Lilith Abi@四谷SOUND CREEK Doppo

『ライジングトリガーvol.7』 四谷SOUND CREEK Doppo (2015/5/14)

プログレ的なポップス的なロック的なジャズ的なバンド、Lilith Abiのライブを観に行ってきました。
四谷SOUND CREEK Doppoというハコで、計6組のイベント。テーブル席について観る形式で、ステージ(というより演奏スペースという感じ)と客席との距離はとても近いです。というか、客席に出演ミュージシャンがいる。

転換含めて各出演者30分ほどのステージでした。この転換がかなりスムーズで驚きました。弾き語りの人も出演しており、それに時間が掛からないのは納得なんですが、バンド編成についてもしかり。狭いステージなので、大人数で一気に入れ替えなんて出来ないし、基本バンドメンバーのみでやってるんだけど、これが速い。何でかっていうか、Drの入れ替えがないのと、音決め(?)に時間を費やしてないから。楽器を用意した後にほとんど音出してない。リハん時にきっちり詰めてるからでしょうけど。
なんかこういうところにも、ミュージシャンの熟練度や姿勢、ハコ側スタッフの実力等々が表れるよなぁ、とも感じました。HR/HM系はほとんど場合がDrセットを入れ替えるから仕方ないような気もするんですけど、対バンイベントで転換が長いのって苦痛以外の何ものでもないし。DJがいようが、友人同士でお喋りしていようが関係なし。


Still Caravan
Lilith Abiのリーダー・こじまりょうすけ(Ba)も在籍するバンドで、Dr+Ba+Gt+Keyの編成でした。つまり、この日こじまは2ステージ。同名で検索すると、ラップ的なヒップホップ的なグループの情報が見つかってきて、こりゃどう考えても同名異バンドだろと思いきや、これが同じグループつーんだから事実は小説より奇なり(笑)
私が会場に到着した時には多分3曲目を演奏中だったと思うんですが、「静かなる旅団」との名前に相応しく、ロマンティックでゆったりとしたメロディを持つインストゥルメンタルでした。繊細な演奏。思い浮かぶのは夕暮れ~宵闇のイメージ。あぁCAMELぽい感じもあるなぁ…とか思いましたが、キャラヴァン=駱駝=キャメル、というただの連想かもしれません(笑)。


その後に、弾き語りの人が2名。
こういうアコースティックのシンガーソンガーライター的なミュージシャンのステージを観るたびに思うのは、「歌の上手い人ってのはいっぱいいるよなぁー」ってことと、「1人っきりでステージに立つ(まぁこの場合は座ってるんだけど)なんて神業だな」ということ。私だったらステージ上がった瞬間にチビりますね(笑)。


No Brand
大雑把に言うと、レゲエ・バンド(HPは→コチラ)。福岡出身のバンドのようで、現在は(メンバー全員ではないものの)上京してきて活動しているそう。その時々で形態を変えるようですが、この日はVo+Gt+Ba+Drのバンド編成プラス女性ダンサー2名の計6名体制でした。GtとBaは、リリスの演奏陣と別バンドを組んでいたりと、人脈的な繋がりがあるそうな。
ウチのブログからは最も遠い音楽ジャンルと言っても過言ではない感じもしまくリングな、レゲエ。…なんですが、つまんないHR/HMバンドのステージを観るくらいなら、普段聞くことのないジャンルの音に触れた方が新鮮なわけでして、私は大いに楽しめました。(ジャンル分けの是非についてはここでは扱わねぇっす)
(楽しめたという)理由については何点かあって、まず、このバンドってベースはレゲエなんでしょうけど、ミクスチャー要素が強かったことがあります。ミニマムな繰り返しをするパートではレゲエっぽくはあれど、バンド部分はかなりロック色の強い演奏もしていました。テレキャスでシャランシャランとカッティングしていたGt氏が、HR風のGtソロを弾き出した時にゃあ驚きましたよ。「Gtソロあるんだ!?」って(笑)。曲調も様々で、花鳥風月という曲では和の雰囲気を押し出していたり。
あと、Voが上手い。低~中音域主体でしたが、朗々とした歌唱からリズミックな歌ってるような呟いてるようなアレ(笑/なんつーんだアレ?トースティング?)まで、表現力豊かに歌っていて引き付けられました。
で、なにより「魅せよう」「楽しませよう」って意識が高いステージをしていましたよね。特に、女性ダンサーのパフォーマンスに顕著でした。2人の衣装がセクシーな布!布!って感じなので、目のやり場に困る系(困らない)なんですが、彼女達めちゃめちゃ大活躍じゃないの。たった30分のステージの為に、ダンスは勿論、ほぼ1曲毎に(曲に合わせた)衣装や髪型にチェンジし、ラスタカラーの国旗を持ち込んだりもしていました。これには驚かされましたね。いやー、素晴らしい!
ステージ上は後方にバンド、前方にVoとダンサーって配置なので、ソロの時にGtに注目しようとすると上手側のダンサーが視界に入らざるを得ない。というか、狭いステージなのでほとんどGtの手元よりダンサーしか見えないわけでして、傍から見るとおねいさんをガン見しているようにしか映らないんですね(笑)。別に誰もあたしのことなんか見ているわけじゃあないので、安心してガン見すりゃあいいわけですけど(笑)、脳内では「ち、チガウっ!おねいさんを見てるんじゃなくてギターを見てるんだ!誤解だッ!」等とシャウトしてましたww
いやぁ、この記事書きながらGoogleでレゲエ関連のこと色々検索してて(せざるを得なくって)、良いお勉強になりましたよ(笑)


Lilith Abi
トリ前。
リリスは予定してるセトリを事前に(Twitterで)アナウンスすることが多いです。ですのでこの日の曲目も知っていました。要チェックポイントは、現時点での最新曲であるthetaをやること。1stアルバムのリメイク「The Return of Pink Elephants」に収録されているこの曲、前回の銀座のライブで初披露したものの、私は行けなかった(れふとぶりんがーのライブだった)ので、初めて生で聴きます。これがめちゃめちゃ楽しみでした。

田中ペンタゴン(Key)はしばらくお休みのようでして、マルチプレイヤーこじまがKeyにスイッチ。この日のリリス参加メンバーは、
 薫(Vo)
 こじまりょうすけ(Key)
 福原nap雄太(Dr)
 飯田瑞樹(Sax)
 加藤良太(Ba)
 高本純(Gt)
という編成。
飯田は“いつもの”サポート、加藤は前回から引き続き2回目、theta音源でViolin客演した高本がGtで初参加、という陣容ですね。

お馴染みの曲と言ってよいReset my feelingsからスタート。高本のGtはちょっとロック色が強めなプレイかな、と感じました。また、当ブログでは「田中ペンタゴンの師匠的な存在が、実はこじまりょうすけ」という情報を何故かキャッチしているわけでして(笑)、こじまのKeyの腕前に不安感なんぞありはしません。まったくもって驚異的。
続いて、ライブでやるのは珍しい(らしい)春の眠りあなたは誰のものでもなくという、耳馴染の良い流れ。後者は複数アルバムに収録されている(Ver.違い)ので割と元音源は聴いている感じはするんですけど、レア曲中のレア曲みたいです。この曲、細かい譜割りだから歌うの大変だよなー。しかもVoの出来が曲の出来に直結する曲でもあるし。

リリスの楽曲が極端にジャズやプログレに振り切らない印象なのは、薫の歌を中心に据えていることもありそれが一番大きいと思うのですが、曲中に各楽器のソロはあっても順番にソロ回しするわけじゃない、ということも要因としてあると思うんです。正確には「ソロ回しをしない」というより、「ソロ回しをしているようには感じさせない曲作りをしている」というニュアンスですけど。まぁ展開がスムーズで無理が無いんですわな。で、同時に心地よくもスリリングであるというマジック。各楽器のフレーズが入って来るタイミングが見事です。
この印象の下地にあるのは、歌唱にせよ演奏にせよ、繊細な表現力とヴォリューム(強弱)・コントロールだと思いますね。特にこの日近くで観たこともあり、飯田のSaxプレイの巧みさにビビりました。私がラッパについての知識がゼロである為か、指や手足を使う楽器(やVoに)比べて強弱のコントロールが難しい楽器のように思えるのですが、…こりゃあ凄いね。

薫が気を引き締めるように深呼吸して、アグレッシヴと言ってもよい後半2曲へ。
これが凄かった。
星飛雄馬涙 ←こういう感じ(笑)

光りの雨馬喰町のライブでも聴きましたけど、ライブでさらに映える曲ですね。キメの連続するハードな曲なのに着地の感触は柔らか、というのはリリスならでは。終盤の怒涛の演奏が凄まじく、興奮と多幸感に包まれました。
thetaは…、このライブの前に「The Return of Pink Elephants」の記事をアップしようかと思っていたのですが、間に合いませんでしたね(苦笑)。えー、この曲、インタープレイの応酬を思わせる強烈なアグレッシヴ・パートをメランコリックな歌モノパートでサンドイッチした構成の曲なんですが、リリス曲の中では最も曲調&感情の落差の大きいものではないかな。コレね、わたし相当好きよ。
光りの雨もそうだったけど、薫の感情移入の度合いとそれを歌にする技術が凄まじい。高音部のロングトーンと、鬼気迫るというか形相が変わるほどのシャウト・パート。加藤のMAGMAちっくなBaラインを起点にした中間部では(音源にはある)Violinが無い為、SaxとKeyが頑張ること頑張ること。特に音色を変えながらのこじまのKeyワークは大きな聴き処でした。
メランコリーと緊張感にもみくちゃにされた熱演でした。素晴らしいものを見せてもらった。

<セットリスト>
1.Reset my feelings
2.春の眠り
3.あなたは誰のものでもなく
4.光りの雨
5.theta

光りの雨thetaの当日の音源が、soundcloudにアップされています。
コレコレ
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