RAGE「SEASONS OF THE BLACK」


RAGE「SEASONS OF THE BLACK」 (2017)

何をどう数えたらそうなるのかサッパリ分からないが、前々作「21」(2012)が21作目らしいので、23作目になるであろうドイツのベテランHR/HMバンド、RAGEのニュー・アルバム。
…という言い回しを、今後も彼らの新譜が出る度に使い続けていく所存です。新トリオ編成になってからは2作目ですね。

全曲、Peavy Wagner(Vo&Ba)とMarcos Rodriguez(Gt)の共作(歌詞はPeavy)、ミックスとマスタリングがDan Swanoという、前作「THE DEVIL STRIKES AGAIN」(2016)と同じ布陣で制作されています。

おおッ!
前作の不満点(の一つ)だった、ギター・プレイの粗さや構築美の欠如が改善されてるやんけ! しかも大幅に!
メロディのキャッチーさは堅持してるしィ!
むをおおおお!むをおおおお!

鋭いリフが炸裂する①Season Of The Blackからして、前作とは別のギタリストが弾いてるみたいです(笑)。歴代の名ギタリストであるManni SchmidtとVictor Smolski様のプレイから、「トリオ・バンドのギターかくあるべし!」という何かコツみたいなものを会得したのか、キレの良さとメロディの組み立てが段違いに良くなってます。Marcos頑張ったなぁ。この曲の間奏のスリリングさは悶絶モノですよ。歌メロは正にPeavy節全開って感じのものだから満足度は高いですし。

Peavyって、イントロ/ヴァース/ブリッジ/サビと、メロディの明度を的確にコントロールして、聴き手の印象に残る曲展開を構築するのがめちゃくちゃ上手いんですよね。それは②Serpents In Disguiseも、④Time Will Tellでもそう。あとは楽器隊がどれだけ熱量や感情を込めることができるか。曲作りと演奏の両輪が、前作以上に噛み合っているのを感じます。

4部構成・組曲形式の「The Tragedy Of Man」(⑧Gaia⑨Justify⑩Bloodshed In Paradise⑪Farewell)でアルバムを締めくくるところまで、一気に聴かせる勢いとベテランらしいツボを押さえたアレンジが光ります。要所々々でのGtのハモりもガッツポーズもの。


外向きのエネルギーに満ちた力作に仕上がりました。バンドはとても良い状態にあるように思えますね。Victor様の不在が寂しくないかというとそんなことはありませんが、“あの時”とは別バンドとして魅力的です。Peavyのメロディ・メイカーとしての才能がいささかも霞んではいないことが分かりましたし。

【お気に入り】
①Season Of The Black
②Serpents In Disguise
④Time Will Tell
⑥Walk Among The Dead
それと、組曲「The Tragedy Of Man」


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『 Chewing High!! Friends Party Vol.6 』 渋谷RUIDO K2 (2018/2/17)



Chewing High!!(ちゅーはい)の主催イベントに行ってきました。渋谷RUIDO K2。
同日、同じ渋谷が魔界都市化する(TEARS OF TRAGEDYMardelasSilex)という“被り”だったんですけども、オイラはこちらへ。全部、女性Voによるバンド/ユニットですね。
因みにこのイベントの「Vol.4」も同じハコで開催して、KAMEN RIDER GIRLSGlowlampが一緒だったんですよね。俺得ラインナップ。その時のレポは→コチラ。

しかしとてつもなく寒い。にも関わらず、入場がめちゃくちゃ遅い。時間ギリギリに並んだわけでもないのに列がなっかなか進まず、開演に間に合わねぇ!始まっちまう!って焦りました。結局、イベントが始まったのは定刻を過ぎてましたね。
各バンド30~35分くらいの持ち時間だったのかな。開始は遅れたものの、転換がスムーズだったのは御の字。


KAMEN RIDER GIRLS(仮面ライダーGIRLS)
先鋒。
3rdアルバム「invincible」が昨年8月に発売されて以降、なんとライブを観ていない。どういうことだ。
メンバーの「課外活動」が多かったことと、年末にかけて管理人が忙しくしてたからですな。

1曲目は小室哲哉&浅倉大介によるユニット=PANDORAproud of you。ロック色強めな従来のKRGS曲とは毛色が異なるこの曲でのオープニングはかなり新鮮ですね。重厚&シリアス。そしてダンスはバレエの舞のような動きを取り入れて優雅さを強調したもので、黒ベースの新衣装のカッチョ良さとも相性ばっちり。つーか、今回のこの衣装(も)めっちゃ好きィィィイイイ!! むをおおおお!むをおおおお!刺繍がぁぁああ!! ←
続けてKRGS王道タイプのReason for(初見曲)をやられちゃうもんだから、もう鳥肌立たせつつ集中力を研ぎ澄ませて見てました。

3曲目でちゅーはい(平仮名表記)の名倉かおり(Vo)が登場、5人体制で昨年と同じJust the Beginningをパフォーマンス。元メンバーの縁を利用した、見事な職権乱用である(笑)。前回はちゅーはいのステージにKRGSが参加してのバンド演奏によるJtBでしたが、今回は逆で、GIRLSステージに名倉が参加する形でした。センター=名倉でダンス有り。メンバーはニコニコ楽しそうだし、ファンとしても貴重なものを観れるし、JtBはいつでも熱量アップな曲だしということで、そりゃあ盛り上がりますとも。GIRLSのこの雰囲気、好きだなー。
名倉さん、古巣メンバーに向かって「ちょっとキラキラしすぎィ!w」とか仰ってましたが、大丈夫ねーさんもキラッキラでしたぜ。今もしっかりとアイドルしてます。

ねーさんは1曲で退場、タオル回し曲のLet's Try Togetherで一体感を練り上げつつ、最後はやっぱりE-X-Aでしょ?と、ある意味油断してたら、これまた初めて観る“アルバム曲”のYO-SO-LO!がきてビビりました。そしてそのライブ映えの凄まじさに二度ビビった。
歌詞にちなんだ帆船や航海をイメージさせる振り付けとフォーメーションを盛り込み、メンバーのラップを大フィーチャーしたこの曲がもたらす昂奮とクライマックス感、終わった後のやりきった感は、遂にあのE-X-A (Exciting × Attitude)に代わる代表曲キタか…!?というくらいの衝撃でした。
メンバーは歌って踊ってラップするのが大変そうな曲だけど。つーかこの日のステージ、やたらカロリー消費の高そうな激しめの選曲ばかりでしたね。最高。

5曲中、ここで初めて聴く曲が3つ。そしてここでしか観ることのできない名倉とのJtB。なんて俺得なステージなんだ(笑)。カッコイイ面を押し出して → スペシャル・コラボやって → 元気よく弾けて締めるという、短い持ち時間の中での構成も完璧でした。
久しぶりのライブ観戦となったわけですけど、なんなんでしょうこの充実感は。
もっと足繁く観なきゃいかん。
<セットリスト>
1.proud of you
2.Reason for
3.Just the Beginning (with 名倉かおり)
4.Let's Try Together
5.YO-SO-LO!


色彩69☆
次鋒。
Baの人がすっげー楽しそうに弾いてる(笑)。キャッチーなポップ・ロックをやっていて、フロアはオイ!オイ!って盛り上がってます。楽器隊のアンサンブルがもっと多彩になると、また、オイ!オイ!以外のノリ方ができる曲調の幅が出てくるともっと良くなると思いますね。あと、Baの人がすっげー楽しそうに弾いてました。


27〈HATANANA〉
中堅。
VoのEMIがインフルエンザでお休みだという。ということで、2曲はヴォーカル同期音源再生による逆カラオケ(?)、あと3曲は1曲ずつ異なるヴォーカリストを迎えてのスペシャル・ステージでした。ゲストVoは、No.528/元JOVOのMID、この後に出演するGlowlampのrie、解散したmimic.のちさの。
リズム隊は押し引きを心得た演奏が気持ちいいし、エキサイトすると眼鏡がいつの間にか外れてる(外してる?)ギタリスト氏は小気味良いプレイだしということで、ベテランらしい充実の演奏。そこに敬意いっぱい、そしてそれぞれの“らしさ”を十分発揮する共演者の歌が乗ることで、「Friends Party」の名にふさわしい温かいステージになりました。まるで自分の持ち曲のように歌いこなすrie、全身で喜びを表現するMIDの明朗快活っぷりが素晴らしかったな。


Glowlamp
副将。
ゆたかん、弾きまくりじゃないですか。こんなに奔放に弾き倒す人だったっけかな?と、良い意味で面食らいました。

いつもとはちょっと異なるヒネッた選曲も美味しかったし、サポートの金井伸幸(Ba)とmirai(Dr)の相性も抜群でした。rieのシック&キュートな黒の衣装も瞳ウルウル系な感情のこもった歌唱も素晴らしかった。でも石井裕(Gt)のプレイにいつも以上にグッとキたライブでした。ことさら尺を長めに弾いているわけじゃないんだけど、ツボを突きまくる(突かれまくる)瞬間が多々ありました。バラードの冷えた手とミルクティーもエンドGtソロが松本孝弘ってたしなぁ。元々めちゃくちゃテクニックのある人だし、トーンは絶品でタッチのニュアンスが聞き取りやすいから、激しめに弾いてもらった方がうぉぉおお!ってなるのよね。終演後、御本人は「今日は粗かったかな?」みたいに仰ってましたが、これ!これ!こういうの望んでいたのよ!って内心ガッツポーズとりながら観てましたわ。軽やかなステップでカッティングしたり、金井と絡んだりと、動きもアクティヴでしたん。

アンサンブルの妙が目にも耳にも面白いImperfect Circle、印象的なリフレインが幸福感いっぱいに包み込むグレーな僕とカラフルな世界と、新譜「BRAND NEW WORLD」の曲もしっかり馴染んでました。
<セットリスト>
1.夢のない現実と現実みたいな夢
2.Imperfect Circle
3.冷えた手とミルクティー
4.いたいけなDIVA
5.人生=ルーレット
6.グレーな僕とカラフルな世界



Chewing High!!
大将。
名倉かおり(Vo)、綾野光紘(Gt)、坂野央征(Dr)の3人体制になってから観るのは初めて。ただこの日は、元メンバー?準メンバー?の長野典二(Ba)がサポートでしたから、今までとの違いは意識しなかったです。
ワンマンみたいに持ち時間がふんだんにあるわけじゃないので、MCも短めにサクサクとテンポ良く進める感じ。

名倉ねーさん、なんて魅力的なフロントマンなんでしょうか。
分かっちゃいるけど、何度も再確認しちまうよ。
イベントの趣旨を説明するMCで延べていたことですけど、共演者だけでなくファンやスタッフも含めて「Friends Party」というイベントに関わってくれた人全員が“Friends”であると。そんな、ファンに対して上からでも下からでもない、同じ目線から届ける歌声と表現なのに、強烈に魅かれるんですよね。カリズマティックな引力があるわけでも、どこか支えてあげたくなるような弱みを見せているわけでもない。憧れと親しみが同居しているフロントマンというかね。で、それを支えているのが、優れた歌唱力と表現力、そして飾らない彼女の人柄なんだろーなと思うわけですよ。
別にステージを観てすげー!って思わせてくれれば、演者の人柄や性格なんて(ほぼ)どうでもいいんですけど、彼女の場合はそれが強みとしてステージでそのまんま発露してると感じるのでね。

歌唱の正確さよりもフロアにいるファンと一瞬の喜びを分かち合うことを優先する、そんなステージングをするねーさんですが、この日はテクニカルな面でも素晴らしかったと思います。ギャンギャン/ブリブリ/ガッツンガッツンくるのにうるさくない、ギュッとまとまった演奏はちゅーはいの持ち味ですけど、それと歌唱が噛み合ってそれはもうパワフルで。そして、温かい音と空気。
気持ち良く聴くことができてノレるロック。
いやーえがったえがった。

今年は結成5周年イヤーということで、4月から5ヶ月連続の「Friends Party」開催と、9月16日にはワンマン公演が決定していることが発表されました。
<セットリスト>
1.果てなき旅
2.ミライ
3.流れ星
4.RESET
5.Bring it on!!

ENCORE
6.STAGE


イベント全体を通してとても楽しかったです。
外、寒かったけどw


エリックガルシア_カサンドラの紳士養成講座
エリック・ガルシア『カサンドラの紳士養成講座』 (土屋晃 訳、ヴィレッジブックス)

恐竜ハードボイルド・シリーズで(俺の中で)名高い、エリック・ガルシアの『カサンドラの紳士養成講座』を読みました。
寡作なのか邦訳されていないのか分かりませんが、作品数が少ないのよねガルシアさん。1作1作がほんと貴重。

カサンドラ・フレンチ、29歳独身。ハリウッドの映画スタジオの弁護士として働く彼女には誰にも知られてはならない秘密がある。自宅の地下室に3人の男子を監禁し、彼らを完璧な紳士に仕立てる“学校”をつくっているのだ。“学校”でのしつけを日々順調に進める一方、カサンドラはふとしたことから超有名俳優ジェイソンと出会い、セレブな一夜を過ごすことに。だが、いいことは続かない。この出来事が規律正しく営まれていた“学校”の存亡をおびやかす事態を招くことになろうとは…。
『さらば、愛しき鉤爪』の著者ガルシアが放つ、LA発痛快ブラックな会心作!


着地点が見つからないまま読み進めてゆくのはちょいタルいけど、ユーモア溢れる語り口が面白い。


以下、人によっては「ネタバレ」と感じる部分があると思いますので、ご注意ください。
 ↓



カナダのごちゃまぜケイオティック・プログレッシヴ・メタル・バンド、PROTEST THE HEROの来日公演が決定しました!
2ndアルバム「FORTRESS」(2008)の10周年を記念する再現ツアーとのこと!!
ウヒョォォォオオオオオオ!!!!



PROTEST THE HERO
FORTRESS 10 YEAR ANNIVERSARY TOUR IN JAPAN

2018年8月12日(日) ~ 8月19日(日)


地方も周るツアーとのこと。
地域/会場/チケット詳細情報等はまだ未定ですが、これは行きたいなぁ。

一部日程がサマソニと被ってますね。


ちょこっと感想 2017年 vol.1

【ちょこっと感想 2017年 vol.1】

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ACCEPT「THE RISE OF CHAOS」

15作目。前作「BLIND RAGE」(2014)の後、Herman Frank(Gt)とStefan Schwarzmann(Dr)がバンドを離れましたが大きな影響もなく(=感じず)、今回もパワフルな充実作を届けてくれました。前半は無骨過ぎて、ともすれば寝そうになっちまいそうでしたが、後半(というか終盤)はキャッチーさとドラマティックさが増してくるので好みです。⑦Worlds Colliding⑧Carry The Weightの流れが胸熱! Wolf HoffmannのGtプレイも冴えまくってる。



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ALDIOUS「Unlimited Diffusion」

6thフル。J-POP調の歌メロを、ドコドコDrとギャンギャンしたGtリフと派手で分かりやすいツインリード(とライブにおけるヘドバン)で以ってHR/HMに仕立てあげているのが今のALDIOUSならば、①Utopiaはその決定版ともいえそうな良曲。全体的にはポップ化が進み、脱メタル/J-POP寄りの音になってきてますね。これ、Re:NO(Vo)の色が濃くなってきているとも言えそうで、リノ化が進んだリノディアスというか。④ジレンマ⑩Go awayといった“変わり種”の曲の存在が光る(書いたのは両方ともGtのトキ)ので、幅を広げてきた感もあります。Marina(Dr)の衣装 is エロい。



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HOLY MARTYR「DARKNESS SHALL PREVAIL」

イタリアのエピック・メタル・バンドの4th。前作「INVINCIBLE」(2011)から6年経ってますね。歌舞伎メイク&日本大好き路線は捨てたようです。というかそもそも歴史や闘いに焦点を当てていただけで、別に思い入れはなかったのかも(笑)。今回のテーマはトールキンです。
悪くはないけど良くもない。神話と戦いを題にとったムードは好みなんだけど、歌メロが一本調子なのとテンポが似たようなミドル曲ばかりなので、聴いていてつまんないんですよね。前作のような起伏とキャッチーさ、それとバカバカしいまでの昂揚感をくれ。



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PARADISE LOST「Medusa」

15th。近作に顕著なヘヴィ化はさらに進行しております。とはいえ、彼らの場合はマッチョな暑苦しさや押しつけがましさではなく、暗さとメランコリーを備えた重低音なのでオイラのようなメロディ派でも拒否感が出ないっす。BLACK SABBATHを彷彿とさせる楽曲展開の妙も美味しい、極上のブリティッシュ・ドゥーム。個人的には、2005年のセルフ・タイトル作くらいメロメロになってもらっても構わないけど。