、Dr)でした。

「デスメタル」とはいっても彼らの場合、クリーンVoのフィーチャー度合いも高いわけで、プログレメタルっぽさもあるパワーメタルとして捉えることも可能なのかなと思いますが、ライブの空気は正にそんな感じでした。殺伐としたdeathな雰囲気は皆無、明るく朗らかで健康的な感じよ。あ、でも爽やかスポーツマン的な明るさじゃなくて、あいつ一見ヲタクっぽいけど実はイイ奴なんだぜ感というか、まぁそんな感じです(分からん)。

全体のバンド・サウンドのバランスは良好ながら、個々のプレイはそこそこ。…というか私の期待が高過ぎたのかしら?
Voはクリーン/グロゥルを完璧にスイッチ!ギター・チームはこれでもかと言わんばかりにテクの応酬をキメて…、みたいな音像を勝手に頭ン中で思い描いていたんですけど、そこまでじゃなかった。悪くはないけど物足りなかった…。

Rene(Vo&Ba/ハゲヒゲ)は、グロウル/シャウトと歌い上げの落差があんまり無かったですね。「スイッチしてる」という感覚は無し。常にクリーン(に近い)声を張り上げっぱなしで、それ自体はなかなか上手いんだけど、CD音源でのパフォーマンスと比べるとメリハリに乏しいなぁ…。
リードGt氏・Martin(ハゲヒゲ)は、紛うことなき「顔で弾くギタリスト」でした。Gtソロの時には、上半身をクネクネと捩りながら、まるで苦学生のように顔をくしゃくしゃに歪ませて、もう辛抱堪らんって表情で今にも涙ポロポロ零し始めるんじゃないかと思うほどの様子なのに、肝心の音はそこまで泣いてないっていう(笑)。まぁ、ピロピロテクニカルなプレイでも、エモーショナルなソロでも上手いんだけど、Gtトーンが細く頼りなさ気なので抜けてこないんですよね。ちょっと勿体無かったですね。もっと彼はアピールできたはず。もう一人のリズムGt、Jakobなんて(プレイ自体は)ほぼ空気状態の存在感だっただけに、必然的にMartinに耳目が集まっていたと思いますし。

セトリはここ4作から満遍なく。…というのも、ネットで拾ったセトリをこうして後で振り返ってるから言えることで、ライブ本番中は「あ、この曲知ってるかも…」とか思いつつも、どれも曲(から受ける印象)が似ていて、だんだん飽きてきちゃった。要は私の聴き込み不足なんでしょうけど、好きな曲もあるバンドなだけに、そのいまいち突き抜けない感覚がもどかしかったです。ライブのムードはとても良かったですね。

<セットリスト>
01.A New Dawn
02.Soul Decision
03.Redefine Me
04.Welcome The Sickness
05.The Follower
06.World Hate Center
07.Through Our Darkest Days
08.Through The Eyes Of The Devil
09.Black And Hollow
10.The Endless Fall
11.The Black Brigade


DARK LUNACY
そうだ!そうなんだ!君達を観たかったんだよッ!!
荘厳かつ哀しげな響きのSEをバックに、最新作「THE DAY OF VICTORY」のテーマに沿った衣装なんでしょう、メンバー4人は肩章と金ボタンが付いた軍服のような恰好で入場です。Twitterにアップされた来日メンバーの写真を見ても、どれがMike Lunacy(Vo)か分からなかったんですが、なんとバッサリ髪を切っておるじゃないか。

「THE DAY OF VICTORY」Red Blocksからスタート。私は同作を持っていないのでセトリを見てそう書いてるわけですが、以降ほぼ1曲毎にMCでアルバム名と曲名を言ってから演奏を始めるので、とても分かり易かったです。反対に、矢継ぎ早に曲を畳み掛けてウォー!みたいなライブ進行ではないのですが、彼らの場合、曲が長めでドラマティックなので、1曲1曲丁寧にやるこのスタイルが合っていたんじゃないかと思います。
各楽器のバランスは良好。当然、同期音源は(コーラスも含めて)バンバン使うんですが、それがバンドを喰っちゃうこともなく、ほんと良い塩梅です。Gtのエッジは立っているものの、全体のバンド・サウンドはそれほど攻撃的ではなく、聴き易いものでした。

早速2曲目で、名盤3rd「THE DIARIST」からのAuroraが炸裂!リフがめっちゃ気持ちいいですわ。
CDの再現度はそこそこ高く、MikeのデスVoもイメージ通り。曲に合わせて大きい身振り手振りでフロアに語り掛けるように歌う(吼える)その御姿は、衣装や髪を切ったせいもあり、マジ軍人風なんですけど。その様子は、新兵(我々観客だ/笑)に優しく説教する将官のようである。
よって、以下、「提督」と記すことにする(笑)

アルバム通りの流れでPlay Dead行っちゃう 逝っちゃうわけで、DL目当ての私もここまででチケット代は余裕でペイしてますわん。誰かが「3rdからいっぱいやると日本人は喜びますよ」って提督に耳打ちしたのか(笑)、ライブは最新作と3rdの曲を中心に進んでゆきます(歓喜)。MCタイム 説教タイムで提督が「Next song…from THE DIARIST…」って仰ると、ワァァ!ってフロアが騒がしくなるってゆう(笑)

一際大きい歓声に迎えられた、2ndからのThrough The Non-Timeでも顕著だったように、デスメタルであリながら攻撃性のみに軸足を置かず、常に気品があるDARK LUNACYの(かつてのw)楽曲の感触は、ほんと独特。メンバーの衣装やキビキビとしたステージパフォーマンス、同期音源が醸し出すムードからは、多分に戦争、またそれに纏わる兵器や軍隊を想起させる男性的なイメージが感じ取れますが、悲哀や優しさに満ちたメロディからは女性的なものも同時に感じるという。その点が実に素晴らしい。
共に戦争をテーマに掲げた作品だったからか、ライブの2本の軸として機能した3rdと最新5thの楽曲が似たようなムードを放っており、ショウ全体に統一感のある空気を作り出していたことも特筆すべき点。

もう少し楽器隊の見せ場があればなお良かったですかね。曲の再現に重きを置いている風のステージなので、ソロタイム的な時間はありませんでしたしそれで良いとも思いましたが、曲中に自然に織り込まれたインスト・パートで、曲が元々持つメロディの良さだけでなく、プレイヤー視点でも観客にオオッって思わせる技巧があれば…。。。
特にDanのGtですけど、リフはなかなか良く弾いてましたが、リードの腕はちょっとたどたどしいかな。まぁ彼に限らず、この日のバンドで演奏力に秀でたバンドはいなかったわけですが、もし彼のリードが冴えまくっていたらMotherlandで大泣きしてたなこりゃ。

バンドの初来日公演に立ち会うと、バンド&ファン双方の待望感が生み出す温かい雰囲気に包まれた空間を味わうことができますが、この日もそうでした。それはDARK LUNACYだけでなく、MERCENARYの時もしかり。この空気ってのは独特の良さがあるので、もし好きなバンドが初めて来日する機会に立ち会えそうならば、時間とお財布の許す限り、是非足を運んであげてほしいですね。それは本人にとっても演者側にとっても、2回目以降とは全く意味が異なる体験ですし。つーか、2回目が訪れないことも多々あるしね(苦笑)。
そんなわけで、提督は終始ご機嫌な様子で感謝の言葉を述べていましたし、本編ラスト、DL以外の何者でもないドラマティックな曲構成と弦楽器の響きが支配的な、StalingradDollsという流れでは、その「ご機嫌麗しゅう度」は最高潮に(笑)


なかなか長丁場のライブで疲労困憊(特に足)でしたが、この場に立ち合えて本当に良かった。
最高でした!

<セットリスト>
01.Red Blocks
02.Aurora
03.Play Dead
04.Sacred War
05.Through The Non-Time
06.Pulkovo Meridian
07.From The Don To The Sea
08.Motherland
09.The Decemberists
10.Stalingrad
11.Dolls
EOCORE
12.Victory

この全てを物語る、感涙のセトリを見よ。(大袈裟)

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