ANEKDOTEN「Until All The Ghosts Are Gone」


ANEKDOTEN「Until All The Ghosts Are Gone」 (2015)

スウェーデンのプログレッシヴ・ロック・バンド、ANEKDOTENの6thアルバム。
私は現役プログレ・バンドの活動はそれほど熱心に追いかけていなくて、中古屋で安く見かけたら買う程度なので、あんまり持っていません。70~80年代の作品を漁ることが多いですね。そもそもプログレ系って中古でもあまり安くならないし。ただ、ANGLAGARDと、このANEKDOTENは別格。新譜が出れば、そりゃ買いますとも。

本作は前作「A Time of Day」(2007)のリリースから、実に8年ぶりとなる新作。正にファン待望の、と言ってよいでしょうね。
彼らの作品のアートワークは秀逸なものばかりですが、今回もまたヤヴァい。Marcus Keefを思わせる色合いが1st「VEMOD」(1993/1995)を想起させ、中身の音を聴く前にそれだけでもう傑作認定しちゃいたいくらいですが(笑)、さらに椅子がッ! …というか、色合いだけじゃなくて、右側に椅子、左側にキャベツ君(?)、背後に館という構図がどう考えても1stオマージュじゃないですかぁーッ!!
もう最高。ジャケ自体も最高なんだが、そういう彼らのセンスが最高。

そんなジャケに象徴されるように、「アネクドテン、おかえりなさい!」な作風です。1stのようなクリムゾン的激重ヘヴィネスが蠢く音楽性ド真ん中ではないので、キャリア・スタート時点に原点回帰したわけではありません。ただ、そういうヘヴィな要素もありつつ、近作のメロディックでシンフォ色の強い癒し系音楽の延長線上という、歴史を順当に総浚いしたような感じ。前作より確実にヘヴィ(弦楽器に顕著)で、サイケ色はやや強めかな。

聴いていると曲のあちらこちらで、ANEKDOTENのこういうところが好きなんだよなぁー、ってしみじみ感じますね。それは例えば、ゲストの管楽器を交えた各楽器が多重的なアンサンブルを積み上げてゆく手法や、洗練されていないことで逆に他のバンドとの差別化が為されているNicklas Barker(Gt, Key&Vo)のヴォーカルだったりします。

全6曲。5分台=2曲、7,8,9,10分台がそれぞれ1曲ずつの大作主義。
おしなべて曲のレベルは高く、さすがのメロディ&アレンジ・センスだと唸らされる反面、ただ数回聴いても、「この1曲!」というキメ曲が浮かび上がってこないのは弱点でしょうか。歌メロが淡いからかな。割と優等生的にまとまっており、バランスの取れた作風だからかも。
とは言っても、骨太な攻撃力とサイケな幻惑と繊細な叙情を行ったり来たり、混然一体にして練り上げてゆく最長編①Shooting Starは圧巻だし、②Get Out Aliveのサビは盛り上がるし、終盤の必殺メロトロン爆発に持って行くまでの構成力に痺れる④Writing On The Wall…と、聴き処は多数あります。
最後のインスト曲⑥Our Days Are Numberedが、ミニマルなリフを繰り返しながら徐々に高まってゆくという、ポストブラック勢にも通じる雰囲気を感じさせるのも新鮮。


ま、贅沢は言わずに一枚の作品として楽しむと、これまた傑作認定せざるを得ないですなぁ。バンドと私の感性の相性の良さゆえに。

【お気に入り】
④Writing On The Wall
①Shooting Star
②Get Out Alive
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