HELLOWEEN「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PartⅠ」


HELLOWEEN「KEEPER OF THE SEVEN KEYS PartⅠ」 (1987)

続編である「パート2」と共に、HR/HM名盤ガイド的なものには必ずと言ってもよいほど登場する作品。そもそもは2枚組を想定したというのは有名な話ですなぁ。

若き超絶ヴォーカリスト・Michael Kiskeを加入させ、Kai Hansen(Gt)がVoの重責(と敢えて言おう/笑)から解放されたことにより、1stフルアルバム「WALLS OF JERICHO」(1985)が持っていたスラッシュ・メタル然とした感触は大幅に後退、のちのメロディック・パワーメタルの礎となるサウンドが生み出されました。

「キーパー」と言うだけでどんなサウンドのことを指しているかはぼんやりと思い浮かび、音楽的方向性がある程度理解できてしまうという、このマジック。そして浸透率。それだけKiskeの伸びやかな歌唱スタイルと、(この時の)南瓜サウンドの相性は良かったのでしょう。メタラーにとっては、SGGKでも三角跳びでも一歩も動けない人でもなく、この「パート1」「パート2」のサウンドこそ「キーパー」なのよね。

Kaiのペンによる楽曲が多く、彼の色が強く出ているアルバムではあるものの、スピード・チューンからバラードに大作曲まで、作風はバラエティに富んでいます。それでこそ南瓜と言い切りたい芳醇なメロディと幅広さ、咀嚼力。入ったばかりのKiskeも既に1曲、③A Little Timeを書いており、Michael Weikath(Gt)を含めた3名のソングライターの持ち味の違いが浮かび上がると共に、振り幅の広さの一因となっています。次作「パート2」ではそこがさらに明確になるんですけどね。


①Initiation
大仰なイントロからスピード・チューンに雪崩れ込むという鉄板鋼鉄様式美。冒頭にちょっとだけ「ハッピハッピハロウィン」のフレーズが。

②I'm Alive
出た! お得意の“自由になりたい”系ソングとも親和性の高い、自己肯定&団結推進型ソング!(笑) 当然の如く書いたのはKai。
歌メロ的には、曲名を連呼するだけのサビはあまり面白くありません(Kaiらしいと言えばそうだし、ライブでは盛り上がるでしょうけど)が、ブリッジの流れるようなラインは絶品ですね。Kiskeの声にもぴったり合ってますし。それよりは彼らの代名詞とも言える、長い間奏の充実こそが素晴らしい曲。歌えるようなGtのメロディー・ラインは衝撃的ですらありますね。

③A Little Time
Kiske作のポップ・チューン。私はそれほど好きな曲じゃあないが、彼の声質には合っているし、こういうちょっとタイプの異なる楽曲をしれっと収録して違和感のないところが、南瓜の凄さであり、彼らを尊敬している部分でもある。改めて聴くと、中間部の展開はなかなか聴き応えがあるし、ラストのサビのリフレインの裏ではGtがけっこう弾きまくってますね。

④Twilight Of The Gods
キラーッ!! Kaiの書いた名曲群の中でトップクラスの1曲だと思いますね。スピード感ある曲調の中に、ドラマティックな展開美と勇壮かつしなやかな歌メロ、SF小説のようなロマンティシズムを封じ込めた傑作。Markus Grosskopf(Ba)のプレイも冴え渡ってますね。彼らの後継であるSTRATOVARIUSっぽさもある。つーか、大ティモ&小ティモ時代のストラトの音楽的理想型を具現化した曲のようにも思えてくるわ。(現Voである)Andi DerisのVoでいいから、ライブで聴いてみたい曲の筆頭格です。

⑤A Tale That Wasn't Right
今作で唯一のヴァイキー単独作、泣っき泣きのド演歌風バラードです。Gtソロのベッタベタ具合なんて奇跡的。同郷の先輩であるSCORPIONS(Uli Jon Roth在籍時)からの影響も大いにありそうですね。Kiskeの歌唱の板の付き方は異常レベルで、コイツほんとに10代の若造かよ、と疑うほどです。
因みに、私はMichael Kiskeを「ハイト-ン・ヴォーカリスト」とは捉えていなくって、「ハイトーンもイケる、中音域主体のヴォーカリスト」だと思っているんですが、この曲での高音域の響きは素晴らしいね。

⑥Future World
今もライブで必ず演奏される名曲中の名曲。この曲のリフは南瓜で一番有名なものかも。南瓜だけでなくGAMMA RAYを含めたキャリアを通じてのKai Hansenの最高傑作だと思いますね。キャッチーさ、メッセージ性、ライブ映えの良さ…、完璧やんけ。
典型的パワメタ楽曲じゃないのにバンドの代表曲となっている事実が、HELLOWEENの立ち位置を物語っているかのよう。

⑦Halloween
Kai Hansen渾身の13分超え。シリアスな作風になりがちな大作曲においても、コミカルな感触を残しているのがKaiらしいかも。器楽的聴き処が連続する巧みな構成力とキャッチーな歌メロ・センスで、全くダレない。メンバー全員の貢献が曲の完成度に直結していますが、リズム隊の活躍、ヤバし。特にMarkus。

⑧Follow The Sign
「パート2」へと期待を繋げるような歌詞を持つ、アウトロ的な小曲。

ボーナス・トラックとして、収録曲のヴァーション違いと共に、Kaiヴォーカル時代の曲をKiskeが歌ったヴァージョンが入ってますが、完成度の上昇よりも実は違和感の方が先立つのよね。彼が歌うと、良くも悪くも「明るさ」が増して余裕を感じる曲調に生まれ変わるので、原曲が持っていた悲壮感は減じますから。つーか、若きKiske、ブラッド・ピット似のイケメソだよね(関係ない)。


曲数は若干物足りないですが、歴史を変えた名盤と言い切ってしまって差し支えないでしょう。音質やヴァージョンが異なれど同じCDを買うことの少ない管理人が2枚持ってる、数少ない作品。次作もそうだけど、コレはデジタルリマスター盤で欲しかったからね。

【悶絶】
⑥Future World
④Twilight Of The Gods

【お気に入り】
⑦Halloween
⑤A Tale That Wasn't Right
②I'm Alive


コスプレするのがハロウィン(10月31日)じゃないでしょーけど、もしコスるならこのジャケの人やりたい(笑)。勿論、七つの鍵の入った水晶球も付けてねw

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COMMENT 2

DD  2015, 10. 31 [Sat] 21:16

 ちなみに、水晶みたいなのを持つと、下手すれば怪しまれる状況だったと思われます(今日は場所によっては警備がすごかったし)。

 それはさておきalbumですが、KaiがGに専念できるようになったのが大きい、と当時は言ってましたが、もし2枚組になってたら評価はどうなってたのでしょう、それはそれで聞いてみたかったかも。(そのころにはすでにそれぐらい曲があったはず)

 いわゆるGerman Metalの基準を作ったとされるものだし、かなり名作が生まれてますね、この年は。同年ではLepsの’Hysteria',周辺ではQueensrycheの’Operation:Mindcrime'等、挙げればきりないぐらい名盤が生まれた年ですよね。(確かBlind Guardianがこの年結成されたはず)。

 捨て曲がないのも、これが名盤と言われるゆえんじゃないですかね。8曲と短いし、40分以下ですし。

 Remaster版が出るのは、急いで作ったからじゃないですか、またはtrack数過多だったか。

 Weiki主導のIIと同等に評価されるべきものですね、これは。

お気に入り・・4,5,7

追伸  Concerto Moonに元陰陽座の斗羅が加入したのはどう思います?彼はalbumではいいんですが、liveでは結構はめ外す、問題多しで、bandになじめない人間性の持ち主と聞いたような。 

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ヒゲ・スカイウォーカー  2015, 11. 02 [Mon] 19:24

DDさん、

87年だとG Moore「WILD FRONTIER」、ガンズ「アパタイト~」、サーペンスアルバスあたりでしょうか。翌年は仰る通りQUEENSRYCHE。他にもBON JOVI、メイデン等々、枚挙に暇の無いほどの名盤ラッシュですね。

10/31は出歩くのを止めました。寄りによって行きたい先が渋谷だったんので(汗

現体制のC MOONは初披露の時に観ましたが(http://metalbewithus.blog.fc2.com/blog-entry-1193.html)、斗羅良かったですよ。以前より上手くなってる気がしましたし、音が太くなっていました(セッティング等も関係あるのかもしれませんが)。


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