IN FLAMES「THE JESTER RACE」


IN FLAMES「THE JESTER RACE」 (1996)

スウェーデンのメロディック・デスメタル・バンド、2ndアルバム。
リリースされた時期や国によって、曲順やジャケが異なる作品ですね。私が持っているのは、発売当時の日本盤。Dead Eternityから始まるやつです。鳥の死骸ジャケもいい感じ。別のエディションだとメロウなMoonshieldからスタートするようですが、意外すぎて想像もできん。

佳曲を多く収めた充実作ですね。
…とは言いつつ、個人的には①Dead Eternity④Moonshield⑥December Flower⑦Artifacts Of The Black Rainという4曲のインパクトが凄まじく、同時にアルバム全体の評価を高めている、といった印象。より洗練されて明朗なメロディを持つ次作「WHORACLE」(1997)の方が好きですが、アンダーグラウンドな暗さを保ちつつ典型的なメロディック・デスメタル・スタイルを提示した本作もまた素晴らしいです。

前作「LUNAR STRAIN」(1994)リリース後、Anders Friden(Vo)とBjorn Gelotte(この時はDr)が加入しました。この2人は現行IFの中心人物でもありますし、少しの間ではありますがJesper StrombladとGlenn Ljungstromの2人のギタリストを擁するラインナップで安定することもあり、本作を1作目とカウントしてもあながち見当違いでもないような、そんな気もします。
音楽的にも、過剰な民族音楽要素や弦、女性Vo等の“装飾”に頼らない、バンド自体の実力を中心に据えたものにシフトしていますし。

スピード感でも歌メロでもなく(のサビメロはなかなか“歌ってる”感じだが)、リフのメロディとその繋げ方で聞かせる構成で、彼らのカタログの中ではもしかしたら最も硬派な作品かもしれません。また、前作の美点でもあったアコギの使い方の巧さは本作でも冴えています。初期IN FLAMESのワルツ野郎(?)たるイメージを決定づけた名曲で如実に現れているところですね。

当時、のイントロからの、
 You'll never be along again
 You'll never die again
 You'll never be born again
 You'll forever be, stuck here in eternity

って呟き?語り?に厨二心を刺激されたのを思い出します(笑)。この曲の衝撃度はなかなかのものがありましたが、曲展開はかなりヒネっているので、ストレートに疾るメロデスとしては⑧Dead God In Meの方がもしかしたら出来は良いかもしれません。

「疾走感」というHR/HMでは典型的な要素を武器としつつも、それだけに頼らない彼らなりの美意識を封じ込めたのが。考え抜かれた展開美と凛とした佇まいを感じさせる珠玉のGtソロを持つ前者、強力なリフとテーマ・メロが次々と流れるように溢れ出る様がキラーッ!な後者。共に名演でしょう。

【お気に入り】
⑦Artifacts Of The Black Rain
④Moonshield
⑥December Flower
①Dead Eternity

上記4曲をつまみ食いしがちなアルバムでもある。

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COMMENT 4

早過ぎた頂点  2016, 03. 10 [Thu] 20:43

この作品が出た頃が、自分の中でメロデス熱が最高に高まっていた時ですね。
Dead Eternityのイントロを聴けば、ちょうど同時期に生活の面でも変革をむかえたこともあり、明けても暮れてもこの種のバンドに耽溺していた往時の思い出がすぐに浮んできます。
しかし暴力的なリフの矛先をおさめた次作「Whoracle」は好きになれず、次の嗜好はブラックメタルに向かうことになりましたが、この2ndの存在によってn Flamesは現在にいたるまで私にとってメロデスの最重要バンドのひとつです。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2016, 03. 11 [Fri] 06:26

早過ぎた頂点さん、というかkazz_asaiさん、(笑)

私、リリース年的にこのアルバムは後追いだったんですよね。HR/HMを本格的に聴き始めたのって、1997年だったので。まだそれほど激しめのバンドには興味が追いついていない頃で、このアルバムも初めは数曲を除いて無骨過ぎると考えていました。今の方が、自分の中できちんと消化できている感はあります。

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DD  2016, 03. 14 [Mon] 16:43

 これはなかなか追いづらいですね、liveバージョン等聴いたりとかしてますが。

 彼らの場合、これやWHORACLEがピークだったのでしょうかね、その後もいい作品は作ってますが。(さすがに最新作は、あまりに大衆的過ぎて、今も聞けずじまい)

 なかなか時期的にdeath metalを聞き出したのが、個人的には21世紀入ってから、ですかね。(いろんなのを薄く広く聞きだしてた時期でもあるし)

 Dr.の後任もまだ見つかってないんですよね、いくら人脈があるとはいえ。(4,7でしょうか、お気に入りあげるとすると)

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ヒゲ・スカイウォーカー  2016, 03. 14 [Mon] 23:10

DDさん、

このバンドの場合は、どの時期から聴き始めたか、どのアルバムでインパクトを受けたかで、感想は相当異なってくるんだと思います。
私は、リリースと同時に買ったのが次作「WHORACLE」で、本作もほぼ同時期に聴いたので割と思い入れもある一枚ですね。2000年代に入ってからの作品の方が丁寧に聴いていないかもしれません。

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