今野敏『晩夏 東京湾臨海署安積班』

今野敏_晩夏
今野敏『晩夏 東京湾臨海署安積班』 (ハルキ文庫)

今野敏の警察小説、安積班シリーズの長編『晩夏 東京湾臨海署安積班』を読みました。

台風一過の東京湾で、漂流中のクルーザーから他殺体が発見された。遺体が発見された船室には鍵が掛っていて・・・・・・。東京湾臨海署・強行犯第一係の安積警部補らは、被害者の身元確認を始める。一方、第二係の相楽たちは、前日に開かれた新木場でのパーティーで発見された、変死体の事件を追っていた。どちらも捜査が滞る中、重要参考人として身柄を確保されたのは、安積の同期で新友の速水直樹警部補だった――。安積は速水の無罪を晴らすことができるのか!? 大ベストセラー安積班シリーズ、待望の文庫化。

様式美系警察小説。
安定の面白さと、事件のあっけなさ。


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
 ↓

前作、短編集『烈日 東京湾臨海署安積班』から女性刑事・水野が“チーム安積”に加わった後、コレが初の長編になりますが、彼女は特に活躍しません。もっと言うと、他のメンツもあんまり活躍しません。
本作の主役は、安積と速水ですね。そしてクソ生意気な本庁捜査一課の若手・矢口が、重要なサブキャラ。

帯タタキには「同期が殺人事件の容疑者に!?友の無罪を信じる安積は、己の信念を貫き通す!」、とか大仰な文句が謳ってありますが、そんなピリピリした雰囲気は皆無。殺人事件が起きてるのに、いつも通りの、穏やか~で楽観的な空気に包まれた安積班シリーズです。変わらない。
あまりの変わり映えの無さに、
「須田は、刑事としては明らかに太り過ぎだ。」
の(いつもの)くだりで吹き出しちゃいましたよ(笑)
いつもの、キタ━(゚∀゚)━!! って。
作者自身、以前の作品からコピペしてんじゃないのか、とww


相変わらず読みやすいですね。何度も同様の描写を繰り返すところは活字慣れしていない人にとっては親切な反面、冗長にすぎるきらいがあるものですが、抜群のリーダビリティがそれを意識させないのは不思議。所々に、警察組織についての知識や長所/短所の描写、ハッとさせられる物事の見方が散りばめられているからでしょうか。
変わらない面白さ。ホッとする安心感。


P.S.
このシリーズの常として、周りは安積を評価する発言をしますけど、実際は安積が同僚/部下/上司に恵まれてるだけな気もだんだんしてきましたね…(笑)
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