Carbonic Acid「カウントダウン」

carbonicacid_カウントダウン
Carbonic Acid「カウントダウン」 (2015)

ジャケを見れば何となく雰囲気ですぐ分かる、同人系のCDです。
私が同人系の音楽で興味あるのはUnlucky Morpheus=あんきも(つーか、ふっきー)周りと他の一部のサークルのみですが、コレは興味ある。ありまくる。
何故かというと、「周り」のバンドの一つでもあるし、なにより、

ふっきーが歌ってるから。

あんきものライブにおけるセカンド・ギタリストとしても活躍する仁耶(Jinya)による音楽制作プロジェクトが、このCarbonic Acidです(オフィシャルHPは→コチラ)。略称は“かにあし”ね。相も変わらぬ魚介系(笑)。この略称、ふっきーの思いつきらしいぞ。
この仁耶。仁耶名義で活動し始めたのは最近のことで、その前は「炭酸」という名前で活動していました。私が以前渋谷BOXXであんきもを観た時も炭酸君が弾いてたなぁ…。で、超遅ればせながらつい先日気づいたのは、carbonic acidって炭酸の直訳だよな、と(笑)

同人系の音楽サークル(「サークル」は「バンド」とか「プロジェクト」と同じようなもんです/適当)って、何でだか知りませんが、東方Projectと呼ばれる上海アリス幻樂団の制作物(ここでは楽曲)のカヴァーをやることが多いんですね。まぁ「カヴァー」と書きましたが、それぞれ独自の歌詞をつけたりしているので、「二次創作」「アレンジ」といった表現が妥当なのかもしれませんが。かくいうあんきももここ2作はオリジナル楽曲ですが、それ以前はずっと東方アレンジの作品を出していたサークルです。
東方Projectには相当数の楽曲があるようですが、まぁそれでも限りはあるわけで、この界隈(?)には同じメロディが溢れかえっておるような状況なわけです。多分。
つーか、東方Projectについては概略を説明したいだけですし、私自身あんまりよく分かってませんし、よく分かろうとすると危険な気もするので、汝ツッコむことなかれ、のスタンスでお願いします。


そこでこの「カウントダウン」の話に戻りますが、本作はインストを含む全8曲収録のアルバムであり、かつ“東方モノ”ではなく全て仁耶の書いたオリジナル楽曲を収めたCDになります。そしてヴォーカリストとしてフィーチャーされたのが、Unlucky Morpheusの天外冬黄。
で、またまた補足しておきますが、「天外冬黄」はFukiが同人系の活動をやる時の名義で、LIGHT BRINGERDOLL$BOXX、その他の活動をやる時は「Fuki」名義ですね。だから同一人物です。天外冬黄も、Fukiも、ふっきーも、ふきてんも、女神で姫で天使で妖精のFuki様も、ぜぇぇぇんぶおんなじです。私は「ふっきー」と呼びますけど。
って書きながらだんだん説明するのがめんどくさくなってきたよ(笑)

オリジナル楽曲をふっきーが歌ってるんだから、そりゃあ買うわけで。

因みに歌詞を書いているのはふっきーではありません。ここ、ポイント。(ふっきーと)同じあんきも絡みのかすみレンジ(Vo)も1曲担当してますね。因みにこの「かすみレンジ」って名義も……、って…あーもうめんどくさいからどうでもいいやww
気になったら各自調べてくだちゃい。

で、ようやっと音楽的な話になりますが、まぁやっているのは簡単に言えばメロディック・メタルですね。全てメロスピに近似とはいえ、その範囲内で曲調の幅広さや明暗の差を出している感じ。かつそれほどヘヴィさは無いですね。メロハーっぽさもあります。

イントロ的な①NGC1952から、暗めのメロスピ②Resolutionへ。ふっきーはストロング・タイプの歌唱法を以って、勇壮なメロディを歌い上げます。Gtプレイは流麗さ重視、ソロも短いながらスリリングでツインのハモりで締め。いきなりインパクトの大きい良曲です。

うって変わって、スピード感はそのままに哀メロのポップ・チューンの③カウントダウン④朝が来る前にへ。Keyの役割がグッと大きくなりキラキラ感とポップ感を演出、Gtは小気味良い刻みで跳ねるような演奏に。KeyとGtの表情や曲のタイプがちょっとTEARS OF TRAGEDYを思わせるところもあるかな。2ndSpring Memoryあたりの感じ。
ただ、ここで印象がガラッと変わったと感じるのは、曲調もありますが、主にふっきーのVoのせいですな。ラブリー「Tales of Almanac」の頃から正統進化させたような、明るい声を用いた歌唱。6人編成ラブリー歌唱ですね。メジャー以降のラブリーともドル箱とも違う感じなので、ちょっと(いや、かなり)新鮮かも。ともあれ、「ふっきー萌え萌え派」(?)は必聴級ですよコレ。言葉の選び方や歌詞の詰め込み方に若干違和感はあるけどのメロディは哀愁たっぷりだし、④朝が来る前にに至っては(本作の中で)今のふっきーの良いところを最も上手く引き出した曲じゃないかしら。青春胸キュニック・チューン(?)ですよこりゃ。これ聴くと、ふっきー成長したなぁと思いますね。以前だったらこの曲の最高音部で、無様に声がひっくり返ってたんじゃないかな。

スピーディなギター・インスト⑤Sagittariusを聴いても、仁耶のプレイのポイントは「軽さ」と「心地よさ」かな、と感じます。

アルバム後半、再び歌モノになり、本作で最も正調ネオクラの⑥Desireへ。ふっきーはと同じタイプの歌唱。Gtソロに入る前のインギー的様式に思わず笑っちまうほどの狙いっぷりですが、真っ当過ぎてこの曲が一番面白くないです。
⑦暁闇に翻れで再び青春胸キュニック・チューンに戻り、Voもそれに沿ったものになりますが、これも③④ほどの求心力は無いかな。あと、ちょっとDr(というか打ち込み)がウルサイですね。

ラストナンバーは曲目が公開された時から一部界隈で話題沸騰な(笑)、⑧私の犬になりな

「私の犬になりな」
「はい」

「私の犬になりな」
「はい」


「私の犬になりな」
「はいッ!」


私の犬になりな (はい)。もう「はい」までが曲名だと考えてもいいでしょう。
これまでの5曲もふっきーの魅力を引き出したものだったと思いますが、「ふっきーじゃなきゃ歌っちゃダメ」度ではこの曲を置いて他にはないでしょう。歌メロというより、曲名と歌詞的に。年間ベスト2015、【曲名部門】はいただいたな的な(そんな部門ない)。「~なりな」って口調がいいよなぁ…(笑)。この、突き放してるわけでも近づくのを許してるわけでもない、微妙で絶妙な距離感の取り方ねww
歌詞もまた良いんですよぉ。「口答えせず私の足を舐めな!」ですからねぇもう(笑)

曲はに近いストロング・タイプで、本作で最もエクストリーム寄りの楽曲ですが、Voはちょいとニュアンスが違う。歌詞に合わせたように、上から睥睨するような響きをもっているのが肝ですね。女王様ですよ、クイーン。ドS。イイィッ!!


こうやってザッと眺めてみると、サビはグッとくるもの(歌唱&メロディ)が多いですね。ラブリーの場合は、ヴァースもブリッジもどこもかしこもグッとくるんだけどさ。私としちゃあ。

ふっきーは全体的に凄みを感じさせるというよりは、余裕たっぷりの歌唱かな。そのことがかえって伸びやかさを感じさせるので良いと思います。先述したように、最近はあまり聴くことの出来なかった明るいポジティヴ・タイプの声を、グレードアップした今の彼女の歌唱で聴くことができる点が、とてもデカいと思いますね。
仁耶のGtプレイは小気味良さは抜群ながら、演奏を味わうというよりは、どちらかというと歌メロとヴォーカルを楽しむ作品ですね。器楽的な面白さを求めると、物足りない。この辺がバンド編成じゃない“一人プロジェクト”の限界なのかもしれませんし、反対に、メロディを聴かせることに力点を置いた仁耶の狙いなのかもしれません。

(ふっきーの良さを引き出したという点で)素晴らしい作品!

【お気に入り】
④朝が来る前に
⑧私の犬になりな はい。朝が来る前にあなたの犬になります。
③カウントダウン
②Resolution
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