奥泉光『黄色い水着の謎』

奥泉光_黄色い水着の謎
奥泉光『黄色い水着の謎 - 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活2』 (文春文庫)

奥泉光の、『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』に続く“クワコー・シリーズ”の続編を読みました。クワコー登場モノとしては3作目か。
ジャケが良いね。

夏。文芸部の女子学生を引き連れて海に合宿へ赴いた桑潟幸一准教授に怪事件が降りかかる。女子部員の水着が消失、羽衣伝説のある岩で発見されたのだ。日頃の行ないゆえ、容疑はクワコーに! 表題作と、答案用紙消失の謎をめぐる「期末テストの怪」を収録。笑いの地雷を敷きつめた傑作ユーモア・ミステリ。

傑作!
傑作!
傑作ゥ!


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
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『期末テストの怪』、『黄色い水着の謎』共に、ミステリ仕立ての謎が提示されるのは前作と同様。で、その謎の魅力に頼っていないどころか、それを霞ませるほどの地の文と会話が面白いのも同様。ただ、『黄色い~』の方の無駄なく伏線を張った複数の謎設定はなかなか秀逸でしたね。本書のように「水着を盗んだのは誰か?」なんていう、ある意味クダラナイ謎解きの行く末が気になって気になってしょうがないこともあれば、「犯人はどうやって○○を殺したのか?」って謎がどうでもよくなることもある。そして後者のように感じる機会はとみに多い。作者の筆力の差でしょうなぁ。

前書いたように、主人公クワコーのキャラ自体も秀逸なんですけど、それよりはむしろ彼の視点と語り口が最高なんだなと、今回遅ればせながら気づいた次第です。クワコー、かなり冷静に状況を見ているし、彼の周り(特に舞台であるたらちね国際大学)にはクワコーよりよっぽどヘンな人ばっかりいるんだもんなぁ。彼の目を通して描かれるエピソード一つ一つ、人物一人一人が愛おしい。

有栖川有栖の解説も良かったです。私も表題作のラストシーンにはジーンときましたよ。
クワコー最高。
奥泉光最高。

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