Lilith Abi@四谷SOUND CREEK Doppo

Lilith Abi Presents 四谷SOUND CREEK Doppo (2015/7/3)

Lilith Abi主催のライブ・イベントに行ってきました。
場所は、前回5月と同様、四谷SOUND CREEK Doppo。出演は、Lilith Abiに、前回も観たレゲエ風味ミクスチャー・バンドNo Brand今年2月の馬喰町のレコ発ライブでもやった角田紘之(Vo&Key)とリリスのリズム隊によるトリオ・バンド。各ステージ40分のスリーマン公演です。
因みにリリスのリーダー、こじまりょうすけは角田トリオではBaで、あと2つではKeyを担当して、全ステージに出演です。おまけにイベント全体のMCもこなすという活躍っぷり。


角田トリオ
馬喰町でもやった、RETURN TO FOREVERのカヴァー・Spainからスタート。相変わらず素晴らしい躍動感ですね。この曲、あまりにも有名なメイン・テーマ・メロディを持っていますから、そこだけちゃんと押さえておけばある程度形にはなるような気もするんですが、要はそのキメのメロディ以外の部分をどう料理するかが問われるわけで。で、角田トリオのこれは、高度な遊びの延長ですわな。各楽器のソロパートを挟みながら、アイコンタクトとニヤニヤ笑いを以ってテンポも味付けも自由自在に変える。ラテン・ポップスを得意とするであろう角田ですから、その持ち味とChick Coreaが書いた曲との相性は抜群なんでしょうね。それともどんな曲でも自分なりのカラーに染め上げられるのかな?
今回、カヴァー曲ではそんな好き勝手に遊ぶ“ファン”な部分を、オリジナル曲では自分なりの持ち味を、それぞれしっかり聞かせてきた印象。カヴァー曲はSpainの他、Caravanを演奏しましたが、こっちの方がやりたい放題やっていて面白かったです。感じたのは、こじまのBaプレイって柔らかいんだよな、ということ。柔軟性に富んでいるんだけど、しっかり主張がある存在感。
しっかし角田紘之、歌もピアノも両方共、猛烈に上手いな。リリスの薫(Vo)がゲストに加わったInverse Worldでは、彼女のコーラスが曲と角田のVoの双方の魅力をさらに引き出し、声(歌)の持つ魔力を再確認したのでした。
<セットリスト>
1.Spain (RETURN TO FOREVER)
2.青い光り
3.トリコロール・ビオラ
4.Inverse World (with 薫)
5.Caravan (ラテンジャズ・スタンダード)
6.クロノスとカイロス
7.ちきゅうぎ


No Brand
“観ているこちらがドキドキしちゃう”系女性ダンサー2人を含む総勢6名のバンドに、今回はこじまがKeyで参加。その為ステージ上はとても狭く、ダンサー用のスペースがフロア前方に確保されていましたね。そのせいで、観ているこちら側とダンサーさんとの距離が近く、私のドキドキ度数もJamaica Vibrationです(意味不明)。
前回同様、バンドのロック・テイストを差し色にして、ダンサー2人を中心に魅せること・楽しませることに注力したパフォーマンスは素晴らしかったです。根幹のバンド部分の演奏能力も高いから、安心して聴いていられますし。
今回の相違点は、こじまのKeyがさらなる色付けをしているところ。南国の人って感じの格好をしたメンバーの中に、都会から休暇に来ました的こじま氏が存在するミスマッチ感に思わずニヤリとしてしまいますが、音の方はバッチリ。多彩な音色を操るシンセ・プレイが楽曲にスペーシーな味付けを追加しており、その浮遊感とスケール感、幻想染みた雰囲気作りが楽曲をグレードアップさせており、とても良かったですね。
<セットリスト>
1.Elephant Jam
2.feel
3.花鳥風月
4.Jamaica Vibration
5.IOLANI
6.hope


Lilith Abi
こじまはKeyで参加するので、Baは前回から引き続き加藤良太がプレイ。そしてギターは高本純から、前回は海外修行中で不在だった佐々木教善に再度チェンジ。
リリスは事前にセットリストを告知することが多いようですが、今回はライブ初披露のEnter The Voidを含めて3rd「hiatus」からの楽曲を中心に組んだもの。そこに光りの雨thetaという、ハードめな2曲を追加。全体的には、浮遊感と細やかな情感を感じるソフト・サイド、楽器間のアンサンブルと薫のVoが時に調和し時に拮抗するハード・サイド、それぞれがバランス良くとられたセットでした。個人的には、もっとハードな曲が続いてもよいですけどね。…ってそれじゃ演者側の消耗が激しいかな?

リリスのライブは座って聴くスタイルですし、ライブを観ている時に着目する点も普段のHR/HM系のライブは異なるんですが、自分自身の感情の揺らぎや「ここ好きだなぁ」と感じるポイントはさほど違いません。例えば、リリスの楽曲でSaxソロに突入する時のカタルシスってのは、スラッシュ・メタルでGtソロが切り込んでくる時のものと何ら変わらない興奮を私に与えてくれますね。
まぁリリスや似たようなジャンルの音楽の方が、観ながら楽曲のより細かなニュアンスに気づくことが出来たりしますけど、同時にそういう見方/聴き方に耐え得るほど自分好みの音楽かどうかってのは問われる気がします。

No Brandのところにもちょっと書きましたが、こじまはKeyの音色をかなり頻繁にいじるんですよね。フレーズで聴かせるだけじゃなくて、トーンを変えることで意外性や遊びを楽曲に積極的に取り入れる感じ。それがベース部分をしっかり演奏した上での味付けだから、ライブならではの特別なものとして楽しめます。

薫のVo、後半の2曲で特に感じたのは、音源に収められた歌唱に忠実であることと、ライブならではの熱を込めること、この二つの間でギリギリの綱渡りをするような緊張感ですね。「歌」であろうとする部分と、もっと原初的で感情的な「声」の迸り。その比率ってのはライブ毎に微妙に異なる気がします。それを不安定と感じる人もいるでしょうけど、押さえるべきところは押さえていますし、これは基本的なスキルを備えた上でのその時その時の“味”だと捉えています。
彼女の声の宿る男性的な響きは大きな特徴だと思います。それが常にあるんじゃなくて、時折垣間見せるところがいい。thata中間部で聴かせるような力強さと狂気だけでなく、ポップめな曲で覗いてくる少年っぽさは特に魅力的ですね。優れたヴォーカリストは、曲が求める感情を性別や年齢を超えて表現に投影できるんでしょう。

現在制作中の再録&新曲を収録した作品が出来上がった後、さらに色んな曲がシャッフルされるであろうセトリが今から楽しみですね。勿論そのCD自体の出来も、しかり。

<セットリスト>
1.Enter The Void
2.アスファルトの上
3.ハイエイタス
4.サマリー
5.光りの雨
6.theta

※この日のライブのダイジェスト映像は → コチラ。

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