NIGHTWISH「ENDLESS FORMS MOST BEAUTIFUL」

nightwish_endlessformsmostbeautiful.jpg
NIGHTWISH「ENDLESS FORMS MOST BEAUTIFUL」 (2015)

Floor Jansen(Vo/REVAMP、ex:AFTER FOREVER)とTroy Donockley(イリアン・パイプス)が正式加入した新生NIGHTWISHによる第一弾アルバム。通算8thスタジオ作。トータル78分超の大作。いつも通り、ブックレットの作りが美しいです。
Jukka Nevalainen(Dr)が体調の問題で離脱、このアルバムで叩いているのはWINTERSUN等のテクニシャン、Kai Hahtoです。

前任者2名のVoを器用にこなす実力と、大柄な身体を活かしたアグレッシヴなステージングがウリなFloor姐さんの加入で、「肉食NIGHTWISH」と化したバンド(“肉食化”については→コチラの記事で)。待望の新譜でどう出て来るのか注目でしたが、まぁ結果としてはお変わりなく、いつものナイトウィッシュでしたね。
思い返してみれば、Tarja TurunenからAnette Olzonにチェンジした時の「DARK PASSION PLAY」(2007)も音楽性自体がそれほど変わったわけではないですしね。強いて言えば、シンフォニックの豪華さは増しましたが。
結局このバンドって、中心人物であるTuomas Holopainen(Key)のやりたいことを(バンドという形態で)具現化するものなわけで、それは本作でも同様。「DARK PASSION PLAY」「IMAGINAERUM」(2011)と同一路線です。集大成と言えばそうだし、焼き直しと言えばそうでもある(笑)。実際、過去曲を彷彿とさせるメロディやアレンジは頻出します。だが、それだけにクオリティの高さも堅持してますね。

良い意味でも悪い意味でもとれる、この変わり映えの無さ。私は割と好意的に捉えています。HR/HMバンドとしての攻撃性を保ったままシンフォ色を注入して、荘厳さ・壮大さを演出する手腕はやはり超一級。前作収録のStorytimeを想起させ、もはや彼らの黄金パターンとなった感もある曲調の①Shudder Before The Beautifulと、ヒロイックなメロディが突き抜ける⑦Endless Forms Most Beautifulはその最たる曲。サビメロが退屈だけど④Yours Is An Empty Hopeのメタリックさも非常に頼もしいです。

変わっていないと言っても、“普通”声とシンフォのミスマッチ感/ギャップ萌えが肝だったAnette時代とは歌い手のタイプが異なる為、そのへんの感触の違いはあります。ただ、Floor姐さん、あんまりオペラティックに歌い上げる場面は多くないですね。それよりは繊細でたおやかな歌唱の魅力が十二分に発揮されてる印象。特に、シングルになった③Elanの歌唱なんて絶品ですよ。
効果的ではあるけど一本調子に聞こえるMarco Hietala(Ba&Vo)の歌う場面が少ないのも、私にとっては大きなプラス・ポイント。

民族音楽風の旋律の導入は以前から為されていたことで、Troyが加入したからといってそれが大幅増量されているわけではないのですが、やはり所々でフックになっていますね。⑥My Walden⑨Alpenglow等。その程度のフィーチャー度合なら、別に正式メンバーじゃなくて(音源&ライブへの)ゲスト参加でもいいじゃないかって気もしますが、まぁバンドって音に現れる以外の部分でも色々あるでしょうし、Troyさんめっちゃイイ人っぽいからメンバー間の緩衝材やムード・メイカーになっているのかも、とか考えたりもします。

さて、本作の目玉商品とも言うべき、6分のインスト⑩The Eyes Of Sharbat Gula~24分の⑪The Greatest Show On Earthの流れですが、
うん、やっぱ長過ぎるよね(苦笑)。
それほど飽きないで聴けるんですが、は丸々要らないねぇ(笑)。にしても初めの6分弱はオケとクワイアが徐々に緊張感を高めるインスト・パートだし。ただし、ChapterⅡ(Life)でFloor姐さんのVoが入ってきてからの盛り上がりは実に素晴らしい。ラストの2セクション(The UnderstandingSea-Worn Driftwood)はまた語りだったり無音部だったりして、ちと萎えるんですけど…(苦笑)。


個人的最高作はDPPのままですが、本作はそれに次いで前作と同じくらい好き。NIGHTWISHらしい、素晴らしい作品だと思います。
しかしこのバンドって、致命的にGtソロが印象に残らないんだよなぁ…。

【お気に入り】
①Shudder Before The Beautiful
⑨Alpenglow
③Elan
⑦Endless Forms Most Beautiful
⑪The Greatest Show On Earth
スポンサーサイト

COMMENT 4

フレ  2015, 04. 20 [Mon] 20:55

んむんむ…

ごもっともで(笑)。
ボーカルの違いを楽しむってトコが大きいでしょうね。
でも、イマイチFloor姐さんの良さが出し切れてないのでは?などと思いつつYouTubeでライブ見てるとさすがだ、と唸らされます。Stargazerそのまま出来ちゃってるもん。

Edit | Reply | 

ヒゲ・スカイウォーカー  2015, 04. 21 [Tue] 20:42

フレさん、

Stargazersなんてライブでやってるわけなぃ……って、やってるぅーーーッ!!(笑)
ホントですね、こりゃ凄い!選曲自体もパフォーマンスも。

CDで聴く分には私Anette声が好きなんですけど、ライブでは断然Floorでしょうねぇ。「メタルバンドNIGHTWISH」としてはTarjaよりも適任でしょうし。

Edit | Reply | 

DD  2015, 04. 25 [Sat] 20:05

 このバンドはむしろkey.主体で、G.などは味付け程度と考えられてるためそういう印象が強いんじゃないでしょうか(Anette期を聴いてもそういう印象がありますし)。

 しかし、もう少しつめれたんじゃないですかね、78分はどう考えても、よほどいい曲を詰め込んでない限り無理な印象が。(最後の30分はきちんと考えないと、つまらない印象が)。

 Symphonyを極めたいならAnetteでも良かったんでしょうが、rockにベクトルを少しでも傾けたいなら、かつ歌唱力では今のがいいんでしょうね。(印象が割れてるので購入を考えてる自分がいるのもそのため)

Edit | Reply | 

ヒゲ・スカイウォーカー  2015, 04. 26 [Sun] 21:37

DDさん、

リフそのものというより、バンド演奏の中のGtリフは結構効果的に働いていると思うんですけどね。ソロはどうにもこうにも…。求め過ぎかもしれません(笑)

欧州のクラシック音楽に慣れた人は、これだけの尺でも集中して楽しめるのでしょうか。確かに長尺過ぎるきらいはありますよね。

今作でのFloorは、「そつなくパワフル」って印象です。ライブだとまた異なるでしょうけど。

Edit | Reply | 

TRACKBACK 1

この記事へのトラックバック
  •  Nightwish - Endless Forms Most Beautiful
  • Nightwish - Endless Forms Most Beautiful (2015)  今回は久々に新譜がリリースされるのを楽しみにしていた。最近新譜のリリースを楽しみに待つなんてのも久しくないし、そこまで熱入れて聞いてるバンドも少ないからこのワクワク感は嬉しかったな。ZeppelinだのWhoだのストーンズだの新作っても焼き直しばかりだし、あ、ストーンズは一応新作になる...
  • 2015.04.20 (Mon) 20:57 | ロック好きの行き着く先は…