DARK THE SUNS「In Darkness Comes Beauty」


DARK THE SUNS「In Darkness Comes Beauty」 (2007)

似たような名前のバンドが多いですが、これはフィンランドのゴシックメタル・バンド。
デビュー作です。

「ゴシック」と一口に言っても色々ありますけど、例えばTheatre of Tragedyのようなズブズブと沈み込んでゆくようなタイプではありません。ノリノリ系ですね。ただしテンポは「ノリノリ」なんですけど、気分が浮き立つような陽気な音でもありません。めっちゃ耽美だから。
そのメロディに美旋律愛好家はきっとニヤニヤできるはず。

終始鳴らされるピアノが最大の特徴です。もはやリード・ピアノと言ってもよいほど。しかもクサ・ピアノでもある(笑)。
ギターも結構ザクザク刻んでいるんですけど、ピアノの威力が強いので寄り切られちゃいますね。このバンドの場合、別にそれでいいんですけど。またリズム隊に関しても、派手じゃないですがヘンに目立つことのない的確な演奏をしていて、好印象です。
Gt&VoのMikko Ojalaは、囁き声と聴き易いデスVoを使い分けます。演奏にしろヴォーカル・パートにしろ、とても聴き易いバンド。10曲40分と、コンパクトにまとまった楽曲とアルバム構成もしかり。

もう管理人の好みド真ん中の音ですわ。
ただし…、
このピアノと美旋律のインパクトは非ッ常ォオに大きいんですけど、曲のタイプやテンポがどれも似ているので、ぼんやりと聴いてると右から左へスルーッと抜けていってしまう時もあり、それが難点かなーとも。

【お気に入り】
⑨Like Angels And Demons
②The Sleeping Beauty
①Reflections
④Alone
⑦Drama For Gods


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今野敏『欠落』

今野敏_欠落
今野敏『欠落』 (講談社文庫)

今野敏の警察小説、同期シリーズの2作目『欠落』を読みました。
1作目『同期』の感想(→コチラ)で、「2作目『シフト』が連載中」と書きましたけど、それが『欠落』に改題されました。

特殊犯捜査係に異動してきた同期の大石陽子は立てこもり事件の身代わり人質となってしまう。直後に発生した死体遺棄事件を捜査しながらも刑事・宇田川は彼女の安否が気にかかる。難航する二つの事件の捜査。幾つもの“壁”に抗いながら、宇田川は真相にたどりつけるのか!? 『同期』待望の続編。長編警察小説。

う~~む、他のシリーズと比べるとどうにもハマらん。


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
 ↓



ROUAGE「Lab」


ROUAGE「Lab」 (2000)

ROUAGEのメジャー5枚目のスタジオ・アルバムにして、事実上のラスト作。
この後にベスト盤やライブ盤のリリースはありますけどね。

色々と変化を感じるアルバムです。
ゆったり重めの曲で幕が上がり2曲目のスピード・チューンで弾ける、というのがROUAGEの今までの王道パターンでしたけど、ここでは①自称、イラナイコドモから飛ばす飛ばす。KAZUSHIのヴォーカルじゃなかったら、まるで別のバンドのように聞こえるんじゃないですかね。その彼にしても今までの歌い方とは異なり、なんつーか元気があるというかハイパーというか、あんまり“らしく”ない歌唱です。
ヴィジュアル系らしいちょっと俯き気味な耽美性からは距離を置き、生々しさや荒々しさが強く印象に残る音。特にVoとGtプレイに顕著ですね。

元々激しさも持ち合わせているバンドでしたけど、今までは「作られた暴虐」という感じで、計算や整合感があったと思うんですよね。しかしここでは、感情の赴くままに叩きつけたようなヤケクソ感や、放りっぱなしのようなラフさが目立ちます。また、アコギの響きを活かした曲も多く、オーガニックと表現できるかもしれません。でもシンプルな音とは言い切れないのが、このバンドらしいところかな、と。あちらこちらに拘りが覗いてますから。
どうでもいいですけど、「。」(句点)で終わる曲名が3つもありますね。

彼らの持つ激しさより暗いメロディに魅かれていた自分にとっては、インディーズ時代の「ROUAGE」(1994)を別にすれば、本作の評価は他のアルバムより一段落ちるというのが正直なところです。管理人の好むROUAGEとは別のROUAGEであるというかね。ちょっと異質。
ですから、お気に入りの曲は自然と、歌メロ染み入り系(?)の④つきのながめかた⑧瞳をあけてみるゆめ⑨胸に降る雨、胸に咲く花。というシングル曲になります。中でもの叙情は、その歌詞も相まって胸を打ちます。クサ過ぎない、淡々とした諦念を感じさせるところがバンドの終幕と重なり、余計にね…。


歪さやまとまりの無さを感じるアルバム。
このアルバムに伴うツアーの東京ベイNKホール公演を最後にRIKA(Gt)が脱退、翌2001年にバンドは活動停止になります。

【お気に入り】
⑨胸に降る雨、胸に咲く花。
⑧瞳をあけてみるゆめ
④つきのながめかた
③クロール/バタフライ


ROUAGE「SOUP」


ROUAGE「SOUP」 (1998)

メジャー4thアルバム。
買った当時繰り返し聴いた思い出深い一枚だし、バンドとしても日本武道館でライブをやるまで大きくなったという絶頂期の作品。ブックレットの紙質が良いのとメンバーのアー写がかっちょええのもポイントでっせ。

歌メロが素直というか、ストレートなものが増えているような気がします。特に④angel-fishの涙⑤深空のシングル曲、⑨Home sick⑩ゆめはまたゆめあたりの穏やかなタイプに顕著でしょうか。反面、アレンジや効果音の入れ方は凝ってるので、その合わせ技で中毒性が高いし、飽きません。前作「CHILDREN」(1997)でも触れたデジタル・サウンドの導入がさらに押し進められていますが、これも実に自然で違和感のない形。巧いですね。

普遍性とマニアックさの両立。
スケールが大きくなり、余裕を感じる音。
バンドの纏う空気というか、“格”がここで一段上がったような気がします。成熟しましたねぇ。
メジャー・デビューから間を空けずに4枚の作品を作ってきただけあって、急激な変化というのはありませんし、アルバム構成に似ている部分もある。ゆえに安心して聴いていられるのかも。②endless loopという、白い闇ever [blue]に連なる系譜の究極形態とも言えそうな楽曲が、ここで生まれたこともその成果の一つだと感じます。


このアルバムに伴うライブ、そしてベスト盤&ライブ盤のリリースがこの翌年の1999年。弛まず進めてきた歩みがそこで一区切りした感もあります。
そして2000年、最後のスタジオ作である「Lab」へと続く…。。。

【お気に入り】
②endless loop
⑥black box
⑧プロトタイプな凍えた雨と、痂だらけの羊達
⑨Home sick


AYA KAMIKI BIRTHDAY LIVE 2017 『 – 宴 – 』 下北沢GARDEN (2017/9/15)

 sonicloverreckless_profile2017.jpg

上木彩矢のワンマン・ライブに行ってきました。
昨年のバースデー・ライブ『RESURRECTION』から一年ぶりです。場所も同じ、下北沢GARDEN。前回のレポは→コチラ。
因みに今年は雨じゃない。

メジャー・デビュー10周年、生誕祭、ソロとしての“復活”公演、ファン投票によるセットリスト、豪華なゲスト陣の出演等々、スペシャル尽くしだった昨年とは異なり、今回はふつーのワンマン・ライブ。
…でもないか。
普通ではないな。

先日記事にしたように(→コチラ)、21gLOVEBITES(正式加入)のギタリスト・mi-yaとのユニット、SONIC LOVER RECKLESS(ソニラバと略すらしい)の初ライブが前座のような形でありますし、1年に1回のライブを「普通」と言ってしまうのもアレだし、そもそも今回も参加ミュージシャンが「普通」ではない。
上木バンドは、
 上木彩矢 (Vo)
 Leda (Gt)
 中村泰造 (Ba)
 かどしゅんたろう (Dr)
 滝本成吾 (Key)


ソニラバは、
 上木彩矢 (Vo)
 mi-ya (Gt)
 NATCHIN (Ba)
 かどしゅんたろう (Dr)


う~~ん、やっぱり普通じゃない(笑)。とんでもないメンツですわ。
Leda/中村/滝本は引き続き、Drは前田遊野からかどしゅんたろうにチェンジしています。でも同じくベビメタ神バンド繋がりだという。ソニラバのサウンド・プロデューサーということや、mi-yaの同僚(上司?w)ということもありますけど、SIAM SHADEのベーシストがいるってのも凄い。

定刻ちょい過ぎ、この日からデジタル配信となるソニラバのシングルのリード・トラック、PHOENIXのフルMV(→コチラ)がスクリーンに流された後に、開演。


SONIC LOVER RECKLESS
上木本人も言ってましたが、自分で自分のオープニング・アクトをやるスタイル。
2人はアー写と同様の、キャットスーツ的であり、潜入捜査官的でもあり、「おのれキャッツゥ!」的なムードもある(つまり盗人っぽい/笑)、光沢ラバーっぽい黒衣装です。上木の髪の盛り盛りは無し。ふつーのストレート下ろしでしたぁん。

持ち時間は30分。mi-yaとの馴れ初め話(=ユニット結成までの話)や、NATCHINとのシャム話で尺を取ったせいか、時間内には収まってませんでしたけど。
mi-yaを評した上木の冗談交じりの「ふてぶてしい表情でギターを弾いてて(笑)」という言葉が、彼女のプレイ・スタイルを表していたんですけど、こりゃカッコイイですね。生で演奏しているところをたぶん初めて観ますけど、ギターの構え方といい、ネックの立て方といい、顔や身体の動きといい、クール極まりない。ミュージシャンの皆さん、ステージ・アクションにおけるヘア・スタイルの役割、とても大切よ。

mi-yaのこのかっこよさね、上木と同じベクトルなんですわ。ヘンにカッコつけてるんじゃないんだけど、いちいち様になるっていう。だから2人が並ぶと映える。上木と対等に張り合えるとはまだまだ言えませんが、ここまで伍することのできるステージングをしてくれるとは驚きでした。
とりわけ華があるってわけじゃないんですよね。でも耳目を引く。放つ力が強いんじゃなくて、引き寄せる力、磁力が強いというか。上木とmi-ya、かっこよさの方向性が同じでも、エネルギーの向きは逆というかね。図らずも、ソニラバ2人の構図が「太陽と月」のようにも思えてきて、こりゃなかなか面白いコンビじゃないの!?と嬉しくなりました。めっちゃステージ映えする。
緊張のせいか喋りはたどたどしい感じでしたし、上木からはオフ・ステ-ジだと「タンポポのようにフワフワ」とか言われてましたが(笑)。んなことよりもですね、mi-yaの存在によって、上木のお姉さん的包容力がググッと前面に出てきたことは正に僥倖(笑)

プレイに関しては、もう少しメリハリがついてくると良いかなぁ。決してヘタな人ではないし、むしろかなり巧いんですけど、フレーズが垂れ流し気味・鳴りっぱなし気味に感じたところもあるので。ソニラバのステージだけを観ている分にはそれほど気にならなかったんですけど、次に登場したLedaのGtを聴いたらやっぱり聴き劣りしちゃう面はあったので。

シングルに収録の3曲(といっても“盤”はまだ出ていないが)は全てプレイしましたけど、楽曲はカラッとした重めのロックに、メタリックなGtワークをぶっ込んだ感じ。「ロックンロール」というキーワードも本人達の口から出てきてますが、それほど「ロール」はしてないかな。あんまり隙間のある音ではないのでね。やはり音の詰め込み具合は、モダンなHR/HMを好みそうなmi-yaたるところでしょうか。サビメロのバックは隙間を作っていますが、バッキングはチョーキングしたりピッキング・ハーモニクスやタッピング入れたりと、かなり忙しめです。それがソニラバの聴きどころにもなっている。
そんな中、「ぱちんこ必殺仕事人V」曲、江戸まぼろしの叙情は際立っていましたね。1曲だけタイプが異なるから。
ソニラバの持ち曲の中ではTRAGIC SKYが一番好みだったかな。メロが一番ひねくれてるから。これからどういうタイプの楽曲が増えてゆくか、楽しみです。

<セットリスト>
1.PHOENIX
2.江戸まぼろし (ぱちんこ必殺仕事人V)
3.TRAGIC SKY
4.Rock N' Roll Revolution



上木彩矢
ソロ・ステージも「普通」じゃありませんでした。
ソニラバの前座ステージもありますし、平日開催の短い時間ということもある。そんな中でできるだけ多くの曲を演奏しようという意図を強く感じました。MCタイムはあまりなく、あってもダラダラと喋ることもなく、次々と曲を畳み掛ける。そんなスピード感のあるライブ進行だとしても、ピリピリしたムードではなく居心地の良い我が家のような雰囲気に包まれるのは、上木の人柄やヘンに飾ることのないソロのステージだからでしょうか。

で、「普通」じゃないのはセットリスト。シングル表題曲とライブ定番曲をほぼ排除したセトリは、めちゃくちゃ潔いものでした。さすがに終盤には“いつもの”曲を固めてましたけどね。全体としてはavex時代の曲が多かったかな。あまりに馴染みの薄い曲が続くもんだから、「なんか聴いたことあるぞコレ」だったり、「こんな曲あったっけか?」みたいに訝しがりながら聴いていたり…(苦笑)
前回がファン投票によるセトリ構成でしたから、それに対する「反動」もあるでしょうし、そこで演奏することの叶わなかったレパートリーを掬い上げることによって、ファンに色んな曲を聴いてもらおうという思いもあったでしょう。

年1回のライブであるにも関わらず、いわゆるグレイテスト・ヒッツ的/ベスト的なものからは程遠いセトリでした。けれど、前回レポで書いた、セトリから漏れて残念(でもしょうがない)と思った楽曲(CRAZYtearBelieve in YOUCan't stop fallin' in LOVE世界中の誰もがAria)のうち、3曲を聴くことができたので、あたしゃあ思い残すことなく成仏できるってもんですよ(できない)。特に「ライブで初めてやるのかな」と言っていた、avex時代最強楽曲Ariaには泣いた。

でも選曲はどうあれ、彼女のライブを観ることができた、それだけで幸せだなーと感じたんですよね。曲が好きだから→ライブに足を運ぶ、というスタンスの管理人なので、あんまりこんな風に思うことはないんですどね。それだけ特別な人だな、彼女は。歌い手としても表現者としても。まぁ舞台まで観に行ってるわけじゃないので、偉そうなことは言えませんが。
現状ソロでは新曲を出していないだけに、生存確認じゃないですけど、アーティストとファンがお互いの存在と繋がりを確かめる機会があるというのは貴重です。そして前回の記事でも書いたように、UROBOROS、それと今ではソニラバという、現在進行形の活動の軸があるからこそ、こういった場をより喜ぶことができるんですよね。

ステージの上の彼女を観ることができる、それだけで満足できちゃうってのは、逆にそう思えるだけのライブを提供してくれているからでもあります。上木本人もバンドも両方が。
バンドは鉄壁ですね。かどしゅんがスゲー良いです。前田遊野より生々しくワイルドかな。でも無駄にうるさくない。また、去年はあまりよく聞き取れなかった滝本のKeyが、今回はバンド・サウンド全体をしっかりまとめていたのも良かったですね。オルガン最高。

そして、自分にとって理想のフロントマンである、上木彩矢。
歌も所作も喋りもなんもかも、好みですわ。メジャー・デビューした時から大好きでしたけど、自分の中でここまで思いが強くなったのは、UROBOROSが始動してからなんですけどね。だからほんと最近。彼女の実力が活きる音楽環境をようやく手に入れられたんじゃないかなと感じたのが、あの時だったから。それまでは「好き」という思いとともに、もどかしさも抱えていたんですよね。
だからこそ、はよウロボロの次の動きをおしえてくれぼろすw

ソニラバのところでも書きましたし、これまでの記事の中でも何度も言及してきたように思いますけど、上木の自然なロック・ディーヴァっぷりは正に天賦の才。
「曲のここでこういうアクションをやることに決まってますから」というわざとらしさは皆無です。曲のキメどころと本人の動きや表情が美しく、そしてカッチョ良く調和している。にも関わらず、これ以上なく自然体だっていうね。彼女がロックを選んだんではなく、彼女がロックに選ばれたとさえ思っちまうよ。
魅せ方の部分で元々秀でたものがある人でしたけど、舞台での経験がそれを後押ししてるんじゃないかとも感じます。

アンコールでは、曲をやる前にまず、誕生日にまつわるエピソードを各メンバーから順番に訊き出す上木ねーさんです。こういう、「上木彩矢とバックバンドの諸君」という構図を超えたチームっぽさ、すき。
最後に順番が回ってきたLedaが、「僕は特にエピソードとか無いですね」「こういうサポートの仕事とかやってると、サプライズを仕掛ける側になることが多いので」「こないだもたっきー(滝本)と一緒の現場で…」とか言いつつ、滝本がピアノでハッピー・バースデーのメロを弾き出す。これ、サプライズね。ケーキと、いつの間にかステ-ジに登場したmi-yaが花束をプレゼント。
そこからのラスト、世界中の誰もがもう君だけを離したりはしないに涙が止まらんよ。


32歳。
この日の上木を見て、いい年の重ね方をしているな、と思いました。彼女自身もMCで、年を重ねることについて言及していましたけど。
慈しみが滲み出てる。今がこれまでで一番良い歌を歌えてるんじゃないのかしら。
で、これからも「もっと、もっと」と期待してしまいます。

<セットリスト>
01.Are you happy now?
02.Revolver
03.TO-THE-ATTACK
04.just go my way
05.Aria
06.Just take my heart
07.It's a beautiful day
08.one week
09.EMPTY
10.crossover
11.I wish in your dreams
12.Truth needs no colors
13.CRAZY
14.ピエロ
15.Secret Code
16.明日のために
17.Bounce, Bounce, Bounce

ENCORE
18.世界中の誰もが
19.もう君だけを離したりはしない