『オール・ザ・キングスメン』

オールザキングスメン
『オール・ザ・キングスメン』

久しぶりの映画記事。前回はガンダム物だったしな(笑)。
映画『オール・ザ・キングスメン』を見ました。1949年制作の方じゃなくて、2006年制作のやつ。ショーン・ペン、ジュード・ロウ、アンソニー・ホプキンス、ケイト・ウィンスレット…。

権力が生んだ、男。
その力は正義なのか、悪なのか――
実直で社会革命の理想に燃える役人のウィリーは、州知事選に立候補し、自分の貧しい生い立ちを語り、労働者や農民の立場に立った演説を続け見事、州知事となる。ところが絶大な権力を手に入れた彼は、忌み嫌っていたはずの汚職に手を染め、次々とスキャンダルにまみれてゆく…。


ショーン・ペン好きなんです。


以下、ネタバレ気味なのでご注意を。
  ↓


やっぱりショーン・ペンいいわぁ。最高。
基本、役者で観る作品を選ぶタイプではないんですが、ショーン・ペンだけは別。そんな“特別枠”ですわね、私にとっては。
(まぁ、最近は映画を観る機会そのものが減りまくってますが…)

…なんですが、彼にしてはそこそこの演技の作品かしら、とも思いました。演技というか、化けっぷりが足らないかな。
作品の大雑把な構図としては、上に掲げた説明文句通り、【清廉潔白な役人→権力志向の汚職政治家へ】というものです。なるほど、州知事となってからのやたら熱い演説や表情だけでドラマを生み出せる演技はサイコーなんですが、どうも市長に立候補しようとする以前のキャラ造形がよろしくない感じ。メイクや顔つき、表情でもっと実直なイメージを出せたはずだと思うんですよね。彼ならば。
だから思ったよりも、その“変貌”の悲劇性が伝わってこない。
「だが人はたまらなく何かを望むと その思いにとらわれすぎて 何を求めているのか忘れてしまう」と言っていたウィリー(=ショーン・ペン)が、
「“善”は形作るのさ」「人々の気に入らなければ蓋をかぶせる わかるか?」「蓋をかぶせれば見分けがつかなくなる」と言うようになる、その落差の大きさがイマイチ響いてこない。
ジュード・ロウは良かったですね。彼の突き放したような目線と態度が◎。役柄にもぴったり合ってるし。

富裕層と貧困層、彼らがそれぞれ支持する陣営の対立構図の上に成り立っているドラマですが、ウィリーの目指したものが知事になる前となった後で本当にブレなかったのか、そこがもう少し丁寧に描かれていたら良かったですね。それによって物語の力点が、汚職・スキャンダルの末に辿り着いたありうべき結末なのか、それぞれの思いが伝わらずすれ違ったために引き起こされた悲劇なのか、で変わってきたように思うので。

なかなか楽しめた作品ではありました。

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