DARK TRANQUILLITY「THE GALLERY」


DARK TRANQUILLITY「THE GALLERY」 (1995)

スウェーデン出身、メロディック・デスメタルのオリジネイターの一つ、DARK TRANQUILLITYの作品の中でも、最も“メロデスらしい”作風の2ndフルアルバムです。
現在Niklas Sundinと共にギターを弾いているMartin Henrikssonは、この時点ではベーシストで、Niklasの相棒は海兵隊風ルックスのFredrik Johanssonが務めています。

名盤ッ!!
本作こそがダートラの最高傑作だと主張される人も多いでしょう。

1stフル「SKYDANCER」(1993)でヴォーカルをとっていたのは、現IN FLAMESのAnders Friden。1995年のEP「OF CHAOS AND ETERNAL NIGHT」からMikael Stanne様(Vo)が歌いますが、その声こそがダートラってイメージでして、そうすると本作が実質上の1枚目って感じもしますなー。

ダートラの初期作、というか「HAVEN」(2000)までの5枚は、1枚1枚それぞれ作風が異なります。本作の前後を見ても、前作はフォークっぽさがあったりメロパワ色が濃い曲があったりと未整理な感じ、次作はゴシカルで内省的な色合いが強まる、といった具合。だからどのアルバムがハマるかってのは人それぞれかもしれません。
私の場合は、どれをとっても悲哀のメロディが楽しめますし、Mikael様の声が聴けりゃあある程度は満足なので、どれも大好きな作品たちですけど。メロディ的には外れの無い、極めて安定株のバンドですしね。
ただ、キャリア全体を通して考えると(ってまだ“終わった”バンドじゃないけど)、「PROJECTOR」(1999)から参加したMartin Brandstrom(Key)の加入ってのは大きな転機だったんでしょうね。「HAVEN」以降は、メロデスでもゴシックでもない(逆に、どちらでもある?)、ダートラ節が完成してるように思えますから。現時点での最新作「CONSTRUCT」(2013)では、そこに定住/停滞するだけでなく、ポストロック方面まで足を伸ばそうとしてるようではありますが…(ちょい不安要素)。

まぁそれはここでは置いといて、この2ndにしかない味わいがあるわけでして、それは「聴いていて最も翻弄される作品かも」ということ。正に、感情揉みくちゃ。目まぐるしい曲展開と矢継ぎ早に繰り出してくるギター・メロディによって、精緻に編み上げられた芸術品ですよ、ここに収められた名曲佳曲群は。
ゆえに、スピード感のあるメロデス愛好家は未だ本作を以って最高作と評価するのかもしれません。

エクストリーム系のアルバムは聴いてると段々飽きてきちゃう性分なのに、これは違うんですよね。一枚通して聴くのが苦痛ではないし、むしろ快楽。そして、リリースから20年以上が経過しているにも関わらず、未だ色褪せないオーラを放っています。「スピード感のあるメロデス」とは言いつつも、本作を聴いて感じる快感が速度のみに依っているものではないからでしょうね。

本作の特徴を全て注ぎ込んだ結果、奇跡的な名曲として誕生した①Punish My Heavenで幕を開ける本作。美麗なアコギによる⑩Mine Is The Grandeur...をイントロとし、女将さん風のタフな女性Voの歌い上げと共に劇的に盛り上がる⑪...Of Melancholy Burningで締めくくるまで、一切隙はありません。最後にボーナス・トラックとして、METALLICAのカヴァー⑫My Friend Of Miseryが入っていますが、そんなものはどうでもよろしい(笑)

ギターはリフとソロの間のようなフレーズを次々と重ねてきて、そのどれもがメロディックで哀しみに彩られているのが驚きだし、リズム隊は効果的なテンポ・チェンジでハッとさせる。このバンドの場合、演奏の強靭さよりも、アイデアの豊富さとアレンジ・センスに着目したいところですね。メンバー全員が曲を書けるということも強みでしょう。グロゥルやシャウトだけではない歌い上げや女性Voを絡めてくるやり方も巧みで、既にMikael様もクリーンVoでその美声を披露しております(の凄さってのは、中盤でのクリーンVoのパートがあってこそのものだと思いますし)。

本作の中から今もライブで演奏されるのはと、女性Voを絡めつつMikael様が今にも泣き出さんばかりの激情をぶちまけるバラード調の⑧Letheくらいですが、代わりに③Edenspring⑥The One Brooding Warning⑦Midway Through Infinityもやってほしいですねぇ。
特ににも劣らない名曲で、逃げ場のないほどに何度も慟哭を爆発させる様がマジでキラー。あ、でもこの曲、ライブでやるには演奏力が足りないかな?(汗)
神経質なリフを持つ④The Dividing Lineと明るめでキャッチーな⑨The Emptiness From Which I Fed(中間部の早口語りがイイ)も好きなんですけど。


他にも名盤はわんさとあるバンドだけど、このアルバムで聴くことの出来る切羽詰ったような叙情は紛うことなき宝。
最高っす。

【お気に入り】
①Punish My Heaven
③Edenspring
⑨The Emptiness From Which I Fed
⑥The One Brooding Warning
⑪...Of Melancholy Burning
⑦Midway Through Infinity
⑧Lethe

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