BRUCE DICKINSON「TYRANNY OF SOULS」


BRUCE DICKINSON「TYRANNY OF SOULS」 (2005)

IRON MAIDENのヴォーカリスト、ソロ6作目。
前作「THE CHEMICAL WEDDING」(1998)からは実に7年ぶりのアルバムになりますが、その間にメイデンに復帰し、2枚の作品(「BRAVE NEW WORLD」「DANCE OF DEATH」)をリリースしています。
“メタル再生請負人”ことRoy Z(Gt&Ba)とのコラボは引き続きですが、本作の制作からAdrian Smith(Gt)は離脱しています。そのことによるマイナスの影響は無いと言ってよいでしょう。前作も今作も、肝はRoyですから。

7年も経っているのがにわかには信じられないほど、前作が湛えていた雰囲気や威厳を継承している作品です。ジャケに使われたハンス・メムリンクの絵や、ブックレットの作りもそういった印象を補完していて◎。ただあそこまでの重厚さはここには無く、より聴きやすいメロディック・メタル作品に仕上がっていますね。

妖しく蠢くイントロ①Mars Withinからツボを得まくったメタリックさが心地良い②Abductionへ、Bruceらしい歌い上げるサビメロが強力な③Soul Intrudersという冒頭のツカミの良さは前作以上だし、ライト兄弟が世界初の有人動力飛行を成し遂げた地名をモチーフにしたと思しき④Kill Devil Hillのロマンティックな旋律は素晴らしい。こういう重くゆったりしたテンポの、地味になりがちなタイプの曲が凄まじい煽情力を有しているのが本作の、そしてBruce&Royのソングライター・チームの凄いところ。
厳かで静謐な叙情が宿るバラード⑤Navigate The Seas Of The Sunまで、隙が無いじゃないの!

アルバム後半がやや地味になりはするものの、取っ付き易さとマニアックさのバランスが良好な、これも傑作ですね。
英国HR/HMのルーツを70年代HRやプログレへと遡って行き、そこから美味しいエキスを抽出して持ち帰ってきたような、そんな滋味溢れる楽曲群が私の嗜好にピッタリだし、Bruceを始めとしたプレイヤー達の懐深いパフォーマンスも素晴らしい。
ただ、アルバム一枚丸々として捉えると、ちょっと大人しい作風かもしれないな、とは思います。⑦Power Of The Sunのような強力無比なパワーメタルが終盤にも配置されていたら完璧でしたなぁ。ドラマティック極まりない⑩A Tyranny Of Soulsで本編(ボーナス・トラック除く)締めくくるのも悪くないですけどね。


Roy Zが関わったここ3枚のソロアルバムを私の好みの順に並べると、
ケミカル>>ティラニー>>>>>>>アクシデント
って感じ。
現時点では最後のスタジオ・ソロ作になりますが、またRoyとのコンビで作ってほしいね。

【お気に入り】
⑦Power Of The Sun
④Kill Devil Hill
②Abduction
③Soul Intruders
⑤Navigate The Seas Of The Sun
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