B'z「BREAK THROUGH」


B'z「BREAK THROUGH」 (1990)

「松本さんちのたっくん。今日誕生日なんですってよ?」
「あら奥さん、あの子ったら最近ずっとサングラスしてるから本人かどうか分からないのよねぇ」
「そうよね。影武者なんじゃないかしら?」←


1990年。
この年のB'zの働きっぷりは凄まじい。シングル5枚、アルバム2枚、ミニアルバム1枚、映像集1本という大量リリース。そして、そのどれもがクオリティ高く、実際1990年は“B'zブレイク”の年となったのでした。オメデタウ!
「ウチラ、そろそろ売れないとマズイんじゃね?」という危機感の中で制作されたという、この3rdスタジオ・アルバム。原子力的なマークを背景に「クール!」なんだか「ダセェ」んだかよく分からないジャケですね。「鉄の前掛け」ならぬ「鉄の胸掛け」をぶら下げる様、そしてこのポーズも稲葉様だからこそ許されます。

さて、本作のキャッチフレーズは、

感性が誘惑された。創造力が突き抜けた。

う、う~ん……、ノーコメントで…(苦笑)


基本となるダンサブル・ロック路線はそのまま、さらにアイデア豊富に雑多な要素を取り入れた意欲作と言えるでしょうか。その反面、焦点が絞れていなくてとっちらかってるとの印象を受けるかもしれません。私はその“若気の至り”的な部分も含めて本作を愛しておりますが。
松本孝弘のGtと同等かそれ以上に主張してくるシンセ・ワークが特徴で、それが都会的でバブリーでちょい切ない雰囲気を生み出しています。で、時折ロマンティック。


①LADY-GO-ROUND
アイデア豊富、というアルバムの作風を代表するようなシングル曲。なんせ歌詞に百人一首が登場するというぶっ飛びっぷり。そしてもう一つの特徴である「チャラい」歌詞をも体現。「女はめぐる」と最初は威勢の良かった主人公も、「すぐに見つけるよ」「また君にあいたい」「だれかいませんか」「やっぱり君がいい」とトーンダウン&路線変更。チャラいですね。軽いですね。身勝手ですね(笑)。曲はデジタル色の強い、得意のロック・ナンバー。

②B.U.M
初期B'zの音楽製作集団の名称をタイトルに掲げたラップ曲。意外にかっこ良く聴ける。途中我慢できなくなったように稲葉浩志(Vo)がメタル・シャウトをかます様が微笑ましい。

③BREAK THROUGH
前曲からの流れも良い、タイトル・トラック。それだけに、歌詞は妙に力が入ってる本作を象徴している感じでしょうか?曲調がちょっとTM NETWORKっぽいなぁと感じます。

④BOYS IN TOWN
さぁさぁ当アルバム最高のチャラ曲の登場ですよ。渋谷センター街にたむろするチンピラ君の「今は本気出してないだけ」マインド全開の歌詞が素晴らしくも青臭く、井の中の蛙度マックス&怖いもの無しですね。なんせ、「カッコよく戻ってやるよ 輝くボディのコンバーチブルで」ですから(笑)
正に「憂鬱な始発を待ってる」気怠い朝の空気を感じさせるイントロからして雰囲気作りが抜群に上手く、スピード感のある曲調がチャラい歌詞と相まって若さと未熟さと葛藤を感じさせてくれるところが◎。「公園通りで群れてひっかける刹那のハッピー」の語呂の良さと小気味良さは驚異的。詰め込み口調の「もっともっと気持ちいいことしたい」から(We Are Boys In Town)コーラスへの一瞬の流れが爽やかに曲を締めくくるところも好きですね。名曲。
ところで、「バスケットボールストリート」って名称、定着してるの?

⑤GUITARは泣いている
如何にウチのブログが妄想爆発であろうと、ステージ上のギタリスト(多分Vo兼務)が客席の女性に恋しちゃう内容のこの曲での稲葉御大を前にすれば赤子のようなもの。終始、主人公(=妄想ギタリスト)の一人称のようなこの曲、「こんなに見つめあってるのに」とか言っちゃうのはストーカー予備軍のようなある種のヤバさを感じさせますが、自分で自分のGtプレイを「泣いているよ」って言い放つのもどうなんだこれ?自信過剰なのか?それともこの部分の歌詞だけ第三者目線なの?
でもまぁ、実際泣いているよね(笑)ベッタベタ&クッサクサのバラードに仕上がっていますが、ベッタベタ&クッサクサのバラードが好きな私にとっては堪らんですわね。エンドGtソロの尺が長過ぎる?いやいや、もっと長くていいよ。この頃ならではのGtトーンも良い。

⑥Love & Chain
一番“大人”な曲。効果音的にあっちこっちから飛び込んでくるシンセのキメがGtリフと絡んでいて、効果的。
「女と男が出会った時、愛する役と愛される役は決まっている。それを忘れて過剰に愛を注いだり欲しがったりするとその関係は早く終わる事もある。愛するということは相手を信じる事であっても、相手の全てに寛容であるということではない。束縛された時に感じる愛もある。」
曲途中の台詞部分ですが、なんなんだこの達観したような言いぐさは?(笑) 稲葉様、当時、御年26歳か?

⑦となりでねむらせて
彼女への言い訳ソング。チャラいね。実にチャラい。ありがちで安っぽい言葉の羅列が、主人公である言い訳ヤローの性格を絶妙に映し出しているよう。特に「ウデ上げたね最高cooking ほら全部たいらげたよ」の白々しさは白眉。スピード感を伴った印象的なメロディラインを持っていますが、いざサビに来るとそれまでの昂揚感が若干薄れてしまうのが残念かな。

⑧HEY BROTHER
B'z三大怪曲のひとつ。日本語ラップ曲ですが、なんだこの不可思議なリズムの上に乗るノリきれてない喋り言葉のような詞は?かつ無意味に暴れ回るGtのチョーキング。そしてに勝るとも劣らないチャラさ。いや、あっちは青臭さも内包したチャラさだったが、こちらは単にチャラい。
「そうムキになって仕事!ばかりやってたらAh~そのうち具合悪くなるよHo~! 乗ってやんなきゃおまえのコルベット さあ二人でいい女でも探しにいこうぜpickin' up!」のくだりは日本ポップス史上に残るべき珍フレーズ。特に「乗ってやんなきゃおまえのコルベット」はその口調も含めて、ネ申フレーズ。

⑨今では… 今なら… 今も…
ロマンティックで穏やかなバラード系ナンバー。ここに来るまで散々チャラいチャラい言ってましたが、この曲は素直に泣けるね。歌詞のシチュエーション自体は、かつてのトレンディ・ドラマかジョン・ウー監督の映画を思わせるくらいベッタベタなワン・シーンですが、それも良し。めっちゃ切ないから。佳曲。
「B'z THE "Mixture"」(2000)でリレコされるヴァージョンが稲葉の色気増し増しで素晴らしいんですよね。

⑩SAVE ME!?
ジミヘンPurple HazeなHRチューンですが、この曲の価値は稲葉お得意の男の情けなさ爆発な歌詞、それと次曲への繋ぎ部分、この2点のみと言いきってしまいましょう(笑) 「僕のものになりなさい!」の「なりなさい」の部分ね。

⑪STARDUST TRAIN
初期の名曲。前曲からの落差を最大にさせるロマンティックな鍵盤フレーズから疾走、ヴァース~ブリッジ~サビへと流れるような絶品歌メロ。それを歌う稲葉の少し頼りなげなVoが曲の切なさを激増し、要所々々の合いの手コーラスがとどめを刺す。さ、最高だ…(惚)


上記「チャラい」は全て褒め言葉と捉えていただいて結構です。傑作。

【お気に入り】
⑪STARDUST TRAIN
④BOYS IN TOWN
⑨今では… 今なら… 今も…
⑤GUITARは泣いている

【怪しさ爆発】
⑧HEY BROTHER
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COMMENT 2

スパイシー  2014, 03. 30 [Sun] 13:26

お久しぶりです

お久しぶりです。
B'zネタということで、久々のコメント失礼します。

STARDUST TRAIN、最高ですよね。
初期楽曲では2ndのOh! Girlと並んで大好きな曲です。

BOYS IN TOWNの青臭さもたまらないものがありますよね。。

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ヒゲ・スカイウォーカー  2014, 03. 31 [Mon] 21:58

スパイシーさん、

忘れないでいただき、光栄です(笑)

2ndよりも遊び心に溢れていますよね。大好きなアルバムです。
STARDUST TRAINは昔から事あるごとに周りに向かって「イイ!イイ!」と言ってました。

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